中学生の時の担任に憧れ、将来は教師になろうと考えていました。大学では教職課程の授業以外にも、積極的に課外活動に取り組みました。1年次には地域の小学校の学童ボランティアに参加。放課後も学校に残る子どもたちに宿題を教えたり、一緒に遊んだりしていたのですが、子どもたちは思うように言うことを聞いてくれずに苦労しました。
そんな時、友人から教職サークル「教師のたまご」に誘われました。主な活動は模擬授業。先生役と生徒役に分かれて授業を行い、良かった点、悪かった点を振り返ります。ある日、先輩の模擬授業を見ていて気づいたことがありました。それは、生徒一人ひとりに対して言葉遣いや指導の仕方を少しずつ変えていたことです。
思えば私は一人ひとりの個性や性格を考えず、すべての子どもに同じように接していました。自分の中にある理想の教師像に近づこうとするだけで、子どもたちに寄り添えていなかったのかもしれません。
それから学童ボランティアに参加する時は、まず子どもたちをよく観察し、言葉を使い分けるようにしました。すると以前よりも、子どもたちが言うことを聞いてくれるようになり、行動を改めてくれるようになったのです。この経験をきっかけに、進路を小学校の教員に定め、小学校のプログラムを履修しました。
4年次には、小学校での教育実習にも参加しました。顔なじみが多い学童ボランティアとは違い、初めて会う子どもばかりの環境。自分なりに子どもをよく観察して言葉を選びましたが、思うように言うことを聞いてくれる子ばかりではありませんでした。勉強と関係のない本を読んだり、文房具を使って遊んだりと、授業に集中できない生徒たちが多く、その対応には困りました。
そんな時、実習先の先生から「子どもたちが自分で考えられるような言葉をかけてあげて」とアドバイスをいただきました。それからは「今は何をする時間だったかな?」と問いかけ、やるべきことを自覚してもらえるように働きかけました。すると徐々に、声をかけなくても授業に参加してくれるようになりました。子どもの成長を導く、教員のやりがいを実感しました。春からは小学校に勤務するので、まずは児童をよく知ることから始めたいと思います。