経済学部の鈴木隆芳ゼミでは、2023年度以降、毎年フランス人留学生を迎え入れています。今年度は1名の留学生が3年生のゼミに参加しました。
鈴木ゼミでは、2年生からコミュニケーションが生み出す慣習文化について、少人数グループに分かれて発表を重ねています。3年生になると、デヴィッド・グレーバーの著書『ブルシット・ジョブ』で示された方法論に基づき、労働現場における「やりがい」と「むなしさ」の実態について調査を行い、その成果について発表を行います。これまで考察を重ねてきた調査研究に留学生が参加することで、共通点や相違点を比較しながら、より広い視野を持って双方が学ぶことを目指しています。
2026年7月2日(木)には、文化の土台となる言語への理解を深めるべく、留学生Baptiste Bertinさんによる「フランス語基礎会話」の授業が行われました。
半年の短期留学中、Bertinさんはフランスの大学で専攻していた経済学を日本でも学びながら、得意な英語のレッスンを学内で実施しています。すでにゼミのグループワークにも参加しており、学生たちと打ち解けている様子が見受けられます。
ほとんどの学生にフランス語の履修経験がないということで、授業はあいさつの発音からはじまりました。全学科共通科目でフランス語の授業も担当している鈴木教授から、適宜単語の綴りや意味の解説、使われるシーンについて説明が添えられます。
授業は席の間を回りながら全員に話しかけ発音の機会を設けるスタイルで、適度な緊張感と集中力が続く中、テンポよく展開されていきました。学生たちは、Bertinさんが準備してきた自己紹介や数字の数え方などスライド教材の文字を見ながら反復する中で、単語の意味や発音の仕方についてどんどん吸収していきます。
Bertinさんが学んでいたフランスの大学では毎週発表が行われており、日本語教科の発表時には漫才の実演を選んだといいます。好きな言葉は「でたらめ」だと笑い、ユーモアを散りばめた授業を展開。将来は企業内での事業開発を担いたいという目標があると語りました。
鈴木ゼミでは2年生の秋学期から、現代短歌の解釈や改作例を通じて日本語リテラシーを学び、グループでの発表を行なってきました。3年生は今後、留学生の視点を交えて英語や簡単な日本語で意見を出し合い、言語の違いによるコミュニケーションの難しさを感じながらも、発表準備を進めていきます。
普段のゼミでは、授業の合間にフランスについての知識が盛り込まれ、フランス文化にふれることも多いといいます。ある学生は「グルメやスイーツに興味があるので、そこから農業経済についても楽しく自然に知識が増える」と語りました。毎年夏に実施されている南フランスでの海外研修に参加予定のゼミ生にとっては、今回の授業で日本人が苦手な「r」(エール)の発音など、ネイティブ話者に通じる発音になっているか確認できる良い機会となったようでした。
毎年、京都大学・摂南大学との合同で行われている海外研修は、鈴木教授が引率しています。滞在中に製造・加工・流通・購入・消費・廃棄のサイクルを一通り経験する中で、南フランスの実体経済(※)を総合的に学ぶプログラムです。国立の教育機関で講義を受けつつ、ブドウ栽培、ワイン生産、チーズ製造などの現場を訪れ、研修を行います。
※実体経済:実際に形のある取引(モノやサービスの生産・流通・消費など)を伴う経済活動のこと
今回の授業を終えた後は、留学生を交えたグループに分かれて台本を作り、役割を演じる様子を収録することで、コミュニケーションについて学びを深めていきます。また9月に予定されているワインセミナーでは、ゼミ生の留学報告も英語で実施される計画だとのこと。留学生との交流や留学を経て、今後ますます成長した学生たちの活躍がみられそうです。