2026.02.12
学部・大学院
プレゼン×動画で振り返る教育実習。教職実践演習を通じて、後輩たちに送るメッセージ

教育実習の経験を、20分のプレゼンと3分の動画に落とし込む——。教員免許の取得を目指す学生たちが4年次に履修する「教職実践演習(担当:経営学部 藤澤宏樹教授)」では、独自の2段階の振り返りを通じて、自らの成長を可視化する取り組みが行われています。

教職課程における学びの振り返りを通して、教員としての自身の現状を確認し今後の課題を見出しながら、その資質を高めることを目的とする授業で、2025年度は14名の学生が履修しました。

その集大成となる教育実習の振り返りは、2段構成で行われます。まずは、各自が教育実習の経験を振り返る20分間のプレゼンテーションを実施。その後、発表内容を凝縮し、パワーポイントで約3分の動画制作を行います。「教員としての資質を高める上で、振り返りは重要。4年前の授業に放送部出身の学生がいたことがきっかけとなって動画制作を取り入れましたが、自分で動画にするからこそ、客観的に振り返ることができる」と藤澤教授はその狙いを語ります。

綺麗事で終わらない、正直な振り返り動画

2026年1月21日(水)の授業では、完成した動画を全員で視聴しました。

動画制作にあたって藤澤教授が事前に伝えたのは、「起承転結を意識すること」と「生じた問題に対して、自分がしたことを具体的に説明すること」の2点。工夫したポイントとして、「現場で自分が感じたことをわかりやすく、綺麗事にならないように伝えることに気をつけた」「励ますだけではなく、現実を知ってもらう動画を作ろうと思った」と学生が語る通り、動画は格好つけない、率直な内容が印象的です。

「公民教師として高校の教育実習に行ったけれど、公民は勉強をした記憶がないぐらい何もわからなかった。だからこそ生徒と同じ『わかった!』という感情を共有できた」「準備が大事だと思ってはいたけれど、今思えば軽視していたところがあった。適当にやるのではなく、全ての準備を丁寧にやることが結局は自分のためになるのだと学んだ」など、学生たちは自分の言葉で正直な振り返りをしていました。

また、動画は文字の羅列で終わるのではなく、イラストを入れたり、ユーモアを交えたりと、人の興味を引くための工夫が随所に見られました。それもまた、教育実習で学生たちが学んだ授業づくりの視点が生かされているのかもしれません。

プレゼンと動画で、情報の受け取り方は変わる

藤澤教授が振り返りの手段に動画制作を取り入れる目的は大きく二つあります。一つ目は、学生が教育実習で得た学びを言語化し、3分間の動画にまとめることで他の履修生と経験を共有すること。事前に各自の振り返りを20分間しっかりと聞いた後に3分間の動画を見るからこそ、全体を振り返りやすくなります。

「20分間の発表は情報量が多いので記憶から薄れてしまった部分もあったけど、動画では大事な部分がギュッとなっていて、厳選した情報を受け取れた」「教育実習が楽しかった人もいれば、きつかった人もいて、スライドの作り方も人それぞれ。そういう違いが動画ではわかりやすく出ていて、いろいろなタイプの先生になっていくのだろうなと想像した」という学生の感想からわかるように、2パターンの発表を行うことで、多面的な受け止め方ができていることが見て取れます。

しんどい経験の先に見えた、教職課程の手応え

そして二つ目の目的は、これから教員免許の取得を目指す後輩学生に向けて応援のメッセージを伝えることです。

実際に動画にどのようなメッセージを込めたのか聞くと、「気持ちが弱い人間でも最後までやりきれたことを伝えたかった」「自分の頑張りを見てくれている人が近くに必ずいると伝えることで、今後教育実習をする人が最後まで折れずにいられたらと思った」「後輩に『楽しんでほしい』というメッセージを伝えたかったので、教員になろうと思った理由よりも、教育実習の内容を厚くした。教職を取る人は教育実習に行ってみたい人が多いと思うので、『ハードルは高いけど、これだけ楽しかったよ』というメッセージを伝えられたらうれしい」と、後輩への励ましを語りました。

今回の動画を「教職課程を取るか迷っている人、教育実習に行く前の人に見てほしい」と藤澤教授。そして、「お世話になった人が動画を作った学生たちを見て、『成長したな』と思ってもらえるとうれしい」と付け加えました。

最後に、教職課程全体について感想を尋ねると、ほとんどの人が「楽しかった」と回答しました。各学生が制作した動画を一つに取りまとめた学生は、最後にこう話します。

「教職課程は教育学概論から始まりますが、6〜7限の授業も多く、途中でやめようと思う瞬間は誰しも一度はあるもの。でも今僕たちは教育実習まで終えて、『楽しかった』で終われてる。終わりよければ全てよしじゃないが、しんどいことの先にはちゃんと成果が待っているので、せっかくチャレンジすると決めたのであれば、最後まで頑張ってほしいなと思う」

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