17歳からのメッセージReport2010

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14 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧砂時計高知市立高知商業高等学校(高知県)岡元麻菜さん私の部屋には砂時計がある。ごく一般的な、三分で砂が落ちきるタイプのものだ。小さいころからガラスの中でキラキラ流れる砂を眺めているのが好きだった。そのころの私には、三分という時間がとても長く感じられて、つついてみたり、傾けてみたり、ゆすってみたり、とにかく少しでも早く砂が落ちきらないかとあれやこれやとためしていた。それで何かが変わる訳ではないが、早く落ちればその分いいことがあるような気がして楽しかったのだ。あれからもう何年も経って、久々に砂時計をひっくり返してみた。砂はあっという間に流れて、最後の一粒まで落ちきった。もう一度ひっくり返してじっと眺めていると、何だか寂しいような、悲しいような感情に襲われて、少しずつ少しずつ、最後にはほとんど真横になるまで傾けて砂の流れを止めてしまった。砂と一緒に時間が止まるわけないのに、そうせずにはいられなかった。あれだけ時が経つのが楽しかったのに、今はもう苦しくなってしまったのだ。こぼれ落ちる砂のように、時は誰にも止められない。今も昔も変わらない当たり前のことなのに、何故変わってしまったんだろうか。私が変わってしまったからだろうか。何故かは分からないけれど、ただもう一度、流れる時間を楽しめる自分に帰ってきてほしい。せめて、そういう自分でありたい。自分をみつめて長崎県立小浜高等学校(長崎県)平湯大樹さん私は自分のことが嫌いだ。頭は全然良くないし、部活動の陸上でもすぐにケガをして走れなくなる。わがままだし、人の気持ちをわかろうとしない。そんな自分が嫌になる。もっと嫌いなのは、人と自分を比べて、その人の能力に嫉妬することだ。勉強できる人をみると苛立ってくるし、足が速い人をみると「自分もこんなに速かったらいいのに。」と思う。私と他人とでは何が違うのか。人は皆平等でなくてはいけないのではないかとか馬鹿らしい自問をしている。そんな自分がまた恥ずかしい。――最初からわかっているのに。頑張っている人たちに追いつこうとしなかったことくらい。そんな自分を変えたくて最近少し工夫してみたことがある。考え方を変えてみたのだ。「自分が頑張っていないわけじゃない。みんなの方が私より頑張っているんだ。それなら自分も、頑張っている人以上に努力しなくては追いつかない。」と。すると自然と努力することに苦痛を感じなくなり、むしろ努力してやりとげる楽しさを感じることができるようになった。考え方を変えるだけでこんなにも変わるんだ。少しだけだが自分を好きになれた気がする。自分を好きになると他人にもやさしくなれると聞いたことがある。今はその言葉の意味がわかる気がする。これから先も壁にぶつかるだろう。そんなときのために今努力しなくてはと思う。靴をならべた少女宮崎県立妻高等学校(宮崎県)桐山裕貴さん最近の出来事であった。私は歯の検査をするために歯医者にむかった。急いでいたので私はとっさに靴をぬぎすて検査室に入っていった。10分くらいで検査がおわり靴箱をみると、とてもすごくきれいに並べられていた。私はびっくりした。自分で靴並べたっけ?私は、半信半疑で自分の靴をとりだしイスに座り呼ばれるのをまっていた。すると、中年のおじさんも寝坊したのか、かみがぼさぼさの中急いで靴をぬぎすて検査室に入っていった。ぬぎすてた靴はとても汚く並んでいて、数分もたつときれいに並んでいた靴もあっという間に汚く並んでしまっていた。すると検査室から治療をおえた小学3年生くらいの女の子が出てきた。私は、その子をかわいいなぁと思いながらみていると、その子は自ら他人の靴をきれいにそろえていた。私はどきっとし、思わずその子に礼をしてしまった。私は、自分のことよりも他人にする優しさはとても大切なんだとその子に教えてもらった。と同時に少しはずかしくなった。きっと、私にもこの女の子のような時期があった。親に教えてもらった正しいことを素直に行動にうつす、そんな時期が。あの女の子は昔の私。昔の私が今の私に忠告している、そんな気がした。頭の中の消しゴム宮崎県立延岡星雲高等学校(宮崎県)川﨑剛さん「はい、テストを返すぞ。」そのテストはあまり勉強していなかったので、できは悪かった。僕は気分がとても落ち込んだ。その時、目の前にあった消しゴムを見てふと思った。「嫌な事、つらい事はすべて消しゴムで消せたらいいのに。」と。そんな非現実的な事を考えていた。消しゴムは一見何でも消せるようなイメージがある。しかし、実際はシャーペンや鉛筆で書いた文字しか消せない。ボールペンやマジックペンなどを消す時には、かなりの時間がかかったり、または消せないものもある。だから、人は書く前に間違えないようにしようと考え、慎重に書くのである。人間も同じだ。どうでも良い事やあまり気にしていない事はすぐ忘れてしまうが、嫌な思い出や辛い思い出を忘れるのには時間がかかってしまう。もしくは消えないままだ。しかし、そのような事を引きずっていては前に進めないのだ。消しゴムで消せなくても、次は間違えないようにしていけばいいだけなのであるから。高校に入学して悩み事などがたくさん増えてきた人もいるだろう。僕もそうだ。特に辛い事は決して頭の中の消しゴムでは消せないけれど、消せない事に気づいて初めて気がつくこともあるのだ。どんな嫌な事があろうとも、頭の中の消しゴムと一緒に前に進めるような自分になりたい。「軟」から「硬」に変わる宮崎県立延岡星雲高等学校(宮崎県)戸高永喬さん僕は小学校、中学校と野球をしてきた。小・中学校で試合や練習をする時に使う球は軟式球といって、やわらかく、たたきつけるとよく跳ねる。しかし一般的に高校生になると、ボールは硬式球といって硬くて、あまり跳ねないボールに変わる。つまり「軟」から「硬」へ変わるのだ。一方、現代社会はどんな時でも柔軟性を求められるという。「柔軟」とか「やわらかい」という言葉はなぜか良い響きに聞こえてしまう。例えば、柔軟な対応のできる人や、頭のやわらかい人と聞くと、とてもすばらしい人のように聞こえる。それに比べ「かたい」はあまり良く聞こえない。「かたい人」