新講座「基盤能力開発講座」

開講
「基盤能力開発講座-OSAKA BRAND 03」


◆開講の目的及び概要

今年度から「基盤能力開発講座・OSAKABRAND03」という個性的な講座がスタートした。これは、社会で必ず求められる「コミュニケーション力」「ディスカッション力」「プレゼンテーション力」「リサーチ力」「チームワーク力」を、実践的な13回の講座の中で身につけようという画期的な試み。

受講生は3名から5名のグループに分かれて商品の企画・開発に取り組み、その活動を通して、実践力を高めていく。企画する商品は、大阪の町を活性化させるための「OSAKABRAND」であることが条件。実現できるものであれば分野は問わない。

成績は、出席数のほか、企画の完成度・プレゼンテーション力などで評価し、ベスト10に入った企画には無条件で「優」が与えられる。

来年1月のグランプリ大会で優秀作品が選ばれるが、この講座には大阪府をはじめ多くの企業を招き、採用の意向を示された企画に対しては、商品化への後押しをする考え。


講座Vol.1&2(4月26日)

この講座には223名が登録。第1回・第2回の講座が4月26日にフレアホールで開かれた。審査委員長を務める渡辺泉学長は「この一年できっと自己改革ができるはず。大阪のイメージアップを君たちの力で」と激励。続いて大阪府政策室長の清水幸弘さん(本講座の審査副委員長)が、大阪府が進める「大阪ブランド戦略」について講演。さらに、関西文学編集長の河内厚郎さんや朝日放送「探偵ナイトスクープ」のプロデューサーの矢澤克之さん、大阪に本社をおくダスキン・ミスタードーナツカンパニーの原田剛さん、CMプランナーの山崎隆明さんが、それぞれの立場から「大阪らしさ」について語った。

講座の終了後、受講学生からは「人を引きつけるには意外性が大事という話が面白かった。将来、親の事業を継いだ時のプレゼンテーションに役立ちそう」といった声も聞かれ、それぞれに手応えを感じている様子だった。


講座Vol.3&4(5月24日)

ソニーのロボット犬「AIBO」がやってきた。

今回はこの「AIBO」を例に、その開発にあたったソニーの大槻正氏からは、企画・開発にまつわる話を、ホリプロの竹中秀喜氏からは、多くの芸能人を世に送り出した経験から、人というブランドの育て方を、そして南船場を若者の街に変えた仕掛け人でもある美術家の浜崎健氏からは、街の活性化の手法を聞いた。

一方で、前回大阪らしさについて受講生に提出させたイメージを紹介。それについて、講師からそのイメージの捉え方やそこからのアイデア発想についての解説がなされた。

講座Vol.5&6(6月21日)

今回のゲスト講師は、なにわ名物開発研究会代表幹事(株式会社せのや代表取締役社長)の野杁(のいり)育郎さん。同日に行われていた教育懇談会に参加した父兄が2階席から授業参観するなか、講座は進められた。

この日の講義メニューは、
1.ブランドについての復習/2.今、注目の「大阪ブランド」紹介/3.提出された企画への寸評/4.企画会議の進め方/5.チーム分け

ブランドについての復習の中で、ナイキを例に、学生に質問を投げかける。それをきっかけに、靴の場合の価値の違いを次のように指摘した。

○ただ履ければ良いと考える=モノ的価値=ただの製品
○その靴を意識し、選んで履く=表示的価値=名前付き商品
○履いている自分が客観的にどう見られるか意識して履く=意味的価値=ブランド

「日本はいいものを安く売ろうとやってきたが、現在はその主流が中国に移ってしまった。一方で、いいものを高く売ろうとする考えがあり、そのベースとなるのがブランド化だ」。

次に、みんなが持っている企画をどう広げるか、今注目の大阪ブランド3つを紹介。2005年度に人工衛星1号機打ち上げることを目標としている産業集積の町である東大阪や、短期間でのオリジナルブランド創出を武器に復活を図る泉州の繊維産業などが紹介される。また、ゲストの野杁さんから、戎橋筋商店街の分析や大阪を商品としてどう扱うべきかについてのノウハウが教授される。本音のコミュニケーションの必要性とその際に本音をやわらげてくれる大阪弁の効用を指摘しながらも、一方で世界に発信するにはコテコテイメージの払拭にも配慮すべきだとの意見が披露される。

