2025.07.10
学部・大学院
税理士 濱中隆雄氏による講演会「税理士の魅力と面白さを伝える1時間~税理士ってコスパ合いますか~」

2025年6月3日、経営学部「租税法Ⅰ」の講義(担当:古賀敬作教授)で「税理士の魅力と面白さを伝える1時間~税理士ってコスパ合いますか~」をテーマに、講演会を実施しました。講師としてお迎えしたのは、本学大学院の卒業生でもある、IGM税理法人代表社員税理士の濱中隆雄氏です。

濱中隆雄氏プロフィール
大阪経済大学大学院 経営学研究科
経営学専攻修士課程修了。
2023年に共同代表でIGM税理法人を立ち上げ、
現在まで代表社員税理士を務める。
税理士資格だけでなく、日商簿記1級
日本政策金融公庫農業経営アドバイザー
岡山県よろず支援拠点コーディネーター
JSA SAKE DIPLOMA(日本酒のソムリエ資格)
など数多くの資格を所持。

税理士が活躍できるフィールドの広さ

税理士の具体的な仕事内容についての紹介から講演は始まりました。

税理士の仕事としてイメージされやすいのは、確定申告・財務調査の立会いなどの「税に関する仕事」や、財務書類の作成・会計帳簿の記帳代行といった「会計に関する仕事」ですが、実は税理士が活躍できるフィールドはもっと広いと濱中氏はいいます。

他に「国への税制に関する提言」や「成年後見制度への参画」などを具体例として挙げ、税理士の仕事が我々の持つイメージ以上に多岐にわたることを解説しました。

税理士の仕事はAIに奪われてしまうのか?

近年、AIやRPA(業務自動化ツール)が普及しつつある中で、領収書や請求書の処理などといった単純な繰り返し作業に関しては、すでに自動化が進んでいるそうです。今後その影響で「手を動かす税理士」の存在は減少するだろうと濱中氏は述べます。しかしその一方で、AIにできる仕事には限界があると主張。

「経営者へのコンサルティングや法令・リスクの説明といった業務には傾聴力や説明力が必要不可欠で、AIによる代替はできない。そんな税理士という仕事は、“依頼者や一緒に働く人たちの目標になっていけるような人”が向いているのではないか」と語りました。

努力なしに良いコスパは生み出せない

濱中氏は「事業再生」を専門とし、経営者に寄り添い、二人三脚で経営の立て直しをサポートしています。講演では事業再生の具体的な業務内容に留まらず、顧問先企業の事業再生を担当した場合のコスパについてなど、よりリアルな話題にも言及。やりがいという側面からも税理士について知ることができ、税理士を目指す学生たちのモチベーションアップにもつながったようです。

コスパについて濱中氏はさらに「努力すれば自分が思う以上のコスパを生み出せる。それを可能にするのが税理士という仕事だ」と語ります。濱中氏はこれまで、税理士以外にも料理人や宝石の営業職など様々な職業に挑戦してきたそうです。それは「もっとこうしたい!」「どうせならこれをやってみよう!」と、常に向上心を持ち続けていたからだといいます。

濱中氏はそんな自身の人生を振り返り「挑戦が多い分、困難な状況ももちろん多かったが、それぞれのステージで出会ったたくさんの人たちに支えられ、辛い状況も乗り越えられた」と語ります。そのようにして人生を切り拓いてきた濱中氏の、“努力すれば良いコスパを生み出せる”という言葉を聞き、ついコスパだけを気にしてしまいがちな学生たちも、ひとつ大きな気づきを得られたのではないでしょうか。

学生の声

・税理士の仕事は単に財務処理をこなすことだけではなく、人との信頼関係を大切にしながら継続的に学び続けることが求められ、奥深い職業だと感じた。
・「税理士=税金の専門家」という漠然としたイメージしかなかったが、想像以上に幅広い業務を担っていることを知れた。
・「AIに仕事を奪われるか」という問いに対し、税理士の仕事は人との信頼関係を土台とした業務も多く、AIがすべてを担うことはできないという答えに感銘を受けた。
・仕事内容によって報酬が変わり高収入も期待できるというお話で、大きなやりがいにつながる仕事だと感じた。
・目標や将来に向かって真剣に行動し続けることが成功につながるという、人生において大切なことを学べた。

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