
関西学生将棋連盟主催の令和6年度春期一軍戦が2024年6月16日と23日に行われ、本学将棋部がB級で準優勝を果たしました。その勢いのままA級とB級の入れ替え戦に進出し、見事な勝利で悲願のA級昇格を達成しました。
昨年度まではB級中位に留まっていた将棋部ですが、今年は飛躍的な成長を見せ、躍進の年となりました。この昇格の背景には、部長の荒内奏斗さんと主将の山田祥太さんによるリーダーシップとチーム改革がありました。昇格後も、11月17日と24日の秋期一軍戦に向けて取り組みを続けるお二人に、お話を伺いました。
荒内さんは「これまでの将棋部は『楽しく活動する』ことを重視していましたが、今年からは『勝つチーム』へと目標を切り替えました」と語ります。部活動のスタイルを大幅に見直し、部員全員が真剣に練習に打ち込める環境を整えたのです。山田さんも「部員の意識を変えるため、目標を具体的に掲げ、部室の壁に部員一人ひとりの目標シートを貼るなど、モチベーションを高める工夫を行いました」と振り返ります。新歓活動でも、必要な人材を意識した戦略的な勧誘を行うため、勧誘マニュアルを作成し、積極的に将棋部の魅力を伝えられるよう取り組みました。結果として新たに12名が入部し、部員数は合計で27名となりました。

また、部活動のスケジュールを部員が参加しやすい時間に調整し、練習への参加を促すことで全体の活動量を増やしました。「ただ練習をするだけでなく、各自に大会前の課題を与え、その取り組み方は部員の自主性に任せています。答えを教えるのではなく、考えさせることで主体性を育むことが大切だと思っています」と山田さんは説明します。特に、自らの力で困難を乗り越える経験を重視し、部員の成長を促してきました。
その一方で、今年度は新たに入部した1年生たちの存在も部に新たな風を吹き込みました。意欲的な1年生が多数入部し、その熱心な姿勢が上級生にも刺激を与えました。「これまで部室は、空き時間に立ち寄って将棋を指す場所でしたが、1年生が真剣に練習する姿を見て、自然と上級生もこれまで以上に将棋に打ち込むようになりました」と荒内さんは語ります。このように新入生の熱意が、部全体の練習環境の改善にもつながっています。

今年度の新入部員の中には「本校の将棋部の実績を知って入部を決めた」という学生も増えました。「高校生だけでなく、高校教員の方々も将棋部の成績に注目してくれるようになっています」と荒内さんは語ります。さらに、体験入部の際にも「主将以外にも強い部員がいる」と評価されることが増えたのも、大きな進展の一つです。
次なる挑戦は、間近に迫る令和6年度秋期一軍戦(11月17日・24日開催)です。A級昇格という成果に満足することなく、将棋部全員がさらなる高みを目指しています。「今後も部員一丸となって、より強いチームを目指して努力していきたい」と荒内さん、山田さんは決意を新たにしています。
将棋部の今後の活躍に、ますます期待が高まります。
