新入生や高校生のサポートを行う大学公認の組織、DAIKEI Oritor’s Group for Students(DOGs)では、11月22日(土)、2025年度DAIKEIピア・サポーター上級生研修を行いました。ピア・サポート活動の理解を深めるため、2年生40数名が参加。ピア・サポート活動について理解を深めるとともに、ピア・サポーターの力を引き出すメンタリングについて学びました。
研修会は、DOGs第5期代表の福元陽誠さん(経済学部2年)の「126人の大グループになった今、メンバーそれぞれができることを考えたい」という挨拶で開会しました。続いて行われたのは、関西大学の松田優一氏による講義「ピア・サポート詳論」です。参加者は、すでにピア・サポート入門を受講していますが、改めてピア・サポートの目標や活動の振り返りなどを行いました。
松田氏によると、不安や悩みのない学生は約1割にとどまり、ほとんどの学生が何らかの不安や悩みを抱えているといいます。また、自分のことを何でも話せる友人がいない学生は19.9%おり、そのうち43.8%の学生が、自身の悩みを誰にも相談していないとされています。
「もちろん相談しなくてもよいのですが、相談したくてもできない人がいます。そうした学生を減らすためにピア・サポートは生まれました」と松田氏。ピア・サポートの定義は「『あったらいいな』を実現する共育活動」といい、“共育”、つまり、サポートする側もされる側もともに成長することで大学を変える力につながると話しました。
その後、ピア・サポート活動を考える際に必要な手順やコツなどを紹介。ピア・サポート活動は、必要なスキルを磨く「トレーニング」、活動のミッションを理解して計画立案する「プランニング」、計画を実行する「サポート活動」、自分自身やグループの振り返りを行う「スーパービジョン」を繰り返すことで、よりよい活動へと向上させることができると話しました。また、プランニングでは、活動のリスクや課題まで見通して作戦を立てておくと、大学側の支援を得られやすいといったアドバイスも紹介しました。
最後に、松田氏は、学生たちに向けてエールを送りつつ研修を終えました。「上級生として、今まで以上に広い視野を持って取り組んでください。自分がどうなりたいか、どうありたいかを大切にしつつ、大学から求めてられていることを考え、活動目標に近づけるサポートを意識するようにしましょう。ピア・サポート活動は、自身も関わる人もプラスの方向に変えることができます」
午後の研修は、本学人事課の小林諒太朗氏による「後輩ピア・サポーターの力を引き出す『メンタリング』について知ろう」です。
「メンタリングは実現したいことを叶えるための手段」と小林氏。メンタリングはメンター(経験豊富な先輩)とメンティー(未熟練者の後輩)との対話が重要とのこと。メンターとメンティーが楽しみながら自由に対話することで、メンティーの自発的成長を支援し、ともに成長を目指すものだといいます。例として大阪経済大学事務組織でのメンター制度を取り上げ、メンタリングの方法や狙い、参加した職員の声などを紹介しました。職員も日々学んでいますが、従来の研修のように講師から一方的に知識を学ぶのではなく、メンタリングを通じて職員同士で刺激を与えあい学びあうことが大切だといいます。
その後、「どんなメンターでありたいか」「後輩だった頃に困っていたこと」をテーマに、テーブルごとにワークショップを開催。学生からは「相談しやすい環境をつくれるメンターになりたい」「DOGsのタスクだけでなく、授業や生活でも支援できるように」「メンティー同士の関係づくりも手助けできれば」といった声が上がりました。
また、メンタリングの際には“ジョハリの窓”を意識してほしいと小林氏はいいます。ジョハリの窓とは、ジョセフ・ルフトとハリー・インガムが提唱した、コミュニケーションにおける自己分析の心理学モデルです。自分が知っているか知らないか、他者が知っているか知らないかという2つの軸をベースに、自己を4つの窓に分類します。すると、「開かれた窓」「気づかない窓」「隠された窓」「閉ざされた窓」ができますが、自分も他者も知っている「開かれた窓」のゾーンを広げていくことがカギとのこと。それによって自他の認識のズレを減らし、コミュニケーションをよりスムーズにできるといいます。
「開かれた窓を広げる仕掛けは、自己開示とフィードバックです。メンティーの自己開示を促し、メンターからの良質なフィードバックによってメンティー本人が気づいていない一面に気づかせることができます」と小林氏。自己開示とフィードバックのトレーニングとして、学生たちはヒーローインタビュー&他己紹介に挑戦。相手の話を引き出したり、相手が気づかない点を見つけるトレーニングを行いました。現在DOGsにはメンターが10名いますが、すべての上級生がメンタリングの理論や手法を学ぶことによってグループ全体の成長につながることが期待されます。
閉会の挨拶では、第5期副代表の緒方章悟さん(人間科学部2年)が「9月に新体制となり、1年生がDOGsに入会して2カ月。今、2年生が聞きたかったことを教えていただきました。学べたことに感謝します」と話し、上級生研修は幕を閉じました。
代表の福元さんは「あったらいいなを実現するのがピア・サポート活動という考え方がとても刺さりました」と話しました。「オープンキャンパスで高校生を案内したり、新入生オリエンテーションでよろず相談を行ってきましたが、それも誰かの『あったらいいな』を実現したものなんですね。自分たちがやってきた活動がきっちりと言語化され、みんなで再確認できてとてもよかったと思います。また、メンタリングについて学べて視野が広がりました。今回の研修で、2年生が先輩としてすべきことを理解できたと思います。これらの学びを今後の活動に活かし、DOGsがともに成長できる場だということを新入生や高校生に伝えていきたいと思います」
上級生研修では、ピア・サポート活動について理解を深め、上級生が下級生をサポートする手法を学ぶことができました。今期のDOGsは126名という大グループでもあり、今回の学びを活かして今まで以上に活躍してくれることでしょう。