17歳からのメッセージReport2011

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24 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧昭和学園高等学校(大分県)江藤友里さん手紙な気持ち今は携帯電話が普及し、メールで友達と手軽に連絡をとれるようになった。便利になるのはとても良いことだが、私は手紙の良さを失うことがあってはならないと考えている。私は今、遠くに住んでいる友達と手紙のやりとりをしている。メールと違っていつでも話せるわけではない。しかしその分、久しぶりにその人から手紙が来ると、とても心がはずむ。疲れきって学校から帰ってきた夕方に、時間をつくって書いてくれたその人の思いの結晶を見つければ、疲れもたちまちふきとんで明るくなれるのだ。指先で注意深く封を切り、便せんを取り出す。何が書いてあるのだろうかと胸を踊らせながら便せんを広げ、その絵柄を鑑賞しながら文字に目を通す。この一連の作業が、私の楽しみの一つなのだ。そして次は私が、友達のことを思いながら手紙を書く。そちらはどうですか。私の身近でこんなことがありました……。おのずと言葉選びは慎重になっていく。相手に嫌な思いをさせてしまうと、即座に謝ることはできないから。手紙は、自分の言葉に対する責任と、思いやりの心を育てるコミュニケーションツールだと思っている。この良き文化は、どんなに時代が進んでも残していかなければならない。さて、手紙をポストに投函してこよう。遠くの町のあの人は、喜んでくれるかなあ。宮崎県立佐土原高等学校(宮崎県)日髙甲太郎さん父の小さくて大きな工房父は国道沿いの小さなアパートの一階で管楽器の修理士を一人でやっている。ホームページも大きな看板もない小さな工房だ。今のインターネット社会に逆行するあやしい占い屋敷のような工房には、修理の依頼がいつも舞い込んで来る。父が小さな工房の奥でクラシックやジャズを流しながら作業をしていると、ジャズサックスを吹くおじさんや気さくな吹奏楽部の先生、県外から帰ってきた音大生など様々な人が、父を慕ってやって来る。父はその人たちの話を楽しそうに聞きながら楽器を完璧に直していく。父に直してもらった楽器たちは、キラキラした体をさらに輝かせ、とてもうれしそうに音楽を奏でていた。父の小さな工房にはいつも人情があり、大きな会社にはない物があると思う。父はもらった仕事は必ず完璧にやりとげ、期限を必ず守る。こうしたあたり前の事をあたり前にこなす自分にきびしい性格や、父の人間性が絶対の信頼を作っている。父はいつも私に「どこからでもかかって来い」と言う。今の日本には、どこからでもかかって来いと言える人がどのくらいいるだろう。インターネット社会で、人と人とのつながりが弱い今だからこそ、人と目を見て話し、どこからでもかかって来いと言える人間にならないといけないのだと思う。宮崎県立延岡商業高等学校(宮崎県)新名想羅さん人助け、保護推奨。雨の日のことだった。自転車で父の病院へと向かっていた途中、おじいさんが倒れたのを見つけた。信号の向こう側だったため、青になるのを待ちながら、手を貸すべきか少し悩んでしまった。助けたいという気持ちはあったが、気恥ずかしい気持ちや、冷たくされたらという不安があった。信号が青になって、「やっぱり助けないと」と思い、信号を渡りすぐ自転車をとめておじいさんの下にかけよった。腰が悪くてなかなか立ち上がれなかったらしく、助け起こしてあげると、「ありがとう。優しいね」と笑顔で言われて、とても温かい気持ちになった。それと同時に、一瞬でも迷った自分をとても恥ずかしく思った。幼いころは、道に迷っている人を自らすすんで助けたりして、人を助けることに抵抗を覚えることはなかった。それがいつから恥ずかしいと感じるようになってしまったのか。今の時代、CMでも取り上げられてしまうほど、〝人助け?は珍しいことになってしまった。あれほど「困っている人を見かけたら助けなさい」と言われてきたというのに、それをできる人間はどんどん減っている。むしろ、そう言う大人たちこそ、人助けができていないのでは、と思う。それが酷く悲しい。願わくば、皆が皆を助け合うような、そんな温かい社会を築きあげていきたい。鹿児島県立大島高等学校(鹿児島県)里村志津香さんネットの世界で学んだこと。私が初めて命の大切さを知ったのは、高校1年の冬でした。その頃私は、学校を毎日のように休んで、家で携帯電話ばかりいじって1日を過ごしていました。そんな時、ネットの中で知り合った同い年の女の子がいました。その女の子は、色々な精神病を抱えていて、毎日のように〝死にたい?と言っていました。自分自身も辛い中で彼女は私の悩みを聞いてくれていました。私にとって、彼女はとても頼りになる、無くてはならない人でした。ところがある日、彼女はブログの中で〝死にます。さようなら?と書き、その後連絡がとれなくなりました。心配な日々が続き、何度もブログが更新されていないか、ネットを開きました。彼女は生きていました。あの時、私は初めて、心から〝生きてて良かった?と思いました。「たかだかネットの中だけの知り合いで、そんな人が死のうが、消えようが、何とも思わない。」そう思っていたのに、現実から逃げて、ネットの世界に埋没していた私にとって、ネットの世界の友達が全てでした。今の若者には、あの頃の私と同じような人が多いと思います。現実の世界が辛くて、ネットに安らぎを求める人は、昔よりもずっと増えていると思います。そのようになるのには、様々な原因があるでしょう。子供の変化に気付き、声をかけてくれる。そんな大人がもっと増えてほしいです。そして子供も、他人を信じる勇気をもってほしいです。