私が大学で学ぼうと思っていたのは、マーケティングです。高校の授業やテレビで耳にするうちに興味を持つようになりました。消費者の動向を調査して商品を売る戦略を考える学問だと思っていたので、将来的に社会に出てからも役に立つ知識だろうと考えていました。
入学してからはマーケティングの知識を得るために、経営学の授業を中心に履修しました。特に面白いと感じたのは、「経営戦略論」です。企業がどのような角度から経営戦略を立てていくのかを学んでいく授業です。教材として、私たちがコンビニなどで目にする商品を事例として取り上げることもありました。日常的に手に取るような商品は、私たち消費者の生活をよく考えて作り上げられていることを知り、マーケティングへの興味がさらに深まりました。
マーケティングを学ぶ中で最も興味深かったのが、ターゲットの設定です。普段、例えばコンビニで商品が並んでいても、「これは若い人向け」とか「こっちは男性向け」とアバウトな分け方にしか見えませんが、実際のところはそうではありません。例えばどんな職業の人に買ってもらいたいのか、その人の家族構成はどうなっているのか、何時頃に手に取りたくなる商品であるべきか……。細かなユーザー像の設計が、商品の方向性を導いていると知りました。
もともと抱いていたイメージとは、比べものにならないほど奥深いマーケティングという学問に、私はどんどん魅力を感じるようになっていきました。身近な商品にもさまざまな戦略や理論が隠されていると思うと、そのすべてを解き明かしたくなりました。そしていつしか「自分でも企画段階から消費者の反応を見据え、商品を作ってみたい」と考えるようになりました。
そんな時に、学内で行われる大規模イベント「ZEMI-1グランプリ」の実行委員に参加することになりました。私は広報班に配属されたのですが、そこで出場者全員への参加賞の企画を任せてもらえたのです。出場者はみんな大学生なので、毎日しっかりと観察することを心がけました。キャンパスを歩いている時、教室で勉強している時、電車で移動している時。彼らは何を使っているだろうか、何を不便に思っているだろうか。その中で気づいたのが、みんなペットボトルを持ち歩いているということ。そんな発見から考えついたのが、オリジナルのマイボトルでした。
実際に参加賞を配布すると、出場者の皆さんは想像以上に喜んでくれました。職員の方々からも「よく考えたね」と好評いただき、とても嬉しく思いました。この経験がきっかけになって、就職活動ではマーケティングが得意な企業を志望し、無事に内定をいただくことができました。入社後もこれまでの学びを実践し、多くの人に喜びを届けたいです。