17歳からのメッセージReport2011

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10 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧た。時計を見るともう八時だった。しかし、友人の誘いを断り切れず結局帰ったのは十時。もう家の灯りは暗く外灯だけが静かについていた。家の中に入るとリビングには私だけの夜ご飯。祖父母の顔が頭に浮かぶ。私は、ご飯を温めて一人で食べた。翌日、母と一緒に花屋さんへ行った。たくさんの花を見ながら母はこう言った。「小さな約束でも、約束は守らないと後悔するよ。」と。私は、いつも気付かない間に大切な人を傷つけていたのだと思う。母は笑顔で「これからこれから!」と私の頭をなでた。そして、何故か母はひまわりの種を買い物かごに入れた。今はまだ五月。ひまわりが庭できれいに咲くのはまだまだこれから。北杜市立甲陵高等学校(山梨県)輿水ゆりあさん新しい「私」に向かって学年が上がるにつれ、私はどんどん臆病になっていく。頭に思いついたこと、考えたことを素直に相手に伝えられないのだ。それを自覚する度に、中学のときはこうしていた、小学生のときはああしていたと、振り返ってしまう。おかしいと思ったことに対しておかしいと主張できない。「このままで良いのだろうか」と感じたことに対して意見できない。そして自分の中に不満は少しずつ蓄積されていく。いつか、体の中に毒素の溜まりすぎで爆発してしまうのではないか、とさえ私は思うときがある。何が原因でこんなにも臆病な私になったのか。結局、人目を怖く思うようになっただけなのだ。無防備に物申していた過去の私は、今では自分の意見への反論に傷つかないように自分の周囲に膜を張っている。しかも、反論や批判が来るなどということは、自身の憶測でしかない。それらの反論や批判が結果的にプラスに作用するかもしれないという期待は、憶測の中に含まれてはいない。落ち着いて考えてみると、それは少しもったいない気がしてくるのだ。今の私には風通しの良い空気孔が必要だ。人目に縛られず、固定した考えからは離れ、私個人の考えを、プラスに影響する可能性に活かしたい。だから、私の空気孔はどこに、何であるかというところから探そうと思う。これが、これからの私へつながる一歩である。長野県松本蟻ヶ崎高等学校(長野県)稻田朱里さん本当に大切なものとは先日、テレビで気になるニュースを見た。福島原発20キロ圏内の住民の、一時帰宅のニュースだ。滞在時間は約2時間。70センチ四方の袋1枚に入るだけの物しか持ち帰れないという。しかも、1人暮らしでも7人家族でも、1世帯につき袋1枚分だけだ。その袋はビニール製で、なんとも頼りなく見えた。4人家族の夏物の服を持ち帰るという男性。津波で亡くなってしまった娘と孫の写真と、暦を持ち帰りたいというおばあさん。暦を持ち帰る?あのおばあさんにとって、暦は大事な物なのだろう。一番大切なものは、人それぞれなのだと思った。私なら、何を持ち帰るだろう?お金…?いや、卒業アルバムを持ち帰りたいと思う。私は思い出を持ち帰りたい。楽しかった日々が、自分を支えてくれるだろう。生活に困っていない今の私は、思い出を選んだが、すべてを無くしそうな時の私は、何を選ぶだろう。そして、いつもは何気なく過ごしている家の中を、私はいつもとは違う思いで見た。私の家族の大切な一袋とは、なんだろうか…と。この短いニュースを見た後、家の中の物が私の目には違って見えてきた。長野県松本蟻ヶ崎高等学校(長野県)横川七海さん田植えをする祖父今年も、一家揃って作業をする田植えの季節になった。私は、毎年ゴールデンウィークにやる田植えが嫌いである。それは、「疲れる」とか、「せっかくの休みなのだから遊びたい」とかいう理由からだ。今年もゴールデンウィークに近づくうちに、次第に面倒くさい気持ちになっていった。田植えの日、私は田植え機が通った後の土をならしながら、なんとなく祖父のところを見ていた。ここ数年で体力がどんと落ちて、いつもどこか辛そうにしている祖父。その祖父が、体は辛いはずなのに、楽しそうに仕事をこなしている。伯母から休むように言われても全く休もうとしない。祖父は本当に田んぼ仕事が好きで、お米作りを生きがいにしてきたと聞いている。そして、祖父が作ったおいしいお米を食べて私は大きく育った。でも、いつか祖父のお米が食べられなくなる。私はふとそう思った。年を重ねるごとに祖父の仕事量は減っているし、家族からは働きすぎるなと注意されている。そんな祖父を見ていると、ゴールデンウィークに一緒に働くのも悪くないような気がした。こうして毎年、祖父の楽しそうな姿を見ながら、みんなで田植えができるのだから。私は手にした柄振りを押し返しながら、田植えの一日を楽しむことにした。愛知県立半田農業高等学校(愛知県)平岩奈穂さんおじいちゃんから教わったこと春のぽかぽかとした季節が過ぎじめじめとした季節に変わろうとする5月、おじいちゃんが亡くなった。おじいちゃんは孫をとてもかわいがっていた。母がはちみつみたいとよく言っていたくらいだから相当なものだろう。私は、そんなおじいちゃんが大好きだった。最期の別れ、涙を必死でこらえながらおじいちゃんにさよならを言った時、中学時代の思い出が蘇った。中学生の頃、人見知りが激しい私は学校でいじめを受けていた。毎日が苦しくてしょうがなかったが泣くのはみっともないと思っていた私は絶対に泣かないと決めていた。そんなある日おじいちゃんがこう言った。「奈穂、泣きたかったら思いきり泣け。人間はな泣かなくなったら笑えなくなるんだ。」私はその言葉に驚いた。でもその通りだった。私は泣かないと決めた日以来心から笑った記憶がなかったからだ。いつのまにか感情が失われていたのだ。我にかえった時私は泣い