【経営学部】2021年度コンサル基礎演習Ⅲ

地元商店街の活性化を目指し調査

商店街を勝手に応援

 吉野忠男教授(経営学部経営学科)が担当する「コンサル基礎演習Ⅲ」では“商店街を勝手に応援”と題して、スペシャリスト養成コースに在籍する44名がそれぞれの地元商店街の活性化を目指し、現地調査・文献調査・改善提案などを発表しました。
 
 本年度は、新型コロナウィルス感染防止のため、グループでの現地調査(大阪市内の商店街)を取りやめ、インターネット上で収集した情報をもとに個人で地元の商店街の調査・分析に取り組みました。対面授業が再開された後、3回に分けて報告会が開催されました。
 
 報告会では、地元商店街の調査・分析結果と集客のための改善策を受講生が発表。和歌山県御坊市「ほんまち 商店街」や沖縄県石垣市「ユーグレナモール商店街」、大阪市東淀川区「淡路商店街」などさまざまな地域の商店街の現状と課題があげられ、比較対象として集客の多い「原宿竹下通り商店会」「天神橋筋商店会」「戎橋筋商店街」の分析結果とともに、改善策を提案しました。受講生が100点満点で相互に評価を行い、最も平均点の高い上位5名を決定しました。さらに本年度は広報課職員が選ぶ「広報課賞」も贈られました。

 第1位は、山口華佳さん(2年生)の大阪市城東区「城東商店街」の改善案でした。アーケードが日光を遮断し、昼間でも暗く“近寄りがたい”という分析結果から、デメリットに見える要素をプラスに考え『手作りプラネタリウム商店街』を考案しました。
広報課賞には、深瀬楽人さん(2年生)の宝塚市「清荒神参道商店街」の改善案が選ばれました。清荒神清澄寺関連のイベント開催時以外“集客が悪い”、“若者の利用頻度が少ない”という分析結果から、普段から利用してもらえるよう『商店街内に学生のための自習スペースを作る』ことを提案しました。
 
 担当の吉野教授は、「今年はインターネット上の情報収集・分析にはなりましたが、受講生は皆、期待以上の成果を上げています。また、発表と評価を受講生全員が行うことで、自分とは違う視点を見つけられたらと思います」と述べました。

学生のコメント

第1位 山口華佳さん 
大阪市城東区「城東商店街を手作りプラネタリウム商店街に!」
 比較対象の有名商店街と比べ、地元商店街はネットの情報が少なく、情報収集に苦労しました。ですが、以前に受講していたコンサル基礎演習ⅠやⅡで学んだ「テキスト分析※」を用いて、問題点を洗い出すことができました。プレゼンでは、みんなが知らない商店街を知ってもらうためにどうすればいいかを考え、文字ではなく写真で大きく表現すること、話し方に抑揚をつけるなどの工夫をしたことで伝わりやすいプレゼンになったのではないかと思います。
※AIが自然言語解析を用いて文章を単語ごとに分割し、出現頻度や相関関係を分析することで、マーケティングや顧客満足向上に繋がるヒントを探す分析方法

第2位 広報課賞 深瀬楽人さん 
宝塚市「清荒神参道商店街に学習スペースを設置!」 
 
実は地元の商店街にはあまり行く機会がなくて、今回の調査で改めて知ることができました。注目したポイントは、イベントがない時期の集客をどうするか。商店街付近を調べたときに図書館が近くにあることがわかり、そこが満員で利用できなかったことを考えて、学べる場やコミュニティがあればいいなと考えました。プレゼンでは図と単語だけのわかりやすいスライドを作成し、聞いている人が飽きずに見てもらえるように質問を入れて、呼びかけるなど工夫しました。広報課賞までいただけて、スライドをこだわって作成してよかったです。

第3位 藤田利奈さん 
伊丹市「Viva伊丹サンロード商店街で買い物難民を救う!」
 比較対象の有名商店街は情報が溢れかえっていて、ネットだけで調べるのは自分の憶測が入りそうで難しく、苦労しました。授業の初めに配られた商店街に関する本の中に「買い物難民」の課題があり、地元商店街にも当てはまることから、分析することができました。また、”なるべく簡潔に話す”・”しっかり目を見て話す”の2点を意識したプレゼンの印象が良かったのではないかなと思います。

第4位 安武颯太さん 
姫路市「みゆき通り商店街の飲食店を巻き込んでビアガーデン!」
高校生の時に毎日通っていた商店街だったので、ネットの基本的な情報と実際に通っていた時の経験から有名商店街と比較しました。駅前に大きな商業施設があり、商店街まで足を運ぶ人が少ないという問題点に対し、商店街の抜けた先の広場に周辺の飲食店も出店できるようなビアガーデンを考案しました。商店街を知ってもらえるアイデアになったと思います。

第5位 岩本海南斗 
石垣市「ユーグレナモール商店街にライブイベントを!」
高校生のころから商店街が、観光客をメインにしたお店ばかりになっていることに疑問を持っていました。改めて調査するとやはり商店街と地元民の結びつきが弱いという分析結果になり、お祭りが好きな県民性も考えて、地元の人が集えるようなライブイベントを提案しました。プレゼンでは、南国らしさも伝わるように明るい色合いやイラストを各ページに入れ視覚情報を綺麗に整えたことで、評価してもらえたのではないかと思います。