研究関連

村山満明

アクチュアリティ、アニメ、法心理学で 人間の心のあり方を追究 【村山満明】

アニメを素材に人の心を考える試みも

私の原点は臨床心理学ですが、最近、心の問題を考えるうえで、臨床からは少し離れた三つのテーマに関心を持っています。一つは日本語に訳すと区別が難しい「リアリティとアクチュアリティについて」。興味を持ったきっかけは1997年に神戸市で起きた、14際の少年による連続児童殺傷事件。なぜ少年がこのような事件を起こすのか、どうすればこのような事件が防げるのかを考えました。そしてゲームなどにはない生きている実感・手応えをしっかりと感じられることが大事なのではないか、その場合、リアリティよりアクチュアリティという言葉で考えるほうが現状にピッタリくるのではないかと思いました。

二つ目は「アニメを素材に人間の心を考える試み」です。宮崎駿さんのアニメが好きということもあり、「風の谷のナウシカ」などのアニメを分析しています。様々な人の心の動きや有りようが、知識としてでなくイキイキとしたイメージとして描かれていて、考える材料がいろいろある点が面白いと思います。






 

法心理学の事例研究でえん罪を防ぎたい

そして最近、「法心理学」にも強い関心を持っています。えん罪事件が多く報道されていますが、明確な証拠が無く、加害者とされる人も罪状を否認している場合などの心理学的分析に10年間ほど取り組んでいます。事例を重ねることで間違った判決を防ぐことが目的で、裁判員裁判などにおいて、そのような心理学的知見をわかりやすく提供していけたらと思っています。

私が心理学に興味を持ったのは、高校の頃に悩みがあったからです。そして心理学関係の本を読み、ユングや河合隼雄の分析を面白いと思ったことがきっかけになりました。心理学を学ぼうと思う学生さんたちの動機はいろいろだと思いますが、私が担当する「心理療法」や「カウンセリング実技論」などの授業では、その基本的考え方を理解してもらいたい。そして自分について振り返ったり、腰を落ち着けて考える機会になればと思っています。