教員としての資質を高める、新たな取り組みにチャレンジ
藤澤宏樹教授(経営学部)が担当する「教職実践演習」では今年度、新たな試みとして教育実習での経験を振り返る動画の制作に取り組んでいます。「教職実践演習」とは教員免許の取得を目指す学生が4年次に履修する、全15回の授業です。4年間の教職課程全般の振り返りを通して自身の現状を確認し、教員としての資質を高めていく狙いを持ち、模擬授業、グループ活動などを行います。
今年度は履修生の中にメディア制作に関する知識を持つ元放送部の学生がいたことから、今回の取組みが実現しました。パワーポイントのスライドショーに、収録した音声を合わせた動画を制作。シナリオづくりから、音声収録、動画編集まで、5名の学生が協力して進めました。
2022年12月15日の第11回の授業では、音声の収録が行われました。シナリオは一人一人の経験を全員が共有し、意見を出し合ってまとめ上げたもの。それぞれの教育実習での失敗談や喜び、得られた学び、成長のストーリーが語られます。
この日、収録に取り組んだ学生は、教育実習中、準備を怠ったために失敗してしまったものの、周囲のサポートに支えられて乗り越えられたという体験を語りました。収録ではただ文章を読み上げるのではなく、内容に合わせて声のトーンや抑揚に変化をつけ、ストーリーにこめた思いがしっかりと伝わるように意識して発声をしていました。短いセンテンスごとに分けて録音していき、放送部員の学生のアドバイスを受けて何度か録り直しをする場面も。神経を集中させて収録に取り組んだため、学生たちからは「やってみると思っていた以上に大変だった」という感想も出ていました。
藤澤教授は、「この取り組みにおける一つめの目的は、動画制作を通じて教育実習での経験を学生自身がしっかりと振り返ること。それと同時に、制作した動画を公開し、次の世代の学生たちに教職課程の学びがいかに人を成長させるか、ということを伝えたいと考えています。特に、授業を組み立てて生徒の前で話し、現場の先生や生徒とふれあう教育実習は、学生を大きく成長させてくれます。動画を見て、学生たちの経験談からその良さを感じてくれることを期待しています」と語りました。