経済学部の塚谷文武ゼミでは、地域と大学との新たな「つながりの場」の創出を目指し、2023年度より学内で子ども食堂(通称:びすとろ DAIKEI)を運営しています。今年度(第2期)の活動では、5月から翌年2月までの約10か月間にわたり、学生会館2階にて計10回の子ども食堂を開催し、近隣小学校の児童を中心に延べ400名が参加しました。
ゼミ生(3年生20名)は、代表、会場、企画、食事、広報の5つの係に分かれ、企画立案から運営、食事の提供、参加者との交流までをすべて学生主体で実施。子どもたちは、宿題に取り組んだ後、大学生や他校の児童とレクリエーションを楽しみ、温かい手作りの食事を共に囲みました。

現代社会では、地域コミュニティのつながりの希薄化が課題となっています。塚谷ゼミではこの社会的背景に着目し、大学が地域の子ども食堂の担い手となることで、人的資源や企画力を提供できるだけでなく、学生にとっても主体的に考え行動する力を養う学びの場になると考えています。
実際の活動では、受付対応や会場設営、子どもたちとのふれあい、さらには送迎サポートに至るまで学生たちが責任を持って取り組み、実践を通じて大きく成長しました。

粟野 虹也(ゼミ生代表・経済学部3年)
2年生の秋から子ども食堂について学び、日本の子どもたちが置かれている状況を知りました。そこで学んだことを活かし、3年生の春学期から実際に子ども食堂の企画・運営を行ってきました。最初は、子どもたちの人数がゼミ生よりもはるかに多く、開催中にいろいろなトラブルが起きて、開催のたびに反省・改善の繰り返しで苦労が続きました。しかし今では、全員がやるべきことを把握し、自ら行動できるようになりました。私たちゼミ生が子どもたちの喜ぶ笑顔から元気をもらえるようになり、子ども食堂の運営に達成感や充実感を感じています。
塚谷 文武 教授
今年度で第2期を迎えた子ども食堂ですが、回を重ねるごとに、とても効率的な運営ができるようになっていきました。学生が各係の役割分担を決めて、自ら考え、子どもたちが楽しい時間を過ごせるようにいろいろと工夫をしてくれたおかげだと思います。受付から始まり、解散した後の子どもたちの自宅への送迎まで自主的に取り組む姿からは、学生の成長を実感することができました。3月には引き継ぎ式を無事に終えており、4月からは新たに第3期がスタートします。今後も継続して、子ども食堂の社会的機能の多機能化を目指して、学生と共に考えながら運営を続けていきたいと思います。