
経済学部 樫山武浩准教授のゼミに所属する深町晃大さん(経済学部4年)は、「2024年度スポーツデータサイエンスコンペティション」のインフォグラフィック部門に参加し、サッカーデータをもとにしたインフォグラフィック(図・アイコン・グラフ・イラスト などを使って簡潔に伝える手法)を制作しました。その優れたデザインと分析力が高く評価され、見事、優秀賞を受賞しました。
本コンペティションは、日本統計学会スポーツデータサイエンス分科会および情報・システム研究機構統計数理研究所が主催し、スポーツデータの分析・視覚化を競うものです。深町さんは、樫山准教授の紹介を通じてこのコンペティションを知り、もともと関心のあったグラフィックデザインについてさらに深く学べると考え、挑戦を決意しました。
本研究では、「サッカーを始めたばかりの少年少女に、サッカーをもっと好きになってもらうこと」を目標に、シュートに関するデータ分析を行いました。具体的には、シュートアシストが成功しやすいコート上のエリアと、ゴールが決まりやすい時間帯の2つの視点でデータを解析しました。
主催者から提供されたデータは、2022、2023年のJ1リーグ第30~34節の90試合分に及ぶボールタッチデータ、トラッキングデータ、テキスト速報データです。これらをPython(データ収集や分析に強いプログラミング言語)を用いて分析し、シュートアシストが成功しやすいポジションや、ゴールが生まれやすい時間帯を特定しました。
インフォグラフィックの制作では、視覚的に直感的なデザインを意識し、サッカーコートを背景にデータを可視化しました。重要なポイントを黄色で強調し、視線誘導を促進するなどの工夫を施しました。また、ヒートマップや折れ線グラフを用いることで、視覚的に分かりやすい形で情報を整理しました。
※深町さんの作品は、本コンペティションサイト 「2024年度 報告集」のP344 に掲載されています。ぜひご覧ください。
以前からデザインに興味を持っていたという深町さん。今回の挑戦を通じて、インフォグラフィック制作は単に見た目を整えるだけでなく、正確なデータ分析に基づいた視覚表現が求められることを学んだほか、分析の精度がデザインの説得力を左右することを実感し、データ処理の重要性を再認識したそうです。
深町さんは、「今回の挑戦を通じて、自分が最も関心を持っているのはデザイン領域であると再確認しました。今後は、デザインのスキルをさらに磨き、より専門的な知識を深めていきたいと思います」とこれからの抱負を語ってくれました。