17歳からのメッセージReport2011

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1717歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧北陸学院高等学校(石川県)安宅耀平さん「豊かさ」ということ「うわぁ?」ある朝、いつもなら寝起きの悪いはずの私をすぐに目を覚まさせたのは父の大きな叫び声だった。先日、東北地方でかつてないほどの大きな地震が起こった。「節電して下さい。例えば、トイレの便座の保温スイッチを切って下さい…。」大臣が節電を呼びかけたのである。これなら簡単で自分にもできると思い、保温スイッチを切っておいた。便座が冷たくて驚いている父の顔を見るまでそのことをすっかり忘れていた。便座が温かいということが「豊かさ」であることすら気付かなかった。それからというもの、布団で寝られること、食べるものがあることを深く考えるようになった。当たり前だったことが当たり前ではなかったのだ。日本には「豊かさ」があふれている。今の日本人は、「豊かさ」に鈍感である。欲しい物があれば、何でも誰でも好きな時間に手に入ることが普通だと思い込んでいる。こんな身近なところに恩恵を受けていることを地震が起こるまで私は気付くことすらなかった。そして、毎日の生活の中にも、今協力できることがあったのだと考えると、どんな困難な状況でも「豊かさ」を分けあえることができると思う。「豊かさ」の本当の意味を考えていきたい。そして、与えられる「豊かさ」に感謝し、分けあえる「豊かさ」を、私自身から実行していきたい。山梨県立都留高等学校(山梨県)鈴木将司さん親父俺は末っ子で、小さい時いつも母親にくっついて育ってきた。親父と言えば、放し飼いにされてきたようなイメージしかない。あまり俺とは話さず兄とばかり話す。親父は車やバイクが大好きで、仕事が休みの日はいつもいじっている。少しの傷や汚れも許さないほど気を使っている。俺の成績や進路をそれくらい気を使って考えてくれたことがあっただろうか。俺が十六歳になり、バイクの免許を取ることになった時、俺は少し親父の見方が変わった。どうせ乗るバイクは何か、とかカスタムするのか、とかしか聞いてこないだろうと思っていた。でも最初に聞いたのは、「タイヤ二つに命乗せられるか」親父は自動車教習所で三十年近く教官をしている。自分の学校の卒業生が自らのミスで事故を起こし亡くなったことが何度かあったらしい。だいぶ厳しい教官だそうだが、納得がいく。俺は親父を車バカだとしか思っていなかった。でも普段の念入りなメンテナンスは、車よりも大切なものを傷つけたくなかったからなのだと思う。俺のバイクも親父の手の中にある。世の中の何よりも大切なものが何なのかを教えてくれるのは親父だけだ。バイクに跨がると自然と親父の顔が目に浮かぶ。長野県田川高等学校(長野県)新海翔斗さん『ただいま』大好きだよ。これからもずっと。お前と初めて会ったのは小学生のときだったね、親の反対を無理やりおし切ってお前と一緒になったのをお前は知らねぇだろ。お前が家から出ていったとき必死になって探したよ。3ヶ月も帰らないなんて俺だってしたことないのにさ。一応警察にもたのんでみんなで探したのにお前は全然出てこなくて。泣いちゃったじゃんかバカ。それで3ヶ月してから何もなかったように俺んとこきて『ただいま。』なんて顔されても困るんだけど。また泣いちゃったよ。俺が「おかえり。」って声に出して何度も言ったのをお前は覚えているかい。あれからもう7年だね。今も一緒にいれること、すごく感謝しているよ。最近は帰るとお前が先に「おかえり。」って言うね。俺はそれが嬉しくて、愛しくてたまらないんだ。幸せだなって思う。…でもさ、お前は俺より先に死んでしまうね。病院に行ったって、神様にお願いしたって、お前は先に死んでしまう。でも今はそんなこと考えない。だってお前はまだ元気に走り回れるし、一緒に遊んだり、お風呂も入れるからね。たまにはケンカもするけど、いつもお前が先に謝るよね。俺もそれでどうでもよくなって一緒になって飯食ってさ、大好きだよって。お前と俺はこれからもずっと一緒だよ。男と女だし、歳も全然ちがうけど、俺たちは最高の友達だよ。今日も帰ったらお前はおかえりって「にゃあ」って鳴くんだよね。ただいま。大好きだよ。長野女子高等学校(長野県)島田奈々さん視線の先『ここまでそうじしてくれてありがとう』小さな紙に書かれている言葉だ。朝早く起きて、いつもより一本早い電車に乗っていく学校への道のりは、ゆううつな気持ちにしかならない。朝掃除というものは実に面倒だと思う。ジャージに着替えて、職員室に向かう。ほうきを手に持ち掃除を始めると、ゴミが溜まってくる。机の下やイスの下、角のすみっこ、どんどんと掃いていく。事務室のほうき掃きをするために角の方へ行って、掃き始める。すると、ロッカーのひざ下あたりに小さな紙が貼りつけられているのが見えた。その紙には、『ここまでそうじしてくれてありがとう』と色ペンで書かれている。私は初めにそれを見た時に、思わず小さく笑ってしまった。何だか心が、浮き浮きとしてきたような気がした。ほうき掃きをする時、目線は下の方にある。しっかりほうきを使っている人には見えるしかけなのだろうと思う。これを貼りつけた人の、おちゃめな所がとても面白く思えた。日常には、人の心を動かす言の葉がヒラヒラと舞っているような気がした。多治見西高等学校(岐阜県)山下果歩さん親友がくれた一言中学一年生の冬、私は学校の寒い教室の隅にいつも一人で座っていました。同じクラスの女子達が私に聞こえるように、大きな声で悪口を言ってきたり、通りすがりに「死ね」