2026.10.19
学部・大学院
一人で抱え込まず、周囲に頼る力を学ぶ ― 経営学Ⅱで「受援力」をテーマに特別講義を実施

2026年10月15日(木)、経営学部の本間利通教授が担当する「経営学Ⅱ」において、「仕事と介護の両立支援明石事務所」代表の片岡芳美氏を講師に迎え、「受援力」をテーマに特別講義が行われました。参加したのは経営学部1年生70人です。

片岡氏は、20年以上にわたり介護の現場や事業所の運営管理に携わり、現在は企業における仕事と介護の両立支援に取り組んでいます。講義では、困ったときに助けを求め、支援を受ける力を意味する「受援力」について、大学生活や将来の働き方と結びつけながら解説。学生たちは、周囲に頼ることの大切さについて理解を深めました。

アンケートから見えた学生の現状

講義に先立ち、オンラインアンケートツール「Slido(スライド)」を使用し、学生の大学生活や相談相手について匿名アンケートを実施。大学生活の状況については61人が回答し、「とても順調」が11%、「まあ順調」が61%と、約7割が順調と回答しています。一方、「少し苦労している」「とても苦労している」と回答した学生も合わせて15%に上ります。

困ったときに相談に乗ったり、力になったりしてくれる人については、73%が「複数いる」と回答したものの、「いるけれど相談しにくい」が14%、「いない」が6%となり、相談相手がいても頼りにくい学生や、相談先がない学生もいることが分かります。

自立することと、一人で解決することは違う

講義では、「自立した大人になるとはどういうことか」という問いが投げかけられ、片岡氏は、何でも一人で解決することが自立ではなく、問題を抱え込まず、必要なときに周囲の力を借りることや、限界を迎える前にSOSを出すことの大切さを強調。

また、「自立とは依存先を増やすこと」という考え方も紹介し、家族や友人だけでなく、大学の相談窓口や専門家など、相談できる先を複数持っておくことを勧めています。

仕事と介護の両立にも、周囲の支えが必要

続いて、仕事と介護を取り巻く社会情勢の変化について解説。家族を介護しながら働く「ワーキングケアラー」や、介護を理由に仕事を辞める「介護離職」について取り上げ、責任感から一人で問題を抱え込んでしまう場合もあることに触れながら、早めに相談し、周囲の支援や制度を活用することの重要性を伝えています。

学生へのアンケートでは、「身近に家族の介護をしている人がいる」と回答した学生が24%。また、将来、家族の介護を担うことになった場合に仕事を続けられるかという質問では、「職場の支援があれば続けられると思う」が45%で最多となり、「問題なく続けられると思う」が6%、「仕事を続けるのは難しいと思う」「想像がつかない」がそれぞれ25%という結果でした。

小さな相談から始めることの大切さ

講義の後半では、日常生活で実践できる行動として、「頼れる人や場所を3つ書き出す」「自分の限界のサインを知る」「小さな相談から始める」の3つを紹介。家族や友人、大学の相談窓口など、困ったときに頼れる先を考えておくことに加え、朝起きられない、連絡への返信が面倒になるといった普段とは異なる変化に気づくことや、授業やアルバイトなど身近なことから相談する経験を重ねることの大切さが伝えられました。片岡氏は、人に頼ることは弱さや甘えではなく、練習によって身につけられる技術であると説明しています。

質疑応答では、「人に頼りすぎることと上手に頼ることの違いは何か」「助けを求めることへの抵抗感を減らすにはどうすればよいか」「悩みを抱え込んでいる人に、どう声をかければよいか」といった質問が寄せられました。これに対し、片岡氏は、頼る相手への敬意や感謝を伝えること、日頃から小さな相談を重ねることの重要性を説明。さらに、誰かを支える際には、話を聞くだけでなく、具体的な手助けや情報提供といった方法もあることを紹介しています。

今回の講義は、学生たちにとって、大学生活での人との関わり方に加え、将来のキャリア形成において周囲の支援を上手に活用することの大切さを考える機会となりました。

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