2026年8月19日(水)・20日(木)の2日間、本学学生が主体となって地域の小中学生と楽しみながら学ぶ「だいけいだい教室」の夏休み自由研究企画として、「Pepperと学ぶプログラミング教室」を初めて開催しました。
当日は、普段からだいけいだい教室に通う児童・生徒を中心に、初参加者を含む小学1年生から中学1年生までの計12人が参加しました。
本学では月2回を基本に、社会連携ボランティアの学生が講師となり、近隣の小・中学生の学習を支援する「だいけいだい教室」を実施しています。今回はソフトバンク株式会社の協賛を得て、感情認識機能やAI機能を搭載した人型ロボット「Pepper」をプログラミングで動かす特別企画を行いました。
2日間でソフトの基本操作から「将来の夢・やりたいこと」をテーマにした画像付きの絵日記をPepperに発表させるところまで、学生がマンツーマンで指導しました。
今回の企画のきっかけは2025年6月にさかのぼります。新しい教材を活用した学習機会の提供を検討していたソフトバンクの地域CSR担当者から、Pepperを使ったプログラミング教室の提案を受けたことが始まりでした。
同年秋に開催された「だいけいだいキッズスマイルフェスタ※」での実施も検討されましたが、準備期間が十分に確保できなかったため、「Pepperと学ぶ防災クイズラリー」として、Pepperを活用した防災クイズを出題する形で協力を受けました。
そのイベントが好評だったことを受け、今回、当初の構想どおり、子どもたちがPepperをプログラミングし、実機を用いて発表する教室を開催することとなりました。
なお、本学図書館に設置されているPepper「KEITARO」とは異なる設定が必要だったため、ソフトバンクの協力のもと、プログラミング企画専用の商業用Pepperを特別に借用しました。
※だいけいだいキッズスマイルフェスタ…「防災・教育・福祉」をテーマにした子ども向けの体験型イベント。災害時に地域の避難所として指定されている本学が、地域と連携して防災意識を高めることを目的に実施したもの
使用したのは、Pepperと連携できるビジュアルプログラミングソフト「Robo Blocks(ロボブロックス)」です。
パソコン画面上で機能ごとのアイコンブロックをマウスを使って組み合わせ、数値や言葉を入力することで、視覚的にプログラムを作成できます。
当日は午前10時に集合し、Pepperとの接し方やパソコン教室の利用方法、使用するソフトの概要について説明した後、準備してあったログイン画面への入力から学習をスタートしました。
また、学生が小学生向けに独自制作した「攻略ガイドブック」を参加者一人ひとりに配布。指導する学生も内容を確認しやすいよう工夫されており、スムーズな学習支援につながりました。
企画・運営は、情報社会学部の学生2人が中心となって担当しました。
活動3年目のメンバーも参加しており、普段から「だいけいだい教室」で子どもたちと関わっている学生の多くが教職を志望していることから、配慮が必要な児童への接し方にも慣れた様子で指導にあたりました。
小学1年生は人差し指で文字入力する姿が見られましたが、それ以外の参加者は学校でのICT教育やプログラミング教育の普及もあり、複数の指を使ってタイピングするなど、概ねスムーズに操作していました。
学生たちは高学年や中学生の操作スキルに驚き、自分たちの世代とのギャップを感じたと笑顔で振り返ります。
座席配置は、事前アンケートの希望や普段の友人関係を考慮して決定しました。
初参加の4人には新入生スタッフが担当として付きましたが、自由度の高いテーマ設定だったこともあり、指導する学生自身も一緒に学びながら自然と距離を縮めていく姿が見られました。
また、児童・生徒同士だけで固まらないよう、スタッフと子どもが交互に座る指定席制を採用。女子児童には女性スタッフを配置するなど、コミュニケーションしやすい環境づくりにも配慮しました。
