2023年10月から3月の約5カ月間にわたり、広告会社 株式会社新通とのタイアップ企画「#オオサカキリトリプロジェクト」を実施しました。「#オオサカキリトリ」は、大阪の魅力を発信する、新通グループ運営の情報サイトです。大阪・関西万博とその先の未来に向けて多様な活動に挑む「TEAM EXPO 2025」のプログラムの一環として、2022年に立ち上げられました。今回のプロジェクトでは、このサイトに掲載する記事の企画案のプレゼンテーションや取材などに学生たちがチャレンジ。12月に行われた学内コンペの様子を紹介します。
同プロジェクトは、本学進路支援部が中心となって企画した取り組みです。実施にあたっては、以下の3つの目標を設定しました。
・チームで協働して主体的に課題解決する力を養う
・広告業の仕事を理解する
・「#オオサカキリトリ」を通じて大阪・関西万博を盛り上げる
また、低学年のうちから学生たちに多様な経験を積ませたいとの考えから、1、2年生を対象に実施。情報社会学部 弦間一雄教授のゼミ生と、学内募集に応募した学生が、3チームに分かれて活動しました。
プロジェクトでは、各グループが「#オオサカキリトリ」に掲載する大阪の魅力を切り取った記事企画を学内コンペで提案。広告業の仕事における厳しい一面も知ることを狙いの一つとしており、学内コンペで選ばれるのは1チームの企画のみです。コンペで選ばれたチームは、企画に基づいて取材し、原稿案の提案まで行い、「#オオサカキリトリ」編集チームによる審査を経て、掲載できるだけの企画であると判断されてはじめて掲載決定となります。このため、学生たちには実際に掲載できるだけのレベルの企画立案が求められます。
10月にプロジェクトがスタートし、学生たちは弦間教授、新通の担当者から指導を受けながら、活動日以外にもチームメンバーと連絡を取り合い、アイデア出しや企画内容の検討、情報収集、プレゼン資料の作成を行っていきます。11月には中間発表を実施。発表後のフィードバックを参考にしてさらに企画案を練り直し、学内コンペに臨みました。
学内コンペには、阪井洋氏(新通グループ デジタルマーケティング責任者)、森沢直人氏(新通取締役 #オオサカキリトリプロジェクトリーダー)、本学の山本俊一郎学長、草薙信照副学長、弦間教授が審査員として参加。学生たちは、1チーム15分のプレゼンを行いました。
【発表内容】(発表順)
「THiRD PERiOD」チーム
新本大樹さん、山村弦也さん、中尾遥香さん、黒川美結さん、武久凌空さん(人間科学部2年)
大阪を訪れた海外旅行者のアンケート調査などから、大阪の魅力として「サービス精神」に注目した。店主と来店客の間に境界線を感じさせない関係性を築くと同時に、時代に即した新しいメニューの開発も行うたこ焼き店を紹介する企画を提案。記事タイトルは、インパクトのある関西の言葉を取り入れ、実家のような安心感を表す表現として「ばり実家」とした。
「不易流行」チーム
高垣祐吾さん、石木雄大さん、笠間秀任さん、小畑彩羽さん、川合真奈さん(人間科学部2年)
大阪人特有の会話や必要以上に大きな看板など、一見すると無駄だと感じられる大阪の日常生活に魅力が詰まっていると分析。中でも、会話には幸福感を上げる効果があるという研究結果もあることから、タイムパフォーマンスを重視する若い世代に向け、会話の価値を再認識してもらう企画として、会話に関する研究を行っている大阪の研究者への取材を提案した。
「キリトリレンズ」チーム
渡邉要さん(情報社会学部1年)、村上旅途さん(経済学部1年)、樫田侑樹さん(経営学部2年)
民間が主導して住みやすい街へと発展させてきた大阪を“創造しだおれ”の街と定義。“創造しだおれ”から生まれる暮らしやすさを発信し、国内外から移住を検討する人に住む街としての大阪の魅力を伝えたいと、企画意図を説明。イノベーションの実験場として顔認証改札など最先端の使いやすさを追求する、大阪駅の「JR WEST LABO」を取材対象に選んだ。
発表を終えた学生たちは、「社会で仕事をしている人からのシビアな意見が参考になりました」「効率よくやろうとせず、メンバーでしっかりと話をしようという助言から、チームの取り組む姿勢が変わりました」「企業の人と関わったプロジェクトだからこそ、クオリティの高い発表をしようと全力で取り組めました」「相手に伝わるプレゼンを実現するための具体的なアドバイスの数々が勉強になりました」と、活動を振り返りました。外部の企業人から指導を受ける中で、さまざまな刺激を受けて学びを得たことが分かります。
審査の結果、優秀企画に選ばれたのは「キリトリレンズ」チームです。審査員は、学生たちのプレゼンを「3チームとも、新しいものを生み出そうと取り組めていた」「SNSを活用して調査を行うなど、若い世代ならではの取り組み方や感性が感じられた」と評価。また、「自分たちならではのセンスや価値観、視点を武器にしてほしい」「こだわりと情熱を聞き手に感じさせられたか、この意識を大切にしよう」と、学生たちの次の学びにつながる言葉も述べられました。
学内コンペを終え、新通社内で掲載可能と判断されれば、「キリトリレンズ」チームのメンバーは「#オオサカキリトリ」の編集チームとミーティングを行い、事前準備を行った上で取材に行く予定。新通の阪井氏から、取材を行う際の準備や心構えについてのレクチャーが行われ、この日の取り組みは終了しました。