情報社会学部の中村健二教授が参画した研究が、このたび、国土交通省が主催する表彰制度において最高位となる「国土交通大臣賞」を受賞するとともに、土木学会構造工学委員会AI・データサイエンス論文集編集小委員会が選定する「AI・DX論文賞」を受賞しました。AI・DX分野における研究成果が学術面と社会実装面の双方で高く評価され、W受賞となりました。
中村教授が参画する研究グループは、インフラ分野におけるDXの推進を目的として、「ボクセル型インフラデジタルツイン」に関する研究開発に取り組んでいます。
この研究は、道路や橋梁、河川などの社会インフラを三次元空間上で統合的に管理・活用することで、インフラの維持管理や災害対応の効率化・高度化を目指すものです。その先進性や社会実装への貢献が高く評価され、国土交通大臣賞の受賞につながりました。
また、中村教授らの研究論文「RAGを用いた防災基本計画に基づく地域防災計画の改定案の提示に関する研究」が、土木学会の「AI・DX論文賞」を受賞しました。AI・DX論文賞は、AIやデータサイエンス、DXに関する優れた研究成果を表彰するもので、本年度は3編の論文が選出されています。
本研究では、生成AI技術の一つであるRAG(Retrieval-Augmented Generation)を活用し、防災基本計画の改定内容を踏まえて地域防災計画の改定箇所や改定案を提示する手法を提案しました。地域防災計画の改定作業は自治体にとって大きな負担となっていますが、本研究はその効率化と高度化を支援する可能性を示したものです。
検証の結果、防災基本計画の改定内容の整理から改定案の提示までを一連の流れとして実現できることが確認され、自治体の防災業務を支援する新たなAI活用手法として高く評価されました。
近年、自然災害の激甚化や社会インフラの老朽化、人材不足など、社会課題は複雑化しています。
中村教授は、生成AI、データサイエンス、デジタルツインなどの先端技術を活用し、防災分野やインフラ分野における課題解決に取り組んでいます。今回のW受賞は、研究成果が学術的価値だけでなく、実社会での活用可能性や社会的インパクトにおいても高く評価されたことを示すものです。
本学では今後も、AI・DXを活用した研究を推進し、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献してまいります。