大阪市消防局が主催する「令和7年度 防火管理及び防災管理に関する意見・体験談の部」において、本学 企画・総務部 総務課の浪花拓也氏が、最優秀賞を受賞しました。表彰式は2025年11月9日(日)、大阪市消防局にて執り行われました。
浪花氏は、消防団員として20年にわたり地域の防火防災活動に携わってきた経験を生かし、現在は大阪経済大学の防災担当として、防災体制の整備に取り組んでいます。大学には約9,000名の学生・教職員が在籍しており、一般企業や学校とは異なる大規模かつ複雑な防火防災体制が求められる中、「実際に動ける体制づくり」と「構成員全員の防災意識の向上」を目標に、法令遵守にとどまらない実践的な活動を進めています。
主な取り組みとして、応急手当普及員資格を活かした「普通救命講習」を定期的に開催。映像資料を使わず、テキストとホワイトボードによる双方向の講習形式を採用し、クイズや実技を交えながら、楽しく理解できる工夫を凝らしています。1年間で約50名が修了し、受講をきっかけに上級救命講習を受講する職員も現れました。また、教員の依頼で学生向けの「救命入門コース」も実施し、応急手当の大切さを伝えています。
さらに、地域との連携にも力を入れており、近隣小学校では防災出前授業を実施。児童からは避難行動や防災リュックの中身など、実践的な質問が多く寄せられ、地域に根ざした防災教育の重要性を実感したといいます。
今後は、教職員による「自衛消防隊」の育成を強化し、定期的な訓練の実施を通して実践力を高めていく方針です。さらに、消防職を志す学生を中心とした「学生消防隊」の創設を構想しており、大学・地域・消防署が連携した防火防災ネットワークの形成を目指しています。東淀川消防署からも賛同を得ており、学生の力を地域防災に生かす新たな試みとして期待が高まっています。
浪花氏は「大学という教育機関の枠を超え、地域社会とともに防災意識を高めていくことが使命だと感じている」と語ります。今回の最優秀賞は、長年の消防団活動と大学での実践的な防災教育の両面が高く評価されたものであり、学内外の防災意識向上に大きな一歩となりました。
浪花氏の受賞作品については、大阪市防火管理協会情報誌『そなえ』(2025年12月号 No.772)最優秀作品紹介ページにて紹介されています(同協会の許諾を得て掲載)。