【2022年度】中村ゼミ「人生100年時代の社会人基礎力育成グランプリ」全国決勝大会に出場

高く評価された中村ゼミの教育メソッドとゼミ生の功績

中村健二先生(情報社会学部教授)のゼミ生2チームが2023年3月15日に開催された「2022年度 人生100年時代の社会人基礎力育成グランプリ(主催:一般社団法人 社会人基礎力協議会)」の全国決勝大会に出場。ゼミで創発したビジネスプランを発表し、うち1チームが「人生100年時代の社会人基礎力準大賞」を受賞しました。

 
これから社会で巣立っていく学生に必須となる社会人基礎力
社会人基礎力とは、2006年2月、経済産業省が産学の有識者による委員会にて、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力として定義づけたもの。「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力から構成され、教育機関・活動等での育成を提唱しています。
今回、中村ゼミが出場した「社会人基礎力グランプリ」は、授業やゼミ、研究、社会貢献活動などに取り組む学生たちと担当教員が発表し、その成果を競うイベントです。活動内容だけでなく、取り組みを通じて学生たちの3つの能力が、どのように育成されたかについても評価されます。

ゼミで培った力をもとに堂々とプレゼンテーション
中村ゼミからエントリーした2チーム「大阪経済大学1」と「大阪経済大学2」は、まず全国6エリアに分かれてオンライン開催された地区予選大会に出場。「大阪経済大学1」が近畿地区予選大会代表に選ばれ、応募チーム数の調整のため九州・沖縄地区予選大会に出場した「大阪経済大学2」も同地区大会代表に選出されました。
 
各地区予選を勝ち抜いた代表6チームによる全国決勝大会は、オンラインで生配信され、出場大学の関係者など多くの人が視聴しました。さらに経済産業省や協賛企業による5名の審査員が厳しくチェックする中、中村ゼミの学生たちは臆することなく、ゼミで取り組んだビジネスプランの内容と成果、また活動を通じて習得した社会人基礎力についてプレゼンテーションしました。
 
発表内容
近畿地区予選大会代表:大阪経済大学1(当日発表者:芝、野田、里見)
【収穫と選果の手作業を支援するアプリ「Sortable」】
小規模農家が抱える「機械導入のコストが高い」「農業技術の継承や新規参入が難しい」「選別の際に個人差が生じやすい」という3つの課題を解決。そのため、 1.サイズの計測、2.傷の判定、3.個数のカウント、4.熟れ具合の判定の4つの機能を搭載した独自のアプリを考案。農家での実装実験も実施したことで、生の声を拾い上げることができた。社会人基礎力については、とくにチームワークが身についたことをアピール。
 
九州・沖縄地区予選大会代表:大阪経済大学2(当日発表者:広田、赤松、遠藤)
【行動把握によるインタラクティブなデジタルサイネージ「Act-is」】
屋外・店頭・公共空間・交通機関等で、映像表示装置を設置して情報発信、広告宣伝を行う「デジタルサイネージ」。この装置にカメラなどを搭載することで、1.行動追跡機能、2.画面切り替え機能、3.スマホ連携機能という3つの機能を付加。これによって、映像を見た人の行動追跡や広告効果のデータ化をできるようにした。デジタルサイネージを使って情報発信を行う引越会社の協力のもと、今後、実装実験を予定している。社会人基礎力については、機能などを考え抜いたことを強くアピールした。

 
ゼミ生に「汗をかかせる」ことを審査員が評価
この「社会人基礎力グランプリ」では、教員も参加し、学生たちの発表のもととなった授業やゼミについて、どのような教育方針のもと指導・運営しているかをプレゼンテーションします。
 
中村先生は自身のゼミについて、「“行動”と“考動”の創発エンジンの獲得」を目標に掲げており、グループワークを通じて100案ものビジネスプランを創出する課題を出していることを具体例として紹介しました。「既存のビジネスに類似したものやネットを検索しただけで考えたものは一切認めません。ビジネスの課題は現場にあります。学生自らが現場に足を運んでリサーチやヒアリングを行い、自ら考え抜くことで、初めて新たなアイデアが生まれます。私は社会人基礎力はもちろん、どんな壁に当たっても立ち上がる回復力や対処能力なども身につけられるよう、ゼミ生を徹底的に鍛え上げています」と中村先生。審査員からは「自ら汗をかいて調べる、考えることは社会で重要。中村ゼミの取り組みはこれに直結する」と称賛の言葉をもらいました。
 
