経済学部 臼田利之ゼミ(2年生)では、大阪市城東区蒲生四丁目の古民家再生事業「がもよんにぎわいプロジェクト」を事例に、地域経済の活性化をテーマとしたイベント企画に取り組みました。
「がもよん」には築100年を越える長屋や古民家が多く残っています。このエリアに残る古民家を飲食店に改修し、下町情緒あふれる景観を維持しながら、街のにぎわいを創出する取り組みが「がもよんにぎわいプロジェクト」です。改修により生まれ変わった古民家は2008年の開始以降、40店舗に及びます。
また、蒲生四丁目ではこれまで、地域の飲食店が連携する「がもよんカレーまつり」が2023年まで開催されてきました。今回の演習では、「カレーまつりに代わる新たな地域活性化イベント」を企画・提案することが課題として提示されました。
2025年10月には現地フィールドワークを行い、古民家再生店舗やエリアの状況を調査しました。さらに、がもよんにぎわいプロジェクト関係者からプロジェクトの概要や地域課題について説明を受けました。
ゼミ生は4グループに分かれ、「イベント会社の社員」という設定で企画を立案しました。企画の条件は、蒲生四丁目の活性化、地域内外からの集客、古民家再生店舗が一体となる内容、2026年度中の実施です。各グループは、ターゲット、企画内容、広報手段、当日の運営方法などを具体的に検討し、プレゼンテーションを行いました。
1.珍麺祭(ちんめんさい)
古民家店舗を中心としたエリア回遊型イベントです。「珍しい食材×麺料理」をテーマに、各飲食ジャンルから1店舗ずつ参加する形式を提案しました。価格帯は300~800円とし、食べ歩きができる仕組みを設計。マップの配布や駅でのビラ配り、SNS広告の活用なども盛り込まれました。鴨などの食材を活用した珍しい麺料理を打ち出し、既存イベントとの差別化を図る内容です。質疑では、店舗の回転率やオペレーション面への配慮について指摘があり、実現に向けた具体性の重要性が議論されました。
2.がもよん麺フェス
蒲生公園を会場とした屋台形式の麺イベントです。ミニサイズ麺を提供し、複数店舗の味を楽しめる構成としました。古民家店舗の雰囲気を活かした装飾や店舗紹介パネルを設置し、イベント当日にエリア全体への関心を高める仕掛けを提案しました。お気に入り店舗への投票企画やSNS投稿キャンペーン、割引券の配布など参加型の仕組みも組み込まれました。質疑では、味の具体性やコスト面の検討について質問があり、企画の実行可能性について議論が行われました。
3.歴史を知ろう!ガマよんフェスタ
蒲生の歴史資源「ガマ」に着目した企画です。ガマとは水辺に自生する穂状の植物で、かつてはその穂が座布団などの詰め物として利用されていました。対象メニューの利用によるスタンプラリー形式とし、古民家を活用した工作ブースではガマの穂を用いたミニ座布団づくり体験を行う構想です。さらに、各飲食店に地域史クイズスポットを設置するなど、飲食利用と歴史体験を組み合わせた内容となっています。講評では、歴史に着目した着眼点の面白さが評価される一方で、運営体制の具体化が今後の課題として挙げられました。
4.がもコン ~がもよんお見合い大作戦~
古民家を舞台としたお見合いイベントです。参加者を少人数グループに分け、店舗をローテーションしながら交流する仕組みを提案しました。調理体験や交流ゲームなど体験型のコンテンツを組み込み、自然なコミュニケーションを促す構成です。申込時に年齢や食の好み、価値観などをヒアリングし、マッチング要素を取り入れる提案も行われました。講評では、既存の街コン事例も参考にしながら、より具体的な設計に深めていく必要性が示されました。
がもよんにぎわいプロジェクト関係者からは、「どの企画も非常に面白く、気づけば一人の“クライアント”として本気で楽しませてもらいました。ターゲットや広報、イベント後の展開まで考えられており、本格的な内容でした」との講評がありました。
担当教員の臼田利之准教授は、地域経済の活性化というテーマのもとで実践的な企画立案に取り組んだ意義を総括し、今後は企画段階にとどまらず、実際の実施につながる取り組みへ発展させていきたいとの考えを示しました。