2024年1月16日、本学出身のオリックス・バファローズ 才木海翔投手を迎え、「プロ野球選手というキャリアについて~『好き』を仕事にすること、プロ野球選手になって変わったこと~」と題したトークイベントを開催しました。プロの世界に足を踏み入れて感じたこと、仕事に取り組む姿勢、今後の目標など、後輩たちの前で才木投手の“今”を語ってくれました。

本学では2024年9月、学生が自分自身のキャリアを考え、次の一歩を踏み出すのための新しいスペース「キャリア・コモンズ」を設置しました。四季報や業界誌など就職に関する資料を揃え、企業によるセミナーや説明会などを開催。またオンライン説明会の参加、就職に関する書類作成などで、学生が気軽に立ち寄って利用することができます。
そのキャリア・コモンズで実施されるトークイベント「キャリア・コモンズTalk」は、「キャリアは今の自分の積み重ね」という視点から、学生がキャリアをカジュアルに考えられる機会としてほしいという狙いから企画したもの。
記念すべき第1回のゲストに才木投手を迎えました。才木投手は2023年に育成ドラフト2位でオリックス・バファローズに入団。翌年5月には支配下選手登録され、同月26日の西武戦でプロ初登板を果たしました。
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本学在学中も硬式野球部での活動に真摯に取り組んでいた才木投手ですが、プロの世界に入り練習の段階で、学生時代と大きな差を感じたと言います。「練習の強度や内容のレベルがまったく違っていて、これまでの自分は試合に臨む準備が足りていなかったと思いました」
プロ野球選手になったと実感したのは、一軍の試合で初登板した時。「大勢の観客がいて、フィールド内は今まで感じたことのない空気感が漂っていました。マウンドに立つと、足が震えるほど緊張しました」と振り返ります。1イニングを三者凡退で抑えて好スタートを切った才木投手ですが、バッターと対峙した時には、相手から一軍選手の本気が伝わってきて怖さを感じたそうです。「バッターボックスに立つと、相手選手の目が変わります。しかも相手は、これまでテレビ中継で見てきた選手ばかり。でも、自分が投げるしかないという気持ちで立ち向かい、キャッチャーミットだけを見て投げました」
昨季は初先発も経験し15試合に登板。厳しいプロ野球の世界で着実にキャリアを積み上げています。

プロになってからの自身の変化について聞くと、「責任感が違う」と答えた才木投手。自分の仕事をしっかりとこなすために、対戦相手のデータ分析を踏まえて対策を考え、試合後には自身の投球データを確認して振り返りを欠かさないと言います。
試合や移動に追われるシーズン中はあまり負荷のかかる練習をしませんが、オフシーズンにはしっかりと計画を立てて練習に取り組みます。早朝からグラウンドに行き、練習メニューをこなすのが才木投手のオフシーズンにおける練習スタイル。キャンプインした後は、実戦形式の紅白戦、練習試合といった球団の日程に合わせて、まず大まかな練習スケジュールを立て、週ごとに詳細な練習内容を決めているそうです。
「自分のモットーは“気合いと根性”だけれど、日頃の準備が足りていなかったら体も動きません」と、練習の大切さを強調します。「学生のみなさんが急に『今からテストをします』と言われても対応できないのと同じ。勉強でも就活でもしっかりと準備をしてほしいと思います」
また、学生たちに向かって勉強することの必要性についてアドバイス。球団の同僚である外国人選手と接する機会も多く、同僚選手とコミュニケーションをとりながら語学を学んでいると話します。「僕自身、勉強は苦手だったし、勉強するのは好きじゃないという人は多いでしょう。でも、楽しむ時間とのメリハリをつけて、準備や勉強にも取り組みましょう」と語りかけました。

今シーズンは中継ぎでの起用が予定されており、「期待を裏切らないように、自分の与えられた場所で力を発揮し、登板数を重ねたい」と、力強く意気込みを語った才木投手。
夢や目標を抱いている学生たち、まだ定まっていない学生たちも、自分がいる場所で結果を残そうと懸命に取り組んでいる先輩の姿を知ることで、自身の学生生活や進路に活かせる何らかの気づきを得られたのではないでしょうか。キャリア・コモンズでは今後も引き続き、予測困難な時代に進路選択をする学生たちの一助となるような取り組みを実施していきます。