つながる力。 大阪経済大学

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渋谷順 渋谷順

渋谷順

株式会社スマートバリュー代表取締役社長

PROFILE

株式会社スマートバリュー代表取締役社長。
高校卒業後、会社員、フリーターなどを経て、85年に父親が経営する町工場、株式会社堺電機製作所へ入社。
三代目経営者として、町工場から情報通信サービス事業へと事業領域の転換を図り、2018年には東証一部への上場を果たす。

現在のお仕事内容

会社の経営者として日々マネジメントと事業創造を実践しています。
主な事業は、行政のデジタル化を推進する「デジタルガバメント」、IoTを活用した「モビリティ・サービス」、健診データを取り扱う「ヘルスケア・サポート」、プロスポーツを軸とした「スポーツ事業」を推進しています。
それらひとつひとつの領域から昨今では「まちづくり」そのものを事業と捉え、「スマートシティ」や「スーパーシティ」と呼ばれる近未来の社会システムにおけるプレイヤーとなることを目指しています。

現在のお仕事に就いた経緯

元々零細町工場の三代目として生まれ、20代のころに父親が経営する自動車の電装修理の町工場で働き始めました。
当時の町工場は、下請け・孫請け・ひ孫請けみたいな業界構造の中で、その末端に位置していました。
高度経済成長の時代は、常に権威に迎合する仕事をしていても何とかなるけれど、成長が止まれば間違いなく先はないと考えていました。
というか、既得権益や権威に胡坐をかいた当時の大手企業が嫌いで嫌いで仕方なかったです。笑
ちょうど30歳の時に父親が急逝。初めて決算書を見せてもらったら債務超過で多額の借金を抱えていたので、これは生きるために何とかするしかない・・・ということで、そこから業態の転換(ベンチャー的な事業創造)と、事業承継を同時に進めました。
当然、苦難しかなくて失敗だらけで苦しい時代が長かったのですが、諦めずに結果を出すことに集中しました。
ヒトの3倍ハードワークしていれば、いつかは必ず成果になるものです。
2010年借金の返済を終え、2015年東証ジャスダック上場、2018年東証一部上場して、現在は2028年の創業100周年に向けてさらに企業価値を高めるために日々チャレンジしています。

そのお仕事を通して実現したいこと

結局は下請け自体が悪いわけではなく、自分たちの価値が低ければ誰かに寄り掛かって生きていくしかない。
それを打破するためには自分の二本の足でしっかりと大地に立てる価値を創造するしかない。
そういう意味でスマートバリューという社名に変更したのが20世紀の終わり頃です。
何で価値を創造するのか?
ちょうど時代は20世紀産業革命以降の工業化社会が終焉を迎え、新たに情報通信革命を踏まえたデジタルソサエティへと向かおうとしていました。
1994年頃からインターネットに触れていた私は「これこそ時代を変える!そしてゼロスタートなのでこれから価値を創造できる!」と考えて、インターネット事業をスタートさせることになります。
もちろん実力不足で失敗の連続でした。
しかし、社会を変えるネットワークは、必ず私たちの強い武器として価値を創造できると考えながら、何とか事業を推進してきました。
結果的に時代はデジタルソサエティへと大きく変貌を遂げ、私たちが10年以上手掛けたきた事業領域は明確に市場での優位性を持てるようになってきました。
これからは「社会を創造する」「まちづくりに関わる」という大きな構想を持って、また数十年間この会社は進んでいくんだと思います。
その礎を創り上げることが、私の夢です。

大学時代に経験した今に役立っていること

実は私は高卒で働き始めています。
大阪経済大学には40歳を超えてから入学させて頂き、そこで多くのことを学ばせていただきました。
社会人になってからようやく本気で学ぶことの大切さを知りました。
そして経営学の学びが、私のような現場たたき上げで経営に携わってきた経営者であっても、非常に実践的で価値が高いと言うことを知らされました。
時々経営学は後追いの学問で現場の経営者には敵わない・・・
という論評を目にしますが、いやいや全くそんなことはありません。
経営学によって、私たちの経営は研究され、解析され、これまで暗黙的だった知識が、汎用性のある形式知となります。
そしてその知識が、ときに経営者が日々の悩んでいることを解消してくれることもあります。
ですので大学院時代の学びは日々実践的な経営の学びであり、
学問のための学問ではなく、社会人として、さらに経営現場での実践のための学問であったと感じました。
ですので「大学時代の学びなど社会に出てから役に立たない」と言われる方がいらっしゃるのであれば、それは社会に出てから何が重要なのか?を知らないだけです。
本気であれば十分に役立ちますし、社会に出るための社会人基礎力としてとても大切な学問であると気づかされました。

若者へのメッセージ

「自分の見えている世界が全てではない」ということをまずはお伝えしたいです。
もっともっと大きく高く深い世界が世の中にはあります。それに到達していくことが成長です。
成長のためには常に視座を高く持ち続けることです。決して諦めずに。
そうすれば自ずと成長と成果と幸せがついてきます。
何のために成長するのか?自分と自分の周囲の方を幸せにするためです。
また、成長するプロセスにおいて「嫌いなことを自分の周りからなくす」ということも大切です。
これはココ・シャネルの有名な言葉ですが、嫌いなことを無理やり継続していても気の流れが悪くなるだけ。
私の場合には徹底的に既得権益や権威という嫌いなものを失くし続けてきたように思います。
さらに、「世間の常識を疑え!」ということもお伝えしたいです。
社会が大きく変革されている時代ですので、10年前の常識など今は通用しません。
なので、世間の常識に流されずに、自分自身の成長に基づいた感性を自己肯定と共に大切にしてほしいと思いますね。
そんな生きる上での考え方の軸を、ぜひ若い間につかみ取り、人生を有意義なものにしてください。

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