2024.08.05
研究・産官学連携
中村健二教授 情報知識学会「第21回論文賞」を受賞

情報社会学部の中村健二教授らが執筆した論文が、情報知識学会の「第21回論文賞(2024)」を受賞しました。

論文タイトルは「マイクロブログユーザの類語に着目した地域属性の推定に関する研究」です。

SNSの普及に伴い、オンライン上で収集される膨大なデータから信頼性の高い情報を抽出する技術が求められていますが、地域属性の推定は依然として困難です。本論文は、Twitterの投稿内容から地域ごとに異なる呼称(類語)を活用してユーザの地域属性を高精度に推定する新しい手法を提案しています。

研究では、地域ごとに使用される異なる表現(例:「回転焼き」「今川焼き」「大判焼き」「御座候」)に注目し、それらの類語を基に地域属性を推定します。Bi-LSTM(双方向長短期記憶)という機械学習アルゴリズムを用いて地域辞書モデルを構築します。Bi-LSTMは、前後の文脈を考慮して学習を行うため、精度の高い推定が可能です。

実験の結果、地域辞書モデルを用いた推定が、従来の地域語のみを使用したモデルよりも高い精度を示しました。また、地域辞書モデルを逐次拡張することで、さらに高精度な推定が可能であることが確認されました。具体的な実験手順として、SNSのプロフィール欄や投稿内容から地域ごとのユーザを抽出し、その投稿内容を解析して地域語と類語を特定します。そして、地域辞書モデルを構築し、逐次学習によってモデルを拡張します。

本研究は、今後の社会にとって重要な意義を持つ試みとして高く評価されました。
この度の受賞を機に、中村教授らの研究が今後ますます進展し、社会に貢献することを期待しています。

情報知識学会 論文賞一覧

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