図書館・研究所

研究所の紹介

研究所の概要

日本経済史研究所は、世界の中の日本、アジアの中の日本という広い視野を大切にし、経済史研究にとって有意義な史資料の収集、多様な学術情報の公開、講演会の実施などを通して、経済史研究の発展への貢献、経済史研究と社会との関係の深化を目指しています。

所長あいさつ

日本経済史研究所の新たな使命
 
日本経済史研究所所長 閻 立(えん りつ)
 

 日本経済史研究所は1933年に設立されて以来、時代とともに日本社会の課題に取り込むために、経済史をはじめ、様々な分野の歴史研究に励み、歴史学の視点から社会の発展に寄与できるように努めてきました。研究所の創設者をはじめ、多くの大学の関係者の方々、そして、研究所のスタッフおよび本学教職員の皆さんのご協力によって、「史資料の収集・整理」、「『経済史文献解題』データベースの作成」、「研究会活動」、「公開講座」、「出版活動」と、多彩な活動を行ってきました。ここに深く感謝いたします。
2008年度より研究所刊行の年刊学術雑誌『経済史研究』では投稿論文の募集をはじめました。10年来、複数の審査員による厳しい査読を経て、毎号に1、2本の投稿論文が載せられています。また中国や台湾、韓国の研究者からの寄稿も増えています。
そして、歴史分野の最新の研究結果は公開講座を通じて積極的に社会へ還元し、大学と地域との連携に貢献してきました。
今年、「明治150年」を迎えます。150年の歳月が経ち、日本は急速な近代化、戦後の高度経済成長、バブル崩壊を体験してきました。さらに近年、人口減少社会の到来や周辺国との一進一退の関係や世界経済の不透明感の高まりなど激動の時代を迎えております。近代化に向けた困難に直面していた明治期と重なるところも少なくありません。この時期に、改めて歴史を振り返り、これまでの経験を学びなおすことで現代社会の諸問題の解決につなげていくことが期待されています。そこで、時代の変化に即した新たな使命を担って、日本経済史研究所は、現代社会と向き合い、未来への生き方を模索するために、さらに邁進しなければなりません。
今後、日本経済史研究を基盤として、経営史、社会史、政治史などの学際的研究を有機的に連関させ、その基盤の上に国内外の研究機関と連携し、レベルの高い研究成果を発信することを目指しています。それを遂行するために、所員の力を決集して努力してまいります。今後ともご指導・ご支援をお願い申し上げます。

 
平成30年5月

研究所の沿革

 1926(大正15)年4月、京都帝国大学経済学部において本庄栄治郎教授の日本経済史演習が開始され、農学部の黒正巌教授、彦根高商の菅野和太郎教授も参加しました。黒羽兵治郎氏ら演習参加学生も含めたこの集まりは、やがて 経済史談話会、京都経済史研究会へと発展しました。
 1929(昭和4)年7月、本庄・黒正・菅野・同志社大学教授吉川秀造・大蔵省嘱託松好貞夫の5氏を委員として経済史研究会が組織され、11月から月刊誌『経済史研究』の刊行を始めました。
 同じ年にフランスではアナール学派の『社会経済史年報』が出され、1927(昭和2)年にはイギリスで『経済史評論』が創刊されています。経済史研究会と『経済史研究』は、まさに国際的な社会経済史研究興隆の一翼を担ったといえるでしょう。
 1932(昭和7)年12月、日本経済史研究所設立のために協議会が開かれました。大阪経済大学の前身である昭和高等商業学校の初代校長であった黒正巌博士は、私財を投じて京都帝国大学農学部隣接の土地約300坪を購入し、研究所の建設にとりかかりました。1933(昭和8)年515日に晴れて開所式が行われ、代表理事には本庄氏が就任し、理事として黒正・菅野・中村直勝氏が名を連ねました。
 研究所は幅広い事業活動を行い、全国にその名が知られるところとなりましたが、第二次世界大戦の激化によって活動は困難となり、『経済史研究』も1945(昭和20)年1月で終刊を余儀なくされました。
 1948(昭和23)年、研究所の図書は新制大学設置のため大阪経済専門学校に移管されました。翌1949(昭和24)年大阪経済大学が発足し、黒正巌博士が学長に就任しましたが、同年9月に急逝し、研究所の再開は宙に浮いたままとなりました。しかし、本庄、吉川、江頭恒治、堀江保蔵、黒羽、宮本又次、三橋時雄の各氏らの努力により研究活動は続けられました。
 そして、1959(昭和34)年頃から大阪経済大学日本経済史研究所として活動が再開されました。その後、歴代所長、研究所員、職員の熱意と尽力によって、経済史研究会の再開、『経済史研究』の復刊、『経済史文献解題』のデータベース作成、一般向け講演会など、多様な活動が行われるようになり、現在に至っています。

