大学生活が半分過ぎた3年生の春、ふと自分を振り返ってみると、これまで頑張ったと言えることがありませんでした。このまま大学生活が終わってしまうのは寂しい。そんな思いから、資格支援窓口に足を運びました。「せっかく挑戦するのなら、難しいことに挑戦したい」と職員の方に相談してみると、国税専門官への挑戦を勧められ、1年間の公務員試験対策講座に通うことになりました。ただ、初めのうちは新しい一歩を踏み出せたことだけで満足してしまい、講座に出席する以外、自ら勉強することはありませんでした。
私が変わったのは、講座で仲良くなった友人の影響です。自分の目標に向けて一生懸命努力する姿を見て「私は何のためにこの講座に参加したんだ、本気で頑張りたかったからじゃないのか」と考えを改めました。思えば、これが私のターニングポイントでした。
それからは、講座がない日も毎日勉強するようになりました。図書館が開く9時から、閉館する21時まで。問題集を暗記できるほど、とことん勉強しました。辛いと感じる日もありましたが、講座で友人と会うとまた頑張ろうと思えました。
講座の先生にもその姿勢は伝わったようで「頑張っているね」と声をかけてもらったり、アドバイスをいただいたりしました。特に為になったアドバイスは、前日に勉強した範囲は、次の日の午前中に復習するという勉強法。頭のウォーミングアップになって自然と勉強に集中できる上、これまでよりも知識が定着しやすくなった実感がありました。
迎えた筆記試験の当日は、今日で全部決まってしまうと思うと、緊張でペンを持てないほど手が震えました。だから合格の連絡が来た時は喜びよりも驚きの方が大きかったです。しかし、筆記試験の次には面接が控えています。講座の先生にすぐに連絡を取り、慌てて面接対策をしました。先生からは質疑応答の内容はもちろん、「考える時に目を泳がせないで」「ドアは丁寧に閉めて」と姿勢やマナーについても指導いただき、面接までは1週間と時間のない中で、徹底的に鍛えてもらいました。
それから2度の面接試験を乗り越え、内定の連絡をいただきました。もちろん、内定という結果はとても嬉しかったです。でもそれ以上に最後までやり切ったことが誇らしくて、思わず涙がこぼれました。本気になれる自分と出会えたことが、何よりの財産だと思います。支えてくれた友人や先生には、感謝の気持ちでいっぱいです。講座に通った1年は、私にとって最も価値のある1年になりました。