子どもたちからは「踊らせたいと思ったけれど、なかなか思うように動かなかった」といった声が聞かれ、学生スタッフからも「使いたい音源が見つからない」など、完成に向けて試行錯誤する様子が見られました。
作品発表後は、Robo Blocksの機能を活用し、制作した作品をQRコードで配布しました。
保護者はスマートフォンからPepperの3Dプレビュー画像を閲覧でき、作品を振り返ることができます。昨年秋のキッズスマイルフェスタでも好評だった取り組みで、今回も「思い出のお土産」として提供されました。
これまでのイベントは「スタッフが作ったものを子どもたちが体験する」形式が中心でした。しかし今回は初めて、「子どもたち自身が作品を作り上げる」形式を採用。プログラミングの操作方法や考え方を学ぶだけでなく、ゲーム感覚で制作に取り組みながら、自分の将来の夢や目標について考え、それを発表する機会を提供することを目指しました。
これは学生たちが普段の学習支援活動の中で、子どもたちは将来について深く話をする機会が意外と少ないのだと気付いたことから企画された内容です。
今回のプログラミング教室は、子どもたちにとっても学生たちにとっても、新たな学びと成長につながる貴重な機会となりました。
●代表 人間科学部3年 梅田紗希さん
社会連携ボランティアの代表として、Pepperの活用方法や子どもたちが楽しめる企画について企業との調整を担当し、4年生1人、3年生5人、1年生6人でイベントを運営しました。教職課程は履修していませんが、子どもに教えることが好きで活動に参加し、当初は初対面の子どもとの交流に苦手意識があったものの、現在は一人ひとりとの関わりを大切にしています。また、教職課程を履修する学生たちの姿に刺激を受け、教育や指導に関わる仕事にも関心を持つようになりました。代表就任後は全体にも目を配るようになり、子どもたちには学習支援だけでなく大学生との交流を通じて多様な経験を得てほしいと考えています。今後も後輩たちに活動を引き継ぎながら、だいけいだい教室の発展につなげていきたいと思っています。
●副代表 経済学部3年 北川裕也さん
だいけいだい教室には、子どもたちの成長を間近で感じられることに魅力を感じ、1年生の頃から参加しています。教職を目指す経験として始めた活動でしたが、続けるうちに教室そのものの楽しさや意義を実感し、子どもたちの成長に関われることを大きなやりがいに感じています。今回は普段担当している児童をマンツーマンでサポートしました。1年生スタッフは事前のお楽しみ会で経験を積んでもらったこともあり、子どもたちとの関わり方を素早く習得していました。初参加の小学1年生を担当する貴重な機会にもなり、子どもとの接し方を学ぶ良い経験になったと感じています。今後も子どもたちに多様な学びの機会を提供できるよう、活動を継続しながら後輩たちへしっかりと引き継いでいきたいと考えています。
●企画長 情報社会学部3年 正井利空さん
今回の企画では、同じ情報社会学部の学生と協力しながら「攻略ガイドブック」を制作し、事前に学生スタッフ向けの研修会も実施しました。企画に際しては、子どもたちがプログラミングを通じて「将来の夢」について考え、発表できる場になるよう工夫を重ねました。普段のだいけいだい教室では学習支援が中心で、子どもたちが自分の夢や将来について自由に話す機会はそれほど多くありません。そのため今回は、プログラミングの技術を学ぶだけでなく、Pepperを通じて「将来やりたいこと」や「夢」を発表することを最終目標に設定しました。人前で話すことに緊張する子どももいますが、Pepperが代わりに発表することで、より話しやすい環境をつくることができたと思います。プログラミングでは、思い通りに動かないことが必ずあります。しかし、その原因を考え、自分で組み直しながら解決していく過程こそが大切だと思っています。試行錯誤を重ねる中で、「どうすれば動くのだろう」と考える力を身に付けてほしいと願っています。今後も子どもたちの視点を大切にしながら、新しい発見や学びにつながる活動を続けていきたいです。