大樟春秋会との連携

大樟春秋会との連携事業

2021年度寄附講座「社会課題解決に向けた挑戦」

 同窓会「大樟春秋会」から支援を受け、未来の経営者を育成することを目指し寄附講座「社会課題解決に向けた挑戦」を2021年度に開催いたしました。
 山本俊一郎学長が担当教員を務め、社会課題に取り組む様々な分野のゲスト講師を招いた講義と対談で構成され、各回ともに学長、講師、学生による熱いトークが繰り広げられました。
 環境問題がますます深刻化し、地球温暖化の抑制が喫緊の課題となる現在、新たな価値を生み出す「共創」が重要となっています。このような問題意識を踏まえ、境界部分で二項対立思考の罠から抜け出し、問題解決に向けた活動に取り組む人々を招き、学生にも質疑応答など積極的に議論に参加してもらいながら、各テーマを深堀りしました。

授業スケジュール

金曜 3・4限
12:50~16:05
講師(敬称略)テーマ
9/24大阪経済大学 学長
山本俊一郎
社会課題解決に向けた挑戦
10/1造園家/東急不動産社外取締役
涌井史郎
環境保全か経済発展か 環境保全も経済発展も
産業革命から環境革命へ~グリーンインフラで広がる新しい時代~
10/22京都大学 大学院地球環境学堂 准教授
浅利美鈴
何が有用で何が無用か
(前半)「もったいないキッチン」上映95分
(後半)講義:浅利美鈴先生「Think Globally,Act Locallyごみ問題からSDGsを考える~」
    討議:浅利・森田・関根・山本
ユナイテッドピープル株式会社
代表取締役 関根健次
11/5サーキュラーコットンファクトリー
代表理事 渡邊智恵子
22世紀に残すもの
~繊維のゆりかごから墓場まで サーキュラーコットンファクトリーの挑戦~
12/3日本総合研究所調査部主席研究員
藻谷浩介
都市か農村か 都市も農村も
里山資本主義
12/17ベジタリア株式会社
代表取締役社長 小池 聡
伝統か技術か 技術も伝統も
農業×ITで業界に変革
1/7共用品推進機構
専務理事 星川安之
人と人、人ともの、人と社会、人と社会をつなぐ共用品
小国士朗「三方良し」を仕掛け続けるディレクター
株式会社ヘラルボニー
代表取締役社長
松田崇弥
ヘラルボニーの挑戦
株式会社ヘラルボニー
代表取締役社長
松田文登
1/21造園家/東急不動産社外取締役
涌井史郎
社会課題とは何か?!
大和リース株式会社
代表取締役会長 森田俊作

2022年度寄附講座

社会課題解決に向けた挑戦

1970年代、先進工業国では最低限の生活水準が達成されたことによって市場が飽和するとともに、オイルショックによる脱化石燃料を目指す省エネ対応の動きがみられるようになり、工業化による都市の成長に限界がみられるようになりました。また、都市部では、集積の不経済による公害問題、住宅不足、交通渋滞などの都市生活環境が悪化し、地方から都市部への人口流入がとまり、反都市化の兆候がみられました。
 しかしながら、トヨタ生産方式をはじめとする市場の変化に柔軟に対応した多品種少量生産体制を確立することで、工業化による発展が止まることはありませんでした。90年代に入ると中国がグローバル市場に参入し、新たな市場と世界の工場を手に入れた国々は再び規模の経済を加速させていきます。市場の飽和はイノベーションが切り開き、拡大再生産が維持されています。そのなかで、環境問題はますます深刻化し、地球温暖化の抑制が喫緊の課題となっています。また、人口爆発と途上国での経済発展が同時進行するなかで、食料はもちろん、レアメタルなどの鉱物など、あらゆる資源の枯渇が危惧されています。
 このように多くの社会問題が顕在化するなかで、私たちはどのように世界を見つめ、問題解決に向けた取り組みを実践していくべきでしょうか。正解がどれかわからず、答えが見つかりにくいVUCAの時代には、「AかBか」といった二項対立の思考では、なかなか解決には結びつきません。「AでもなくBでもなく新たなC」を生み出すように.、社会全体が思考を昇華し、「脱構築」を図る必要があります。
 とはいえ、現在、社会は本当に次のステージへと変化しているのでしょうか。変わりつつあるとすれば、その変化の兆しはどこでみられるのでしょうか。「AもBも」共存できる仕組みを創り出している主体に着目することで、直面する社会課題の解決方法の糸口が見つかるかもしれません。そのためのキーワードが,人々の社会共通資本を提供する「公共」であり、新たな価値を生み出す「共創」です。
 本講義は、上記のような問題意識を踏まえ、問題解決に向けた活動に取り組む以下の方々をお招きし、活動内容に触れながら、学生と一緒に、多様性のなかでいかに生きるかを考えました。