続いて、ブランドの創出について。学生が提出した大阪ブランド案を集計してスクリーンに表示し、それへの寸評を交えながら、考える方法を説明。たとえば「水の都」というのはテーマ。テーマの根底にあるものがコンセプト。まずコンセプトを考えてほしい。

その時に必要なのは、▽表題・ネーム▽
ねらい▽企画の概要▽企画のうり▽キャッチ=買いたくなる・注目する
だと訴えた。

併せて、入社試験書類選考の4つのポイントとして以下の4項目をスクリーンに表示。
▽表現力▽論理性▽独自性▽熱意
「これが企画書作成のポイントでもある」とした。


いよいよグループ分けに入るが、その前に劇仕立ての企画会議が演じられる。観劇の後、問題点についてコメント。ネーミングの問題、コンセプト設定の問題などについて横山氏と田中氏が説明。

では企画会議の進め方とは?
○時間は1時間(準備が大切)
○役割をまず決めよ(進行役・書記=忘れてしまうことがある)
○目的・ねらいなどを板書せよ(拘束条件=タイトルを決める会議・コンセプトの会議etc)

「議論を闘わせて最後は独断で決める。決めたら最後のネーミングまでそれでいくこと。自ら自信を持つ。自分がそれをほしいかどうか検証する。平均値ではいかない世界。勘・自分の視点・思想・リサーチ力。他グループに客観的に聞くことも大事」

7月4日が課題の最終提出日。「Aサイズにすべてまとめる。これも拘束条件。NHKも企画書がA4で1枚。超えると誰も読まない。プレゼンの第一ステップが企画書。いかに注目させるか。1枚で引きつけるものでないとダメ。セールスポイントを端的に。概要は絵で説明しても良い」と例をスクリーンに表示。

最後にチームづくり。3人以上5人以内。「役割分担を受け持ってもらいたいから5人とする」リーダー44名で44チームを作る。多いところは同じテーマで2チーム作ることになった。人が来ないリーダーはステージの上でチーム参加を呼びかけた。会場では、早速課題提出に向けての話を始めるグループも・・・。


講座Vol.7+リーダー会議(7月12日)

今回で夏休み前の授業は最後となる。講義の最初に、渡辺学長から就職の際に企業が求める人材についてのデータが紹介された。資格などよりも、チャレンジ精神・コミュニケーション能力・主体性・協調性などが必要な資質として求められており、それはまさにこの講座で養成しようと考えられている要素なので、この講座を十分に活用するよう激励があった。併せて、最終的に最優秀企画にはグランプリをはじめ、いくつかの賞を用意することが告げられた。

前回でチーム編成が行われたので、今回は夏休みを控え、企画立案の進め方が示された。すでに提出された各チームの企画案のうち10の企画について、各チームの代表者に企画のポイントを説明させ、それを踏まえた全体講評を行う。今回のゲストであるクリエイティブディレクターの一倉宏氏を中心に、評価できる部分や逆に不足していた部分などについてコメントが加えられていった。

全体的には、アイデアは悪くないが、その内容のリサーチ不足や、実現の可能性についての検討が不足している点が指摘される。また企画書作成については、説明を聞けばわかるようなものではなく、見るだけ・読むだけで相手にわかるものを作ることを念頭に作成するようアドバイスが与えられた。その後、夏休み中の支援も考慮し、ホームページを立ち上げたことが伝えられる。

全体での講義が終了した後、リーダー会議が行われた。そこでは、講義の中で触れられた10チーム以外の企画について、横山氏自らチームのリーダーごとに個別にアドバイスを行い、併せて疑問点を聞いてまわった。

熱心に質問を投げかけていたチーム、企画テーマ「O−1グランプリ」のメンバーは、アイデアを形にするために必要なモノ・金の調達や各種の権利についての考え方など調べないといけないことが山ほどあると、これからやるべきことの大変さが改めてわかった様子。

その後、全員に「リーダーの心得十箇条」が配布され、横山氏からそれについての説明がなされた。