2025.03.27
学部・大学院
WEST最優秀論文賞の快挙に経済学部長賞を授与

2025年3月25日、「WEST論文研究発表会2024」にて最優秀論文賞(最高位の賞)を受賞した経済学部生6名を対象に、経済学部長賞の表彰式が執り行われました。WEST論文研究発表会とは、社会が抱える諸問題を学生が経済学の視点から研究し、社会へ政策提言を行う大会です。

経済学部長賞は、学術研究・課外・社会活動の分野において顕著な成果を収めた学生を称える目的で2024年度に創設されたものであり、今回が2回目の表彰事例となります。当日は経済学部長室にて、小川貴之経済学部長より賞状と記念品が授与されました。

■受賞者一覧(計6名)
経済学部3年:角崎 瞬さん、歌丸 大志さん、野田 浩太さん、太田 優心さん
経済学部2年:川村 結愛さん、鍛治 和香さん

挑戦の軌跡

受賞論文のテーマは「平成の市町村合併と定住自立圏の政策評価」です。平成の大合併(1999~2006年)を中心とした自治体政策の効果を検証するもので、特に市町村の財政状況や人口構造の変化に焦点を当て、合併と定住自立圏構想の双方から政策的有効性を分析しました。学生は「論文の提出数日前に分析手法や論点など根本から再構築する過程で、膨大な検証作業に追われ、その期間はほぼ記憶に残っていないほど集中していた」と振り返ります。

データ収集は、1999年から2024年にかけて行われた全国の市町村合併を調査し、破綻事例も含めて1000件近くの情報を手作業で入力。担当エリアを分担しながら、正確性を保ちつつチーム全員で作業を進めました。また、先行研究の調査では日本語文献にとどまらず、英語やデンマーク語など海外の論文も読み込み、「翻訳機能に頼れない部分は単語単位で意味を推測しながら読み解いていった」と、地道な調査の積み重ねを語っています。

受賞の喜びと支えてくれた人々に感謝

学生は「最優秀論文賞の受賞時に名前を呼ばれたときは驚きが先に立ち、しばらく実感が湧かなかった」「これまで多くのOBOG、4年生の先輩方に支えられ、フィードバックをいただいた結果が形になった。少しは恩返しができたかなと思う」と語り、周囲への感謝の気持ちをにじませました。

WEST論文研究発表会では、初日の分科会発表を経て選ばれた5チームが2日目の最終審査に臨み、審査員の前でプレゼンテーションを行いました。大阪大学や中央大学といった強豪チームとの接戦のなかで最優秀論文賞を受賞したことは、学生にとって大きな自信となりました。

今後について、3年生は「就職活動や新生活に専念しつつも、後輩の研究活動を支援していきたい」と語り、研究のバトンが確かに受け継がれていくことを感じさせます。また、2年生は「来年度は自分たちが中心となる立場になる。無理なく、けれど本気で取り組みたい」と、次代への強い意欲を見せました。

写真左より、川村結愛さん、野田浩太さん、小川経済学部長、角崎瞬さん、歌丸大志さん(※ほか2名は欠席)

経済学部長賞は、学生の卓越した努力と成果を称えるだけでなく、今後の学術活動や社会活動におけるさらなる挑戦を促すものです。これからも学生の活躍に期待しています。

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