研究関連

太田一樹

経営学 = 人々を幸せにする学問 【太田一樹】

「B to B」の中小企業に注目

経営学とは何か?。私は「ビジネスを通じて、人々を幸せにするための仕組みを構想し実践するための学問」と思っています。企業は社会的責任としてビジネスを継続していくことが必要です。そのためには、愛顧される商品・サービスを創り、従業員を大切に育成し、取引先とWIN-WIN関係を構築し、そして地域にも愛されなければなりません。 つまり、企業を取り巻く企業や人々に理解され、喜んで協力してもらうことが 企業の存続・成長にとって大切です。自社だけ儲ければよいという企業はどこかで行き詰り、取引先や従業員などに迷惑をかけることになります。人々を幸せにするための仕組みを考えること、そしてそれを効果的・効率的に実践するための方法を日々工夫すること、このことが経営にとって最も大切なことです。

マーケティング論は、大企業を対象とした研究が多いのですが、私は、中堅・中小企業のマーケティングを研究しています。それは、グローバル社会における日本の競争力を考えると、「ヒト」「モノ」「カネ」といった経営資源が大企業ほど豊富でない中小企業こそマーケティング理論を使って市場を創造していく必要があるからです。また、大きな企業が良い商品を作れるのは、中小企業の技術があってこそ。一般消費者向けに商品を作っている「B to C」(Business to Customer)企業に目が向きがちですが、「B to B」(Business to Business)にも素晴らしい企業はたくさんあることを、学生たちには伝えています。

大学は「知の交流拠点」

中小企業が海外に目を向けることも必要です。日本国内だけでなく、世界、それもアジアに目を向けるとまだまだ成長可能性の高い国々がたくさんあります。ただ、欧米のグローバル企業との競争が激化するアジア諸国でビジネスを展開するには、日本国内と同じマーケティングでは通用しません。定期的に大学院生とともに大市場であるアジアへ現地調査に赴き、ビジネスの動きを追っています。 

大学は、様々な人や知識、情報が行き交う「知の交流拠点」です。授業では、経営者の方に講義していただき、それをもとに学⽣が新規事業のアイデアをプレゼンテーションし、コメントをもらうこともあります。また、社会人やアジアからの留学生がたくさん在籍する大学院のゼミとの交流もあります。社会人大学院生は企業経営者層が多く、実務の経験を理論で整理しつつ、成長のための新規ビジネスを構想したいという知的好奇心旺盛な方々が多いです。学生には、机上の勉強だけでなく社会人大学院生との交流や企業視察など通じてビジネスの醍醐味を五感で感じてもらいたい。そして、数年後に、本学経営学部で学んで幸せだったと感じてもらえることが教員の使命だと考えています。