研究所略年譜

1929年7月「経済史研究会」が発足   
1929年11月月刊『經濟史研究』刊行
1933年5月日本経済史研究所開所
京大農学部の隣接地に建設
本庄栄治郎が代表理事に就任
1940年1月『日本経済史辞典』刊行
1946年11月研究所屋進駐軍に接収
1948年7月研究所図書を京都から現大阪経済大学へ移す
1949年9月黒正巌学長が急逝
1955年3月『経済史年鑑』(経済史研究会編)復刊第1冊刊行
1960年3月『経済史文献解題』(大阪経済大学日本経済史研究所編)昭和34年版刊行、以後毎年刊行
1960年12月藤田敬三学長が所長兼任
1961年3月研究叢書第1冊刊行
1970年12月黒羽兵治郎教授が所長就任
1974年3月史料叢書第1冊刊行
1983年7月日本経済史研究所開所50周年記念行事挙行
1989年4月山田達夫経済学部教授が所長就任
1995年7月第1回 「経済史研究会」開催
1997年1月『経済史研究』第1号刊行
1997年4月松村幸一経済学部教授が所長就任
1998年3月研究所がG館1階に移転
1999年4月徳永光俊経済学部教授が所長就任
1999年7月第1回寺子屋「史料が語る経済史」開催
2000年9月学術シンポ「20世紀における社会経済史学の誕生と黒正巌」 開催
2001年3月研究所要覧を発行
2001年10月写真展「上新庄と経大70年」開催
2002年5月
「東アジア農業史国際シンポジウム」開催
2002年9月
『黒正巌著作集』全7巻刊行
2003年4月
文部科学省「オープン・リサーチ・センター整備事業」に選定され、経済史文献解題データベースの開発に着手
2003年5月
日本経済史研究所開所70周年記念行事挙行
70周年記念論文集『経済史再考』刊行
第1回「春季歴史講演会」開催
2003年11 月
第1回 「秋季学術講演会」開催
第1回「日本経世済民史研究会」開催
2004年4月
「教育学術コンテ ンツ」補助金に採択され、経済史文献解題の遡及データ 入力に着手
2005年4月
本多三郎経済学部教授が所長に就任
2005年12月
「経済史文献解題データベース」を日本経済史研究所ホームページ上で公開
2006年8月
研究所要覧を改訂発行
2007年 12月
文部科学省「オープン・リサーチ・センター整備事業」の一環として、「東アジア経済史研究会」を日本・中国・韓国の9大学の研究者を招聘して二日間にわたり開催      
「経済史文献解題データベース」の英語版検索 システムを公開
2009年3月
「経済史文献解題データベース」において、『経済史年鑑』復刊第1冊(昭和30年刊)までの遡及を完成
2009年5月
山本正経済学部教授が所長に就任
2012年3月
研究所がG館3階に移転
2013年4月
吉田秀明経済学部准教授が所長に就任
2014年9月
吉田建一郎経済学部准教授が所長に就任
2015年1月
『経済史研究』研究所開所80周年記念号(第18号)刊行
2015年12月通算80回目の経済史研究会開催
2016年10月研究所要覧を改訂発行
2018年5月閻立(えん りつ)経済学部教授が所長に就任