結果、大阪経済大学1が「人生100年時代の社会人基礎力準大賞」を受賞。「当日は2チームとも素晴らしい出来でしたが、発表内容から推測すると、特に「チームで働く力」がわずかに上回っているように審査員が判断したのではないでしょうか」と語る中村先生。また、ご自身の発表については「社会人基礎力グランプリは、多くのビジネスプランコンテストがある中で唯一、教員も発表の場がある希なコンテストです。コンテストの主旨もビジネスアイデアや完成度を評価するだけでなく、ゼミの教育方針やメソッドの素晴らしさ、そして、それらを通じて育成された学生がどれくらい力をつけたのかを評価するものです。今回出場したことで、対外的にも私の教育方法を評価していただき、より良い学生を育てることができるとの後ろ盾を得ることもできました」と振り返りました。
 

学生の声

大阪経済大学1
芝 純一さん
チーム一丸となって、賞を取るために何をすべきかを考え、行動することができました。おかげで、それぞれが得意分野を活かすことができ、高いパフォーマンスを発揮することができました。また私自身にとってはリーダーシップを磨く貴重な場になりました。
 
中井 真太郎さん
私はこのグランプリを通じて、チームで考える力が身についたと思います。自分一人で考えるのではなく、チームで意見を出し合ったことで、一人だけでは出すことのできなかったアイデアが生まれ、より良いプランを構築することができました。
 
野田 凌志さん
ゼミ活動では、すでに解決済みと考えられている課題を「本当に解決されているのか?」と問い続け、真に求められるアイデアの創出に尽力しました。その結果、既存の世の中のサービスを疑う力が身につき、より良いアイデアを考える癖がつきました。
 
里見 芽生さん
中村ゼミに所属する前は人前で話すことに苦手意識を持っていましたが、ゼミ活動のかげで積極的な発言や主体性が身につきました。またグループワークが多かったため、傾聴力や柔軟性、コミュニケーション力も育めたように思います。
 
福田 莉子さん
中村ゼミにはチームで活動する機会が多くあり、そのなかでメンバーのさまざまなアイデアや意見を聞くことができました。これら経験は、自分にとって大きな学びでした。また、準大賞という立派な賞をいただけたのも、チームで力を出し合えたからだと思います。

 
大阪経済大学2
広田 椋祐さん
中村ゼミでは、合計12ものビジネスコンテストに出場しました。この「社会人基礎力グランプリ」はいくつかのコンテストと予選などが重なって大変でしたが、タスク管理能力も身につきました。また、コンテストでどんな質問にも答えられるよう自分たちの取り組みを客観的に考察できるようになったことも中村ゼミでの成長の証だと思います。
 
横田 春花さん
私は人前で話すプレゼンテーションも、企画書などをまとめるライティングも苦手でした。しかし、中村ゼミで鍛えられたおかけで、何を伝えればいいのかをしっかり考え、要点を明確にできるようになりました。また、チームで動くにあたって、苦手なことでも立候補して挑戦する積極性が身についたことも中村ゼミでの成果の一つです。
 
赤松 瑠衣さん
ビジネスコンテストの出場は、発言力や企画書作成力など、社会でも必要な力が身につくので、大変価値があると感じました。その中で、私は自分の考えをさらに深掘りできるようになりました。これは社会に出た時にも役立つと思います。中村先生には、私たちの成長のために大きな熱量を持って教えてくださり、感謝しています。
 
三宅 主真さん
様々な課題を一つ一つ分析して解決策を考え、ビジネスプランに落とし込んでいく中で、課題解決能力を身につけることができました。普段の生活では課題に直面する機会は限られているので、ゼミ活動は非常に貴重な経験の場となりました。こういった経験ができたのも、中村ゼミだからこそだと思います。
 
遠藤 武蔵さん
ゼミ活動を通じて、ビジネスプランは計画する段階から実際に行動する事が多いということを知りました。プランを考える段階であっても行動を起こして外部に働きかける事で、新しい知識や視点が増えてプランが深まっていく事を実感できました。