2026年10月7日(水)、韓国・忠北大学校 知的財産融合専攻の学生14名と教員2名を本学に迎え、白寅秀教授のゼミ生16名との交流会を開催しました。
忠北大学校の学生たちは、日本の技術やブランド、コンテンツなどについて学ぶために来日しました。研修プログラムは、韓国 知的財産処および韓国発明振興会(KIPA)の支援を受けて実施されており、本学での講義と交流会もその一環です。
本学への訪問は、教員間のつながりを通じた紹介をきっかけに実現しました。ファン・ユンミン教授は、本学の起業家教育への真摯な取り組みに関心を寄せていたと話しています。
当日は、江島由裕教授による大経大アントレプレナーシップ(ENT)塾の事例紹介、白教授による韓国企業の日本進出戦略についての特別講義に続き、白教授のゼミ生が加わり、学生同士のグループ交流やキャンパス見学が行われました。
江島由裕教授は、白寅秀教授の通訳を交えながら、日本の大学発ベンチャーを取り巻く支援環境や、本学の起業家育成プログラム「ENT塾」の取り組みについて紹介しました。
講演では、「起業することがゴールではない」と強調。起業家精神とは、会社を設立することだけでなく、企業内で新たな事業を創出したり、組織の変革に取り組んだりすることにもつながると説明しました。そのうえで、新たな価値を生み出すマインドや能力を育むことが、起業家教育の重要な役割であると語りました。
ENT塾では、学生一人ひとりの「小さな夢」や「小さな挑戦」の実現に向け、対話を重ねながら考えを整理するサポートや、学内外のメンターとの交流機会を提供しています。こうした取り組みを通じて、学生が主体的に行動できるよう支援していることが紹介されました。
質疑応答では、忠北大学校の学生から「具体的なアイデアがない段階でも支援を受けられるのか」との質問が寄せられました。これに対し江島教授は、「何かに挑戦したい」という思いがあれば相談を始めることができ、対話を重ねる中でアイデアを具体化していくケースもあると説明しました。また、外部との連携についても、学生のニーズに応じて必要な協力者や専門家を紹介していることを紹介しました。
また、ファン・ユンミン教授からは、試作品を迅速に開発して市場の反応を確かめながら事業を進める考え方と、日本市場で重視される信頼性・安定性との関係について質問がありました。これに対し江島教授は、日本市場において信頼性や安定性が重要視されることに同意した上で、顧客との対話を重ねながら製品やサービスを磨き上げていくことの重要性を説明しました。また、事業創造の現場では理論どおりに進まないことも多く、状況に応じて柔軟に対応する姿勢が求められると語りました。
続いて、白寅秀教授が、韓国企業の日本進出戦略について韓国語で特別講義を行われました。日本市場に関心を持つ学生たちに向けて、韓国企業の事例を取り上げながら、市場参入の際に注目すべき点や、現地企業との連携の重要性について解説しました。
はじめに、サムスンの「Galaxy」と酒類ブランドの「JINRO」を例に、ブランド戦略について紹介しました。日本市場で企業名やブランド名をどのように打ち出すかを考える材料として、両社の取り組みを示しました。
また、現代自動車の事例では、日本で軽自動車や小型車が多く利用されていることなどに触れ、現地の市場特性に対応する大切さを説明しました。
さらに、食品ブランドの「bibigo」については、伊藤忠商事との協力を取り上げ、現地の有力なパートナーと手を組み、流通網を活用することの重要性を伝えました。
さらに、アイウエアブランドの「GENTLE MONSTER」について、店舗空間を通じてブランドの世界観を表現する取り組みを紹介しました。講義ではファッションや化粧品にも話題を広げ、商品の魅力に加えて、消費者が商品に出会う場所や販売経路を考えることも、日本市場への進出に関わると説明しました。
講義のまとめでは、ブランドの独自性を隠さずに伝えること、商品構成を現地の好みに合わせること、既存のプラットフォームや日本企業との協力を生かすことを挙げました。韓国企業の事例を通して、学生たちは日本市場を理解し、事業を展開するための視点に触れました。
特別講義の後は、白教授のゼミ生が加わり、忠北大学校の学生たちとのグループ交流が行われました。
学生たちは、スマートフォンも使いながら、身ぶりを交えて会話を楽しんでいました。相手の話に耳を傾けたり、笑顔で言葉を返したりするうちに、テーブルごとににぎやかなやり取りが広がりました。声を上げて笑う場面もあり、会場は和気あいあいとした雰囲気に包まれていました。
言葉の違いがあっても、互いに伝え合おうとする学生たちの姿からは、交流を楽しむ様子がうかがえました。講義で学ぶ時間に続き、同世代の学生と直接語り合う時間となりました。
講義で起業家精神や日本市場について学び、その後は同世代の学生と語り合った今回の交流会。スマートフォンや身ぶりも交えて伝え合い、笑い声が広がる様子には、互いの言葉や文化に触れながら交流を楽しむ姿がありました。
ファン・ユンミン教授は、インタビューで、新しい経験が学生たちの人生の力につながるという考えを語りました。日本の学生との交流や、そこで生まれるつながりは、すぐに何かに役立つだけでなく、将来、どこかでチャンスをつかむきっかけにもなると捉えています。自身の大学間交流の経験から、学生たちにも文化や人から学び、友人をつくる機会を広げたいと話したファン教授。
今回の交流を通じて、参加した学生たちは起業家精神や国際ビジネスについて理解を深めるとともに、国境を越えた学びの大切さを実感しました。本学と忠北大学校との交流が今後も継続・発展し、学生たちに新たな学びと成長の機会をもたらすことが期待されます。