2026.09.16
学部・大学院
“奈良きたまち”の課題解決に向けた提案で受賞!― 話題の奈良監獄ミュージアムを含む現地調査の成果

2026年8月12日(水)、経済学部の臼田利之ゼミの3年生4人が、奈良公園バスターミナルレクチャールームで開催された「インターカレッジフォーラム2026 in奈良きたまち」に、“ならしかチーム”として参加しました。

学生たちは「会所革命、はじめます!~会所をもっと身近な存在に~」をテーマに発表を行い、「転害門前旧銀行建物活用協議会賞」を受賞しました。

「転害門前旧銀行建物活用協議会賞」は、奈良市「きたまち」エリアの歴史や地域資源を生かしたまちづくりや施設の有効活用などの優れたアイデアに贈られる賞です。今回は“会所の維持管理が課題となる中、その活用について具体的な提案がなされたこと”が評価されました。

※奈良市「きたまち」エリア:奈良市旧市街地「奈良町」の北側、近鉄奈良駅より北のエリア

まちを歩き声を聴くことから見えてくるもの ― きたまちの課題とは?

臼田ゼミは関西各地でフィールドワークを行い、その成果を基に地域活性化に向けた提言を行っています。「インターカレッジフォーラムin奈良きたまち」には、昨年2025年から参加しています。

インターカレッジフォーラムin奈良きたまち」は、複数の大学の学生や教員が地元まちづくり団体や地域住民、行政と関わりながら、まち歩きを実施する中で実地調査を行う地域課題解決型のプログラムです。

2026年度は本学のほか、奈良教育大学、同志社女子大学、畿央大学、奈良学園大学、奈良女子大学の計6大学7チームの学生が参加し、それぞれの専門分野を活かした課題解決策について考えました。

奈良市きたまち転害門観光案内所(写真:奈良市)

4月18日(火)に実施された他大学合同のまち歩きでは、本学からは4名の学生がフィールドワークに参加しました。「ならきたまち」は、奈良に住んでいる方でも足を向けることが少ない場所です。学生たちも初めて訪れました。

学生たちはフィールドワーク後のゼミで「ならきたまち」の課題について検討しました。地元の方へのヒアリングの中で“古い街並みが残る「ならきたまち」の魅力が知られていないこと”が問題意識として挙げられた点に着目し、実態についてさらにリサーチを続けました。

2026年4月には「ならきたまち」の重要文化財である近代建築・旧奈良監獄の保存・活用プロジェクトの一部としてミュージアムが先行オープンし、同年6月にはホテルも全面開業しています。新たな観光名所がオープンしたことを受け、6月16日(火)にこちらの施設についても学生主体で追加調査を実施しました。

左:ゼミでの話し合い/右:新観光名所「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」の見学を学生主体で実施
中間報告会を経て、地域活性化の拠点づくりへシフト

6月20日(土)、オンラインで中間報告会が行われました。

学生たちは「ならきたまち」の魅力を知ってもらうためのゲームを企画し、その内容を報告しました。質疑応答で「ゲームを実施する場所についても考える必要がある」との意見が寄せられたことをきっかけに、地域住民が気軽に集い、憩える場について検討を深めるようになりました。

その後、学生たちは地域活性化の拠点づくりをテーマとして設定し直し、調査・検討を開始。何度もきたまちエリアを訪れ、地域住民や奈良市へのヒアリングを重ねる中で、地域にある「会所」の有効活用という課題に着目しました。

会所とは自治会が所有・管理する建物で、地域住民の寄り合いの場として長年利用されてきました。住民同士の交流や結び付きの拠り所となる一方、近年は利用率の低下が進み、維持管理費の確保も課題となっています。

こうした現状を踏まえ、学生たちは会所の新たな利活用方法について提案を行うことにしました。

オンライン中間報告会の様子
現状分析に基づく3つの具体的提案

会所の利用促進策を検討するにあたり、学生たちはまず、幅広い世代のニーズに応えるため、利用形態を「短期利用」と「長期利用」の2つに分類しました。短期利用では、地域住民が気軽に集まれる場所としての活用を想定。長期利用では、カフェなどの民間事業者の活用を視野に入れました。

議論を重ねた結果、近年、導入事例が増えている「時間単位予約サイト」の構築や、「長期利用マッチングサポートサービス」の創設を提案することになりました。2つのアプローチによって、利用時のハードルとなる「使いにくさ」や「利用条件の協議」といった課題の解消を目指すとともに、地域内外の人々の交流を生み出せる施設として発展させることが狙いです。

さらに、伝統行事の際には場所が確保できるよう条件を付けるとともに、収益性の向上のため、民間事業者が複数の会所を利用できる仕組みも提案するなど、検討を深める中で浮上してきた事項への配慮も盛り込みました。

当日発表パネル
最終報告会に向けて成果を発信

8月12日(水)の最終報告会に向けて、学生たちは発表資料の作成にも力を注ぎました。提案のイメージ図の作成には生成AIも活用し、内容がより分かりやすく伝わるようビジュアル面でも工夫を重ねました。

「インターカレッジフォーラム2026 in奈良きたまち」への参加は、学生主体で提案の実現可能性を検討し、その内容を相手に伝えるための表現方法を学ぶ実践的な機会となりました。実際のまちを対象に現地調査を重ね、他大学の学生とともに自治体へ直接提案を行った経験は、学生たちにとって大きな刺激となったようです。

左:成果発表会の様子。発表者や審査員の集まる中、落ち着いた様子で提案を進める学生たち/右:表彰式の様子
学生の声

・きたまちを訪れて提案内容を考えたのが楽しかったです。発表に向けて準備したことがよい経験になりました。
・自分たちで主体的にヒアリングを重ねるうちに、自ら考えて行動する力がつきました。
・発表では想定外の意見が出たため、もう少し別の角度からの意見も想定できるようにしていきたいです。

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