経済学部の樫山武浩ゼミは、アジア航測株式会社が主催する産学連携ワークショップに継続的に参加しています。アジア航測株式会社は、航空機やセンサ、ドローンなどを用いて収集した空間情報データの解析から、活用方法の提案まで、一貫した技術サービスを提供する企業です。空間情報コンサルタントとして、国土保全や社会インフラの構築・マネジメントなど幅広く事業を展開しています。
ワークショップの導入では、アジア航測株式会社のもつ技術についての紹介があり、学生たちはあまり聞きなじみのない“空間情報技術”について具体的な理解を深めることができました。

ワークショップでは、設定されたテーマにまつわる社会課題に対し、空間情報技術を活用した解決策を考察・議論します。過去2回は「海」「災害」がテーマとして設定され、3回目の開催となる今回のテーマは「山」。学生たちは、用意されたアイデアシートにまずは個人でアイデアを記入していきます。「山」に関する様々な社会課題として、登山中の遭難事故や、イノシシなどの野生動物による被害などが挙げられました。
その後学生たちは、グループごとに個々のアイデアを共有。社員の方々のサポートを受けながらディスカッションに取り組み、具体的な解決策として練り上げていきます。ディスカッションで使用するシートには、イラスト等を記入する欄も設けられ、解決策をわかりやすく提案するための工夫がなされています。最後に成果発表として、グループごとに5分間のプレゼンテーションに挑戦しました。参加者による投票も行い、一位のチームには景品が贈られました。
樫山准教授は「初年度は、前例がなく学生たちも緊張した様子でしたが、ゼミの先輩からの引継ぎや助言もあり、年次を重ねるごとに学生たちの積極的な姿勢が見られて大変嬉しく思います」と、ワークショップに意欲的に取り組む学生たちの様子を評価していました。

樫山ゼミでは、データサイエンス技能の習得と、それを活用した社会課題の解決を研究テーマとしています。今回のワークショップを振り返り、樫山准教授は「大阪経済大学は文系大学ということもあり、地理空間情報に対して理系の大学・学部で学ぶものという固定観念をもってしまいがちです。しかしながら、今回のワークショップを通じて、学生たちは自由な発想でその分野について考えることができたように思います。課題解決へのプロセスを楽しみながら学べたことは、今後のゼミ活動でも大いに役立つ経験になったと思います」と話します。産学連携によって実現した文理にとらわれない学びを経て、学生たちの視野も大きく広がったのではないでしょうか。