本学ハンドボール部で主将を務める相葉颯一朗さん(経済学部3年)が、プロチームの「アルバモス大阪」に入団しました。相葉さんは2026年の3月までアルバモス大阪でプレーしたあと本学ハンドボール部に戻り、4月からはじまる大学生最後の学生リーグに挑みます。相葉さんにプロチームでの活動や、ハンドボールとの出会い、学生リーグに向けての意気込みなどをお伺いしました。
相葉さんは、2025年11月の半ばにアルバモス大阪へ入団。2026年春には再び学生リーグに戻るため、アルバモス大阪には2026年3月までの短期間の参加になります。大阪経済大学入学当初からプロリーグでプレーすることを目指し、日々鍛錬を積み重ねてきたという相葉さん。その努力が実を結び、今回のプロ入りとなりました。
サッカーや野球の場合、高校卒業後、大学へ進学せずにプロの道に入る選手も少なくありませんが、ハンドボールでは大学に進学してからプロに行く選手がほとんどだそうです。「ハンドボールは日本ではまだマイナースポーツなので、選手を育成する環境が整っていないのがその理由の一つだと思います。たとえばヨーロッパなどでは競技人口が多く、日本よりもハンドボールをする環境が整っているので早い時期からトップチームに入る人もいますが、日本の場合、高校を出てすぐプロチームで活躍するのはフィジカルの差もあって難しいですね。ハンドボールは結構体の接触が多い競技なんですよ」と相葉さんは説明します。
実際、大学の部活動に比べ、より真剣な雰囲気の漂うプロチームの練習では、体同士がぶつかり合う「当たり」も強いと話す相葉さん。「練習環境も本格的です。ハンドボールの試合では滑り止めとして手に松脂(まつやに)を塗るのですが、大学の練習では体育館が汚れてしまうので、両面テープを代わりに使うのが一般的です。プロチームの練習では試合と同じように松脂を使っています」
学生リーグよりも強い相手と対戦できるのもプロリーグならでは。プロの強豪チームを相手に自分のプレーがどこまで通用するのかを見極めたうえで、そこで見つかった課題やプロでの経験を、大学の部活動に戻る4月からは、しっかり活かしたいと相葉さんは話します。
厳しいプロの世界で自己を磨き続ける相葉さんですが、ファンとの交流のほのぼのしたエピソードも紹介してくれました。「試合の後にサイン会があるのですが、アルバモス大阪のファンの方に頑張ってねと声をかけていただいたり、小学生がシューズを持ってサインをもらいに来てくれたり。僕自身、子どもの頃にプロチームのサイン会でプロの選手たちをあこがれの目で見ていたので、『いま自分がこっち側にいるんだ』と感慨深いです」
相葉さんが生まれ育った山口県の岩国市は、ハンドボールが盛んな地域です。相葉さんの通っていた小学校でも、地元のクラブチームが放課後に体育館で活動していました。相葉さんは小学2年生のときにチームに入り、そこではじめてハンドボールに出会います。「仲の良かった先輩に誘われるがまま最初はよくわからずにはじめたのですが、やってみると楽しくて。ハンドボールはジャンプシュートといって跳んでシュートするのが特徴です。シュートが決まるとすごく気持ちよくて面白かったですね。それ以来、ずっとハンドボールをやっています」
中学でもハンドボール部に入部し、高校はハンドボールの強豪校、岩国工業高校へ。高校の全国大会で活躍する相葉さんの姿が本学ハンドボール部監督の目に止まり、監督から大阪経済大学に来ないかという誘いを受け、本学への入学を決めました。「一般的に、高校の部活動に比べて大学の部活動は学生の自主性を尊重するところが多いのですが、その中でもとくに大阪経済大学は自由な雰囲気がありますね。監督が『選手自身が考えて決めていこう』という方針を採っているからだと思います。監督は優しく、困ったことや悩みごとなど何でも話せる方で、いつもみんなをサポートしてくれています」
子どもの頃は先輩たちにかわいがられ、シュートを決めたりすることがただ楽しかったという相葉さんですが、中学、高校、大学とハンドボールを続けていくうちに、ハンドボールへの思いもまた違ったものに。「いまももちろんハンドボールが好きだという気持ちは変わりませんが、それに加えて、応援してくれる家族の存在が大きく、頑張ろうという気持ちにつながっています。あと、僕はすごく負けず嫌いなので、ハンドボールで試合に勝つ、それが楽しいですね」
そんな相葉さんが選手として大事にしているのは、感謝の気持ちを忘れないこと。「小学校のクラブチームのときから言われていたことなのですが、親がシューズやウェアを買ってくれたり、先生が時間を割いて指導に来てくれたりするのは、当たり前のことではありません。物を大事にする、送り迎えのお礼をきちんと言う、当時の監督から教わったことが、いまに活きていると思っています」
ゴールキーパー1人とコートプレイヤー6人の合わせて7人1チームの中で、相葉さんのポジションは、後方の真ん中に位置するセンターバック。試合の流れを把握し、コントロールしていくいわばチームの司令塔です。「相手チームの弱いところを見つけてそこを突く攻撃を仕掛けたり、自チームの調子のいい選手を活かしたフォーメーションを使ったり、臨機応変にゲームのプランを組み立て、ゲームコントロールしていきます。広い視野で試合の全体を見てパスをさばかなければならないので、頭を使うポジションです」
ゲームを組み立てるセンターバックであると同時に、大学では約30人の部員を引っ張っていく主将でもある相葉さん。主将としてチームを一つにまとめていく中で感じる難しさもあるといいます。「ハンドボールはチームスポーツなので、自分だけが頑張ればよいわけではなく、みんなの士気を高めて上を目指していかなければなりません。それが難しいですね。いまもどうすればよいかという明確な答えは出ていないのですが、チームのメンバーそれぞれの性格に合わせて、やる気を引き出せるような声の掛け方をするなどの工夫をしています」
また、自分とメンバーとの間で、ハンドボールへの熱量の違いを感じたこともあったと相葉さんは話します。「僕はプロを目指していますが、もちろん、みんながみんなそうではありません。そこでみんなに働きかけるよりもまず自分が頑張ろうと考えました。自分の頑張りを見てくれた人に影響を与えられるように、一生懸命トレーニングに取り組んでいます」
プロチームでも大学でも自らを律して努力を続ける相葉さん。最後に、今後の活動への意気込みを聞きました。
「3月まではアルバモス大阪でプレーしているので、プロの方々からいろいろなことを吸収して、レベルアップしたいと思っています。試合ではちょっとでも活躍して、これまで画面の向こうの存在だったプロの選手に、『おっ!』って思われたいですね(笑)。
4月からはまた大学リーグに戻りますが、いまだ1年生のときの夢である最優秀選手に選ばれていません。前回の関西学生ハンドボール秋季リーグでは得点王をいただいたものの、チームとしては5位止まりだったので、今度こそ優勝して最優秀選手を取りたいと思っています」