金曜 3・4限
12:50~16:05
講師(敬称略)
テーマ
10/7(株)百間 代表取締役社長 和泉佳奈子「世界と日本の味方」
東京書籍(株) 代表取締役社長 渡辺能理夫「公共を学ぶ社会人の登場」
10/28テレビ大阪株式会社
代表取締役会長 田中信行
「メディアの未来」
KADOKAWA Contents Academy (株)
代表取締役社長 古賀鉄也
「9番目の藝術/アニメ」
12/2株式会社小国士朗事務所
代表取締役 小国士朗
「公共企業の笑える革命」
認定NPO法人 deleteC
池田遥
12/16(株)日本総合研究所
チェアマン・エメリタス 高橋  進
「新冷戦と新しい資本主義」
(株)日経BP
総合研究所主席研究委員 高橋博樹
「人生100年時代に挑む」
1/6株式会社ブイキューブ
代表取締役会長 グループCEO 間下直晃
「スタートアップ企業のいま」
大阪大学
総長補佐、教授、社会ソリューションイニシアチティブ長
堂目卓生
「社会課題の解決 大阪大学SSI」

2022年度寄附講座の様子

2023年度寄附講座

地域経済論

 これまで、国や地方自治体は、東京一極集中を是正するために、地方の経済活性化や社会課題の解決のために様々な施策を行ってきた。
例えば、交通インフラの整備や工業団地の造成による企業誘致の促進にはじまり、リゾート開発、農産物の産直市場の開設、移住促進を
図るための家賃補助、子育て支援の充実など、様々な取り組みがみられる。
 しかしながら、依然として若者の人口流出は続き、人口回復や雇用拡大にはつながっていない。そのようななか、近年、空き家をリフ
ォームして都心の企業にワーケーション用サテライトオフィスとして入居してもらったり、国内外からアーティストを誘致し、滞在中の
創作活動を支援しながら国際芸術祭を開催したり、農産物を直接海外の店舗へ輸出し販路を開拓するなど、新たな取り組みがみられるよ
うになった。また、耕作放棄地をオーナー制の貸農園として都市住民に売り出し、定期的に農業体験や田舎暮らしを経験してもらうこと
で、定住まではいかなくとも、短期の観光客よりも地域との関わりが深い関係人口を増やす施策をすすめたりするなど、都市と農村を結
ぶ拠点を形成するような新しいアイデアが生まれている。
 そこで、この寄附講座では、経済的要素にとどまらず、地域の歴史や制度、慣習などの社会文化的側面に注目しながら、地域資源の再
発見をつうじて新たな価値を創造する活性化策について学び、今後の地方創生の在り方について議論した。また、15回の授業のなかで4
回は学外からゲストスピーカーを招聘し、前半は講師の方に講演をしていただき、後半に学生と議論をしながら、議論を深める形式をと
った。
 地域経済の活性化に向けては、まず何よりも地域特性の認識や地域資源の再発見が必要である。様々な視点から地域経済の現状を捉え、
今後の経済振興策について学生と一緒に探究した。

講演日
講師(敬称略)
テーマ
10月4日(水)青山社中株式会社 筆頭代表CEO 朝比 奈一郎​シン・日本列島改造論
11月1日(水)株式会社アートローグ 代表取締役CEO 鈴木 大輔ビジネスとアート
12月20日(水)筑波大学図書館情報メディア系准教授​ 落合 陽一デジタル民芸
1月10日(水)東川町長 菊池 伸東川町の新しいデザイン

2023年度寄附講座の様子

2024年度寄附講座

地域経済論

 近年、持続的な発展を遂げる地域に注目が集まっている。そこで、本講義では、大都市圏、地方中枢都市、中核都市、中小都市と都市の
スケール別に、日本の地域経済構造を学ぶ。また、経済的要素にとどまらず、地域の歴史や制度、慣習などの社会文化的側面に注目して、
地域経済の活性化の要因について学習する。また、15回の授業のなかで3回は学外からゲストスピーカーを招聘し、前半は講師の方に講演
をしていただき、後半に学生と議論をしながら、議論を深める形式をとった。
 地域経済の活性化に向けては、まず何よりも地域特性の認識や地域資源の再発見が必要である。様々な視点から地域経済の現状を捉え、
今後の経済振興策について学生とともに探究した。

講演日
講師(敬称略)
テーマ
11月6日(水)みんなの馬株式会社 CEO 足袋抜 豪
大野製炭工場 代表 大野 長一郎
牧場の概念を変え、社会を変える
珠洲市の復興と製炭事業について

11月27日(水) 高知県黒潮町 前町長 松本敏郎
人と自然のつきあい方
 ~黒潮町の防災ツーリズム〜
12月4日(水)一般社団法人ミス日本協会 理事 和田あい女性活躍の社会へ ~ミス日本が目指す3つの美~

2024年度寄附講座

創立90周年記念講演会

公共共創社会へ~VUCAの時代~

創立90周年記念講演会「公共共創社会へ~VUCAの時代~」を2022年9月30日~2023年1月20日にかけて開催しました。講演会は全5回。各回とも社会課題の解決に取り組む専門家・企業家にご講演いただいた後、山本俊一郎学長と大阪経済大学大樟春秋会会長 森田俊作氏(大和リース株式会社 代表取締役会長)と講演テーマについてディスカッションしていただきました。
以下よりご覧いただけます。
https://www.osaka-ue.ac.jp/life/openlecture/archive/90tharchive.html