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【2017年度】上宮智之ゼミ 3大学合同研究発表会

第5回 3大学合同研究発表会

 第5回 3大学合同研究発表会が、12月23日(土)、午後12時30分からD館3階32教室で行われました。参加したのは島根県立大学の西藤真一ゼミ、奈良県立大学の下山朗ゼミ、本学の上宮智之ゼミ。冒頭で、合同ゼミ委員長の鉢上光樹さんと上宮ゼミのゼミ長を務める片島悠介さんが「遠い地域から参加いただき、ありがとうございます」「精一杯、がんばります」などと元気に挨拶し、その後、この日のために練り上げてきたプレゼンテーションを7チームが披露しました。
 第一ブロックでは、まず上宮ゼミの学生が「言葉による印象の違い-フレーミング効果」のテーマで、表現方法が異なることで受け手の捉え方が変化するフレーミング効果について、アンケート調査を基に検証した結果を報告。西藤ゼミの学生は「石見空港のビジネス利用の実態把握と地方における空港経営改革の可能性」のテーマで、下山ゼミの学生は「飲食業における人手不足を考える〜学生アルバイトのアンケート調査から」のテーマで報告を行いました。
 第二ブロックでは、上宮ゼミの学生が「現状維持バイアスと意思決定」のテーマで、複数の選択肢があっても現状と同じ選択をする現状維持バイアスについて、どのような人にバイアスが働きにくいかをアンケート調査で検証し、その結果と課題を報告。西藤ゼミの学生は「浜田市におけるバス路線再編の可能性について」のテーマで報告しました。
 第三ブロックでは、まず下山ゼミの学生が「経済効果ってなんだろう?〜 それって本当に儲かっているの?〜」のテーマで報告。上宮ゼミの学生は「怒りの感情とリスクの関係」のテーマで、怒りの感情に支配された状態ではリスクの高い行動を選択してしまうマテラッツィ効果について、提案ゲームを用いたアンケート調査で検証し、結論と課題を報告しました。
 それぞれのチームの報告後に、参加学生と指導教員を交えた質疑応答が行われ、学生からは「勉強になった」「今後の発表の参考になった」などの讃辞のほか、発表内容に対する学生目線の率直な質問が投げかけられました。また指導教員からは発表内容についての鋭い指摘や今後のブラッシュアップを見据えたアドバイスが行われ、発表した学生たちは真剣な表情で聞き入っていました。
 報告終了後の総括では、3大学のゼミの代表が「この経験を就活に生かしたい」、「準備に苦労したが勉強になった」などと振り返り、続いて奈良県立大学の下山准教授が「ゼミ生の皆さんは、我々教員を上手く活用して成長してほしい」。島根県立大学の西藤准教授は「ゼミ活動は社会における仕事の過程そのもの。その人の姿勢が評価されることを忘れないでほしい」。上宮准教授は「ゼミ活動の全てが貴重な経験となり自分の可能性を広げていける。自身で何かに取り組む重要性を感じてもらえると嬉しい」と講評しました。

言葉による印象の違い―フレーミング効果―

上宮ゼミ1班:石井,片島,佐々木,富永,中村,山本

 人間は,尋ね方や言い回しを変えられることによって,同じ事柄でも受け取る印象が異なる。この現象を「フレーミング効果」という。私たちは,実際に「フレーミング効果」が存在するのか,さらに,「フレーミング効果」を応用して社会問題を解決できないか,について考えた。
 まず,「フレーミング効果」の有無を確認するために,本学学生153名を対象に,先行研究に示された実験の追証に加えて自分たち独自の実験もおこなった。これらの実験から確かに「フレーミング効果」は存在するといえる。さらに,この「フレーミング効果」を駅前の放置自転車問題に役立てられないかについても検討した。
 他大学の先生や学生さんからいただいた意見を参考に今後さらにより良い研究を目指したい。

現状維持バイアスと意思決定

上宮ゼミ3班:尾崎,郡,関口,西田,横田,良岡

 私たちはリチャード・ゼックハウザーとウィリアム・サミュエルソンが提言した「現状維持バイアス」について研究した。何か変化があるとしても,他の選択肢を選ばず,既存の状態と同じ選択をする(確率が上がる)ことを「現状維持バイアス」という。
 この「現状維持バイアス」がどのような人に作用するのか,あるいは作用しにくいのか,を本学でのアンケート調査をもとに検証した。この際,他の選択肢を選んだ場合に得られる利益の期待値を示したアンケートも用意し,期待値表示が「現状維持バイアス」に与える影響も考察した。
 今回の調査では,大雑把な性格の人よりも細かい性格の人の方が現状維持バイアスは作用しにくく,期待値表示を行っても「現状維持バイアス」を回避しにくいという結果が出た。
 「現状維持バイアス」の分析は,実社会においては,新規顧客獲得や新商品の販売促進に応用できる可能性が大いにあるため,今後も引き続き注目していきたい。

怒りの感情とリスクの関係

上宮ゼミ2班:今釜,霧島,関岡,鉢上,前迫,山尾

 怒りによって自分たちに損をもたらす選択や行動をとる場合がある(これを2006年のサッカーW杯決勝におけるジダン頭突き事件関係者の名前から「マテラッツィ効果」という)。本研究では「怒り」の感情とリスクの高い選択あるいは行動との関係を,2つのパターンを用いた独自のアンケート調査に基づいて検証した。
 本学学生約200名を対象としたアンケート調査は,「最終提案ゲーム」を応用したものである。この調査から怒りの感情を抱いている人ほど自分に損な提案をおこなう傾向にあることが明らかとなった。
 この結果にしたがえば,たとえば,怒りが私たちの投資選択にも大きな影響をもたらす可能性もある。怒りの感情が私たちの投資選択に与える影響を検討することが次の研究課題である。