2026.05.07
学生生活
大学生が教える入学前教育(早期合格者対象) ― 講義・交流・メタバースまで
「入学前にあったらいいな」の声を具現化

2026年度入学の早期合格者対象「入学前教育」を、12~3月にかけて対面・オンラインにて実施しました。学生たちの「入学前にあったらいいな」という声をもとに、学生講師による講義やメタバースを活用した謎解き脱出ゲームなど、学生ならではの視点を活かしたプログラムを学生主体で企画・運営しました。参加者同士が交流を楽しみながら入学前の不安を解消することができる、画期的な“学びの場”となりました。

※本取り組みに関する記事が朝日新聞(2026年3月13日付)に掲載されました。
朝日新聞:入学控えた高校生向けイベント、大学生が企画 大阪経済大

大学生が講師となって学部の学びを伝える

入学前教育の企画、運営を担ったのは、DAIKEIピア・サポーター[DOGs]の学生たちです。企画の発案、事前の準備、当日の運営まですべてを主体となって行いました。なかでも、学生が講師となり、教員の監修のもと、大学での学びの内容を伝える「教えて! キャリア先生!!」「教えて! 大学生教授!!」は初の試みです。学生が自ら講師となって講義内容を考え、実際に授業を行う形式の入学前教育は、他大学でもほとんど例がなく、独自性の高い取り組みとなっています。

「教えて! キャリア先生!!」(12月20日、2月7日実施)は、キャリア科目のひとつである「キャリアデザイン」の授業を実際に体験します。自身の大学生活のキャリアプランを立てて、キャリア形成の大切さを理解できる内容となっています。

「教えて!大学生教授!!」経済学部 ※取材当日の開催スクーリング

「教えて! 大学生教授!!」は、それぞれの学部の学びを伝えるもので、どの学部の講義もグループワークを取り入れ、参加者同士が交流しながら学べる内容になっています。経済学部(2月21日、3月10日実施)の講義では、「公共財ゲーム」を通じて税金の必要性や社会の仕組みを学びました。当日は、参加者3~4名にファシリテーターとなるピア・サポーター1~2名を加えたグループに分かれてテーブルに着き、最初に講師の大学生が公共財の知識とゲームのルールを説明しました。すぐにゲームが始まるのではなく、自己紹介と練習の時間があり、緊張した面持ちだった参加者もだんだんと打ち解けて、楽しそうにゲームに取り組んでいました。

参加者は、紙幣に見立てた紙の所持金(10ドックス)から出資する額を決め、出資後、全員に合計出資額の0.4倍が分配されます。3回繰り返した後、所持金が最も多い人が勝ちになります。公共財ゲームは2回行われ、1回目はそれぞれの参加者が出資した額は本人とファシリテーターにしか分かりませんでしたが、2回目は参加者全員の出資額が開示されました。結果、2回目のほうが全体の出資額が増え、最終的な所持金も多くなりました。

ゲーム終了後、講師から公共財ゲームと社会のつながりについて解説がありました。完全な個人戦では協力が生まれにくく、自らは出資せずに他者の負担にただ乗りする「フリーライダー」が多く出てくること、協力するためには何らかの条件や制度が必要であることを公共財ゲームによって実感。そのために「税金」が必要なのだと、社会課題や社会の仕組みについての理解を深めることができる内容となっていました。

「教えて!大学生教授!!」人間科学部 ※取材当日の開催スクーリング

人間科学部(2月21日、3月10日実施)の講義はコース別に行われました。スポーツ科学コースでは、各領域の概要と授業内容を説明し、コーチ役と選手役になってコーチングのアクティビティを行い、スポーツコーチングでの双方向コミュニケーションの大切さを学びました。臨床心理学コースでは、心理クイズを出し、どの問題もなかなか正解にたどりつけない心理があると解説、自らの偏見や思い込みに気づくことの重要性を学びました。社会ライフデザインコースでは、感染症と公衆衛生について説明し、若者へ向けた啓発ポスターを作成し、一人ひとりの行動が社会全体の安全につながることを学びました。

