大学進学を迷っていた頃、ふと目にした大阪経済大学の学校案内に車椅子でクラブ活動を頑張っている在学生の紹介があったんです。障がいがあっても活躍できる学校っていいな。興味を持ったので入試部に問い合わせたところ、オープンキャンパスでもないのに快く大学を見学させてくれました。職員の方の親切な対応、きれいな構内、アットホームな雰囲気、すべてが魅力的でしたが、一番心を掴まれたのが人間科学部の先輩の存在でした。私と入れ違いに卒業するその人は、車椅子通学でも良い成績を取って大樟奨学金をもらっているとのことでした。ハンデキャップを自分の頑張りで乗り越えている姿にとても憧れ、自分もそんなふうになりたいと思って大阪経済大学への入学を決めました。

成績優秀者は年間授業料の半額相当額を受給できるという大樟奨学金。各学年で30人ほどしか選ばれない狭き門を、私も通過できたとわかったのは2年生の春でした。入学当初から目指していたこととはいえ、ポストに届いた給付対象の通知を見た時は嬉しさと達成感がこみ上げてきました。さらに驚いたのは、最優秀成績者として表彰式に出席できたことです。目標としていた先輩も手にしなかった栄誉を自分が得たという事実に、その日は一日中誇らしさでいっぱいでした。

私は小学生で車椅子生活になりました。親しかった友達が少しずつ離れていき、人間関係について、人生について、思い悩む日々が続きました。高校生になると、いつしか障がいを気にして何事にも消極的になっていきました。大学ではもっと積極的になりたい。そして引っ越しまでして私の通学をサポートしてくれている家族の応援に応えたい。そのために大学入学してからの1年間、勉強を頑張りました。

奨学金受給という形で努力が認められたことと「私だってやればできるんだ！」という自信によって、自分が成長しているのを感じています。先日、出身高校に出向いて恩師に奨学金と表彰式の件を報告したところ、全校生徒の前で話して欲しいと頼まれました。以前の私ならできるわけがないと即座に断っていたと思います。しかし、自分の気持ちや変化を伝えることで、私と同じように悩んでいる人の助けに少しでもなれればと承諾しました。

誰でも必ず幸せになるチャンスは来る。そう思えたのは大樟奨学金のおかげです。今は大学でたくさんの人と会い、話し、学ぶことが励みになっています。この先も奨学金をもらえるよう、そしてまた表彰されるよう、いっそう勉強に力を入れていきたいと思います。