高校生の頃は、理系のクラスに所属していました。しかし、どの授業にも特別高い関心を持てず、将来やりたいことも、大学で学びたいことも見つけられずにいました。すると、担任の先生が大阪経済大学の情報社会学部を勧めてくれたのです。その理由は、数ある大学の中でも学びの領域が広いから、ということでした。「きっと学びたいことが見つかるから」。その言葉を信じて、入学を決めました。
視野を広げるためにさまざまな領域の授業を履修しました。例えば社会学の領域では「地域コミュニティ論」を学びました。マンションや住宅街など、地域単位で人はどのように関わり合うのかを考える授業です。自分にとって身近だからこそわかりやすく、その上で新しい発見もあるので楽しく授業を受けられました。
地域社会学や統計学など、数学の知識を必要とする授業も履修しました。これまでは数字は計算に使うものというイメージしかありませんでしたが、その数値に人やお金という意味を持たせることで見え方が変わりました。今一つ興味を持てなかった数学も、少し視点を変えるだけで面白く感じられ、不思議な感覚を味わいました。
こうやって少しずつ視野を広げてきた中で、特に興味を持った領域は、環境問題と経済学です。きっかけは「環境問題と企業」という授業で、原子力発電の事故が経済にどのような影響を与えたのかといった国内の問題から、世界各国の環境問題の進行状況などを学びました。理系の知識を生かして新しい領域に踏み込んでいけるというところが、私に合ったテーマだと感じました。
いつしか「この分野をもう少し深くまで学んでみたい」という想いが芽生えました。そこで2年次の秋からは、環境問題を扱うゼミに参加することに。「酸性雨の被害と経済成長の関係」というテーマを掲げ、研究を進めています。酸性雨は主に排気ガスの影響で発生するのですが、その被害と交通量が必ずしも比例関係にあるわけではありません。今はその原因を探るため、東アジアなど発展途上国のデータを集めているところです。
高校生の頃は、テーマを持って研究している自分の姿なんて想像もできませんでした。理系から文転するという決断には少し勇気が必要でしたが、先生の勧め通りこの学部を選んで良かったと思っています。大学で学びたいことが決まっていない人には、一度情報社会学部という選択肢を考えてみて欲しいです。