2024.04.30
学部・大学院
TEAM EXPO 2025「#オオサカキリトリ」への記事掲載を目指す・後編
情報サイトの記事企画の立案から、取材、原稿案の作成まで体験

「#オオサカキリトリプロジェクト」では、広告会社 株式会社新通とタイアップし、新通グループ運営の情報サイト「#オオサカキリトリ」に掲載する記事の企画立案・取材に、学生たちが取り組みます。前編では、学生たちが3チームにわかれて記事の企画案のコンペを行った様子を紹介。後編では、コンペで選ばれたチームによる企業への取材、プロジェクト最終回に行った取材活動の報告等についてレポートします。

前編の記事はこちら

広告会社のサポートのもと、「JR WEST LABO」への取材を実施

昨年12月に実施された学内コンペで選ばれたのは、渡邉要さん(情報社会学部1年)、村上旅途さん(経済学部1年)、樫田侑樹さん(経営学部2年)の3名から成る「キリトリレンズ」チーム。暮らしやすい街へと発展していく大阪の魅力を発信することを狙いとし、大阪駅うめきたエリアのプロジェクト「JR WEST LABO」を取材対象として提案しました。

学内コンペを経て後日、「キリトリレンズ」チームと、「#オオサカキリトリ」編集チームとのミーティングが行われました。提案した企画は、編集チームから「ぜひやってみたい」と評価され、掲載が決定。記事の作成に向けて次のステップへと動き出しました。取材までのプロセス、取材依頼書の作成の仕方などを編集チームから教わり、「キリトリレンズ」チームのメンバーも取材依頼書作成の一部を担いました。

取材依頼を快諾していただき、各種調整を行った上で、3月13日、「キリトリレンズ」と「#オオサカキリトリ」編集のメンバーが西日本旅客鉄道株式会社を訪問して取材を実施。WEST LABO事業共創担当者と、万博プロジェクト推進室の方に取材対応いただきました。「JR WEST LABO」は、大阪駅のうめきたエリアを“イノベーションの実験場”と位置付け、顔認証改札やフルスクリーン型可動式ホームドアなどの最新鋭の機能を備えるほか、さまざまなパートナーとの共創によって新たな価値を生み出すことを目指しているプロジェクトです。

インタビューでは、プロジェクト実施の背景や取り組みの現状、近未来のビジョン、大阪において交通が果たす役割、鉄道会社だから分かる大阪の魅力と、1時間ほどかけて幅広くお話いただきました。インタビュアーは新通の担当者がメインで務めましたが、「キリトリレンズ」のメンバーも質問を投げかけ、気になっていた事柄をしっかりと聞くことができたと言います。インタビューを終えると大阪駅に案内され、顔認証改札、AIを導入したインフォメーション機などを学生たちが体験。近未来感が漂う「うめきたエリア」の今を体感しました。

参加者全員で原稿案をブラッシュアップ

他チームのメンバー、弦間一雄教授(情報社会学部)、新通の阪井洋氏、森沢直人氏も参加した3月18日のプロジェクト最終回では、まず、取材の模様を報告。「キリトリレンズ」チームのメンバーは、「インタビューでは、担当者の方が目的意識と熱意をしっかり持って仕事に取り組んでいるのだと伝わってきて、社会人と大学生との違いを感じました」「実際に『JR WEST LABO』を訪れ、資料を読んでいただけでは分からなかった、新しい技術のすごさが実感できました」と、初めて取材現場を体験して大きな刺激を受けたと話します。

次に、「キリトリレンズ」チームの3名が原稿案を発表。取材内容を踏まえてメンバーそれぞれが、タイトル案、イントロダクション記事、記事の全体構想を考えました。「『JR WEST LABO』にはワクワクする新しい技術が目の前にあり、それらが私たちの生活に溶け込んでいることを伝える」(渡邉さん)、「革新的な『JR WEST LABO』の技術や事業構想を紹介し、読み手が足を運んでみたいと思うような記事に」(樫田さん)、「感性に訴えるイントロダクションで読み手をひきつけ、共創によって未来都市がつくられていくことを訴求」(村上さん)と、各々異なる視点からの原稿案を提案しました。

それぞれの発表後には、さらに原稿案をブラッシュアップするため、発表内容に対しての質問や意見を全員で出し合います。「タイトルが魅力的」「イントロダクションをキャッチ―にする手法がおもしろい」といった感想のほか、「構成を変えた方が読みやすいのでは?」「大学生ならではの視点をもっと打ち出した方がいい」「ターゲットを意識した記事づくりが必要」など、より良い記事にするための意見が多く出ました。一つの意見から対話が広がっていく場面もあり、時間いっぱいを使って活発に意見交換が行われました。

最後に参加者全員の投票により、3案の中から村上さんの案に絞って記事の方向性を決定。「キリトリレンズ」チームと打ち合せをしながら、取材にも同行した「#オオサカキリトリ」編集チームのメンバーが記事を作成していくこととなりました。

企業との関わりを通じて得られた、多様な学び

すべての取り組みを終え、学生たちは「自分の意見を積極的に発信した」「役割分担をしてチームで協働できた」「実際に取材を行うことで企画内容に深みを出せた」「チーム全員で力を尽くして熱意のこもったプレゼンを行った」と、達成感や自身の成長を感じられた場面があったと振り返ります。一方で、「スケジュール管理をうまくできなかったのが反省点」「企画内容の深掘りが足りず、具体性に欠けた」など、改善すべき点も認識したようです。これらの気付きは今後の学びや取り組みに活かされるでしょう。

また、「広告業の仕事現場において、詳細な調査や準備が行われ、言語力など多様な力が必要なのだと分かった」「一つの事業に多くの時間と人の力が費やされているのだと知った」「学生と社会人の力の差を感じた」「社会では競い合いがあり、一生懸命考えても採用されないことがある厳しい世界だと思った」といった感想も述べました。学生たちの言葉から、外部企業と連携しての取り組みであったからこその学びがあり、広告業の仕事について知るという目標を達成できたことが伝わってきました。

さらに、「熱意を持って仕事をする社会人の姿を知り、就活をするのが楽しみになった」「失敗が許される学生のうちに、臆せずにさまざまな経験をしていきたいと思った」と、今後の学生生活に向けての前向きな抱負も聞かれました。

完成した記事は、5月頃に「#オオサカキリトリ」のサイトで公開予定です。学生たちが懸命に取り組み、企業と協働してつくり上げた記事をぜひご覧ください。

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