私が大阪経済大学を選んだ理由は、公募推薦で入れるからでした。特別な想いがあった訳ではありません。だから入学式の前夜は「もっとよく考えて大学を選べば良かったかな」と、少し後悔もしました。
しかし、入学してからその意識は少しずつ変わっていきました。「社会保障論」や「福祉国家論」といった社会学の授業を受け、もともと興味があった貧困地域についての学びを深めていけたからです。一人親世帯の現状や、海外の保険制度など、あらゆる視点から貧困について考える中で勉強の奥深さに気づき、大阪経済大学に入って良かったと思えるようになりました。
貧困について学ぶと、そこから社会問題へと興味が移り、さらには人の命という大きなテーマについて考えるようになりました。直接的でなくてもいいから、命を守れるような仕事に就けないだろうか。そんな想いを抱くようになり、最初に思いついたのが医薬品関係の企業です。インターンシップにも参加し、この道に進もうかと考え始めていました。
そんな時に、大阪で大きな地震がありました。当時、私は阪急電車に乗っていました。大きな揺れが起こり、車内はパニック。私自身も、恐怖で押しつぶされそうになっていました。そんな私や乗客を救ってくれたのが、乗客への気遣いを感じるアナウンスでした。「私の経験上、このような地震があった際は午後まで電車が動くことはないと思います」。マニュアルにはないであろう、車掌さんの冷静で丁寧な状況説明が、安心をもたらしてくれました。
この経験を通じて鉄道は人々のライフラインだと感じ、鉄道業界を目指すことを決意。あとは突き進むだけだと、就職課に何度も足を運びました。エントリーシートの添削はもちろん、「どうしても面接で緊張してしまう」といった相談にも対応してくださり、就職活動中の心の支えになりました。特に、「もっと自信を持っていいよ」という言葉には励まされました。面接の前にこの言葉を思い出すと、自然と緊張がおさまりました。
第一志望の阪急電鉄株式会社は、面接時の雰囲気が温かく、落ち着いて話すことができました。内定の連絡をいただいた時は本当に嬉しかったです。ようやく立てたスタートライン。入社後はどんなトラブルが起こっても迅速に乗客の皆さまに安心を与えることができる駅員、車掌に、そしていつかは運転士になりたいと考えています。