経営学部では身近な商品や高級品の価値の伝え方、情報社会学部では現代社会において不可欠なSNSについて、国際共創学部では経営で使われるSWOT分析などを学びました(いずれも2月7日、3月10日実施)。どの学部も、身近な例を通じて専門的な学びの基礎知識や社会とのつながりを理解できる講義となっており、参加者はグループワークで思考を深め、自身がこれから大学で学ぶことの意義を体感することができました。

キャンパスツアー・パソコン講座など多彩なプログラムを用意
キャンパスツアー

2月21日・3月10日には、大阪経済大学のキャンパスに関連するクイズを解きながら、ピア・サポーターの案内とともに5つのチェックポイントをまわる、ストーリー仕立てのキャンパスツアー「キャンパス探検隊:創れ! 思考のお弁当!」も実施されました。参加者は、4人1組となり、自己紹介で打ち解けてからツアーへ出発。クイズは〇✕形式で「C館ではハンモックやクッションでくつろげる」「100円弁当は曜日ごとにメニューが変わる」などの質問に答えていきます。参加者は「分からないけど、〇であってほしい」という理由から答えを選ぶなど、キャンパスライフへの期待をのぞかせました。

パソコン講座

他に、スマートフォン世代の高校生が大学では必須となるパソコンの操作にスムーズに移行できるように「パソコン講座」も企画され、パソコン部の学生が指導にあたりました。2月21日には基礎編、3月10日には基礎編とプログラム編を提供。基礎編では、基本的なパソコン操作とタイピングゲームを行い、プログラム編では、QRコードをプログラミング言語で作成しました。

メタバース(仮想空間)でキャンパスを体感 ~多様な学生たちで企画・運営・設計まで~
DAIKEIメタバースの仮想空間

3月7日・12日には、遠方の人でも参加できるよう、オンラインで「DAIKEIメタバース ~謎解き脱出ゲーム~」を実施しました。メタバースアプリ「cluster」を活用し、仮想空間上に再現したキャンパスで、図書館とA館を舞台に謎解き脱出ゲームを行います。参加者はアバターとなり、グループごとにクイズに挑戦しながら探索します。楽しみながら協力し合い、すべてのクイズに正解して大阪経済大学のキャンパスから脱出することを目指しました。このメタバースは、ピア・サポーターたちの企画・運営のほかに、メタバースの空間づくりを専門にする学生たちとつながり、学内の多様な学生が集まってできあがったプログラムです。

他にも自宅学習で「e-ラーニング講座」や「学問サキドリプログラム」を導入し、入学後すぐの学びを先取りして体験できる教材で、大学での学びを醸成するプログラムを提供しました。

新入生の不安を解消し、仲間づくりの手助けを

これらのさまざまなプログラムはどれも、入学前の不安を解消して、仲間づくりの手助けとなることを狙いとしています。参加者からは「授業がどんなものかぼんやりとしていたが、学びたいことがここにあると分かって、ワクワク感が増した」「初めて会う人たちでも意見交換できて、すごく楽しかった」「60分間の講義があっという間で、学ぶのが楽しみになった」などの好意的な感想が寄せられました。

DOGs代表の福元陽誠さん(経済学部2年 ※取材当時)は、「各学部の学びの内容を正確に伝える必要があったので、ゼミの先生方に助言をいただきながら講義の内容を考えました。高校生にとってわかりやすい例を取り入れるなど、年齢が近い自分たちだからこそできるものになるように心がけました。実際にやってみて、ファシリテーターとして僕たちが入り、自己紹介やグループワークに一緒に取り組むことで、参加者に親近感を持って楽しんでもらえたと感じています」と話しました。

また、「自分たちもそうだったように、新入生は、大学ってどんなところなんだろう、どんな勉強をするんだろう、どんな先輩や友だちがいるんだろう、とたくさんの不安を抱えていると思います。その気持ちを少しでも軽くすることができればと活動しています。今回の入学前教育では、初めての試みも多かったので、結果をしっかり振り返って内容をより良くしていき、もっと多くの人に参加してもらえるように、広報活動にも力を入れていきたいです」と次への意欲を語りました。

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