2024.07.10
学部・大学院
中村健二ゼミ「Japan Business Design & Action Award」全国大会出場、ビジネスアスリート賞を受賞
将来像から考える大学検索サービスが高評価

情報社会学部の中村健二教授のゼミ生が「第10回Japan Business Design & Action Award2023-2024(主催:一般社団法人ビジネス・アクション・クラブ)」のビジネスアイデアデザイン部門(キャンパス)に出場。地区予選でグランプリを獲得し、2024年3月14日に開催された決勝大会でビジネスアスリート賞を受賞しました。

一般企業や起業家に交じり、ビジネスのアイデアを競う

「Japan Business Design & Action Award」は、ビジネスに関する発見や創造を目的として開催されるビジネスコンテストです。対象となる分野は生活サービスからものづくり、農林水産、地域振興、アート、スポーツなどさまざま。AIやロボットなどのテクノロジー、または地域限定品や研究開発品などのユニークな素材を活用したビジネスのアイデア、プラン、研究成果を募集しています。中学生から社会人、一般企業まで幅広い層がエントリーできるのも特徴。主に企業などを対象としたビジネス部門と、主に学生を対象としたビジネスアイデアデザイン部門(キャンパス)があり、各地での予選で部門グランプリ・準グランプリを獲得したチームのみが決勝大会へ進むことができます。今回、中村ゼミのチーム「ホワイトペッパー」は、ビジネスアイデアデザイン部門(キャンパス)に出場して予選を勝ち抜き、決勝大会へ進みました。

高校生の進路の悩みに、生成AIやメタバースを活用

ホワイトペッパーは、岡本睦生さん、日下滉志さん、木原徹さん、河合翔海さん、前田采音さん、岡崎稜大さんの6人から成るチームです。テーマとして選んだのは、“大学選びサービス”です。メンバーの家族に受験生がいて、どの大学に進学すればいいか悩んでいることがきっかけとなり決まりました。まずは実態を知るために、高校の進路指導部や情報社会学部1年生へのアンケート調査からスタート。進路指導部には進路相談でよく出る質問は何かを尋ね、学生には将来活躍したい業界・企業などを尋ねました。河合さんは「高校に電話してアンケートの許可を取るのが大変でした。1人あたり10校ほどの高校に電話して、最終的に30校近くの高校から回答をいただきました」と話します。

学生アンケートからは、ほとんどの高校生は進路を決める段階で将来の目標が定まっていないとわかりました。自分が何になりたいのか、どんな仕事をしたいのかわからないまま大学を選ぶのは、なかなか難しいものです。ホワイトペッパーは、高校生のうちに将来なりたい職業や進みたい業界などが決まっていて、それに適した大学や学部を選ぶのが合理的ではないかと考えました。そこで考案したのが、将来像を探りながら大学検索ができる「将来を見据えた大学選びサービス『Fingle』」です。

下準備として、AIに大学のホームページやシラバスなど大量のデータを読み込ませておきます。そして、AIとチャットを行うことで高校生の興味や関心を分析し、興味や関心にマッチした職業・業界を提案。その職業・業界で活躍するのに役立つ大学・学部・授業を紹介するという仕組みになっています。「さらに、メタバース上でオープンキャンパスを開催して、アバターで交流しながら大学生の声を聞けるのもポイントです」と前田さんは話します。興味を持った大学についてより深く知ることで、大学選びがしやすくなると考えたのです。
偏差値、エリア、入試方法といった条件から大学を検索するサービスは数多くあります。しかし、まず将来活躍したい職業・業界を見つけて、その上で適した進路を提案するというアイデアなどがはユニークであり、高く評価されました。

学生の声

前田 采音さん(4年生)
私は発表担当だったので、限られた時間内でわかりやすく伝えるよう工夫しました。ゼミに入るまでは人前で発表する経験はあまりありませんでしたが、プレゼンやコンテストを重ねるうちに成長でき、就職活動の面接でもハキハキ堂々と話せるようになりました。

河合 翔海さん(4年生)
高校へのアンケート依頼は大変でしたが、自分から情報を集めに行くという行動力と勇気が身につきました。少しでも行動すれば何か得られるものがあると気づけたので、社会に出てからも、資格試験やスキルアップに取り組んで自分を高めていきたいと思います。