2025年11月7日(金)、国際共創学部主催の特別講義「日本の茶の歴史と体験」を開催しました。講師としてお迎えしたのは、煎茶道二條流家元の二條雅瑛氏です。二條氏は本学経済学部の卒業生で、今年度から本学の客員教授も務めています。
茶道と聞き、多くの人は茶筅(ちゃせん)で粉末状の抹茶を点てる光景を思い浮かべますが、実はそれは“茶の湯”のお点前です。一方で、急須を使ってお湯で茶葉を煎じるのが“煎茶道”のお点前です。
今回の講義では、煎茶道の家元である二條氏に、煎茶道について詳しくお話しいただき、お点前も披露していただきました。
[二條雅瑛氏プロフィール]
煎茶道二條流家元
1992年に本学経済学部を卒業後、
同年に京都中央信用金庫に入庫。
1996年、二條流の若宗匠として修業を始める。
2021年10月、父親から家元を継承。
2025年度より、本学客員教授。
講義は、日本茶に関する基礎知識の解説から始まりました。茶の分類についての説明では、緑茶・烏龍茶・紅茶といった味も見た目も大きく異なるお茶が、実は元を辿るとすべて同じ茶葉だという意外な事実も明かされました。茶摘み後にどの程度発酵させるかによって、その違いが生まれるのだといいます。
数あるお茶の中で、最も繊細で特別なお茶が“玉露”です。手間をかけて作られる希少なお茶で、“甘み”があるのが特徴。玉露に多く含有されているアミノ酸(うまみ成分)が、甘みの正体です。
玉露を淹れる際に重要なのは、熱に弱いアミノ酸を壊さないこと。低い湯温でゆっくりと時間をかけて浸出することで、繊細なうまみをもつ美味しい玉露を淹れることができます。そのため玉露のお点前では、一度沸騰させた熱湯を「湯冷まし」という道具に注ぎ、冷ましている間に、お茶碗を清める所作などを挟みます。
このように、実はお点前は、美味しいお茶を淹れるために合理的に考えられているのです。正しく覚えることで、自然と美味しいお茶を淹れることができます。「無駄な動作をしているようで、すべてが必要な“間”です」と二條氏は話します。
解説を踏まえ、二條氏は実際に玉露のお点前を披露。実際のお茶席のような程よい緊張感の中で、参加学生や教員は、ひとつひとつの所作や道具に注目しながら見学しました。
「玉の露」(玉露の語源)とも呼ばれる最後の一滴には、うまみが凝縮されています。急須から最後の雫が落ちる瞬間を見逃すまいと、会場全体が真剣に見入っていました。
見学後、淹れたての玉露とお菓子が振る舞われました。参加者たちは繊細な玉露の味をどのような言葉で表現すべきか悩んでいる様子でしたが、「海苔のような味がした」「最初に甘みを感じた」など、思い思いの感想を述べていました。
最後に、日本茶飲み比べクイズを実施。講義で学んだ知識と自身の味覚を頼りに、「玉露」「煎茶」「番茶」「ペットボトルのお茶」を飲み比べました。全員正解とはなりませんでしたが、会場は大いに盛り上がりました。
講義を締めくくるにあたり、二條氏は日本文化に関心を持って欲しいと学生たちに語りました。「外国の方は、私たち以上に日本文化に関心を持っています。時代や政権が変わっても、脈々と受け継がれてきた日本文化を知り、その知識を交流の中で役立ててみてください」
改めて日本の伝統文化に触れ、世界を舞台に学ぶ国際共創学部の学生たちは、良い刺激を受けたのではないでしょうか。国際共創学部では、グローバル・ローカル両方の視点を身につけることを目指しています。