お知らせ・ニュース

ニュース

【実施報告】万博講座「いのち輝く 共創社会」

2022年11月11日(金)

大阪・関西万博をきっかけに、“共創社会”を考える

10月15日(土)大隅キャンパス70周年記念館フレアホールにおいて、万博講座「いのち輝く 共創社会」を開催し、学内外から236名の聴講者にご来場いただきました。
本学では2032年に創立 100 周年を迎えるにあたり「100 周年ビジョン DAIKEI 2032」を策定し、そのなかで「商都大阪の原動力となる」という社会実践ビジョンを定めています。このビジョンに基づき、大阪・関西万博を通じた地域との交流促進を目的にした万博講座を2019年より開講しています。
今回の講座では、第1部で株式会社ジャパネットたかた創業者である髙田明氏の基調講演、第2部でパネルディスカッションを行いました。
 
 
第1部 ジャパネットたかた創業者・髙田明氏による基調講演

【プロフィール】
1948年長崎県平戸生まれ。大阪経済大学卒業。阪村機械製作所に入社、機械営業の通訳に従事。74年、父親が経営していたカメラのたかたに入社。観光写真撮影販売から事業拡大し、86年に株式会社たかたを設立、代表取締役に就任。90年からラジオショッピング、94年にはテレビショッピングに参入し、通信販売事業を本格的に展開。99年ジャパネットたかたに社名変更。2015年、ジャパネットたかた社長の座を長男に譲り退任。同時にA and Liveを設立。
 
髙田氏による基調講演のテーマは、「私の人生を大きく変えた出会い~夢持ち続け日々精進~」。これまでの人生で得た気づきを踏まえて髙田氏は、先行きが不透明な時代を生きるヒントとして、「起こったことを受け入れて解決のために知恵を絞る」「過去にとらわれず、自分のできることに力と時間を集中し、今を生きる」ことが大切だと助言しました。また、「どんな状況でもくよくよせず、夢を持ち続けて一生懸命に精進することを決してやめてはいけない。人生はボトルネックを探し続ける旅。課題を見つけ、大変な思いをしながらも乗り越えていくからこそ人生は楽しい」と語りました。
 
本学在学時の髙田氏は海外で仕事をしたいという夢を持っており、英語学習に大きな力を注ぎました。結果、卒業後に務めた企業でヨーロッパに駐在する機会を得たそうです。そこで出会った人や仕事をする中から得た学びを活かしながら、自身の夢を追い続けてきたのだと言います。未来を担う学生たちには、「わき目もふらずに好きなことをやれば道が拓けてくると伝えたい」と壇上から語りかけました。
 
ユーモアを交えながら、多様な経験に裏打ちされた説得力のある言葉を熱く語る髙田氏に、会場からは大きな拍手が送られました。
 
 
 
第2部 パネルディスカッション「いのち輝く共創社会」

第2部では、森栄子氏(2025年日本国際博覧会協会 機運醸成局地域観光部 審議役兼観光推進課長)、伊藤真人氏(株式会社パソナグループ 常務執行役員)、内橋洋喜さん(本学情報社会学部4年生)の3名をパネリストに迎え、「いのち輝く共創社会」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
 
パネリストがそれぞれの取り組みを紹介した後、個人や地域、社会で継続して共創に取り組んでいくためのヒントや考えなどを語り合いました。大阪・関西万博の開催に向けてさまざまな共創の取り組みに関わっている森氏は、「共創の活動に対し、自分たちには関係のない、特定の人の集まりだと思っている人がまだ多いのではないか」と指摘。大阪・関西万博では“いのち輝く未来社会”をテーマとして、皆で考えてつくり上げていくことをコンセプトとしており、関連した取り組みが多く実施されていることから「ぜひそれらを活用し、まず行動してつながることから始めてほしい」と語りかけます。
 
パソナグループの伊藤氏は、「コロナ禍が人との関わりに影響を与えましたが、一方でオンラインやアバターの技術を活用した、新しい形での人とのつながりが生まれています。このような人とのつながりが増えることで人同士の理解が深まっていけば、世界にあるさまざまな対立も減っていくのではないでしょうか」と発言。大阪・関西万博のパビリオン『Natureverse(Nature×Universe)』では、そうした未来の実現を願い、「 “ありがとう”が響き合う世界を共につくろうという世界観で展示を行います」と話します。
 
内橋さんはゼミ活動で、福祉事業所と大学が地域で連携してお互いの課題解決を目指す、福学地域連携プロジェクトの代表を務めています。福祉事業所でつくる製品を学内等で販売する「くすのきエール・マルシェ」を開催するなどの活動を行い、「事業所は売上が増え、学生は今までにない主体的な学びができ、双方にメリットがあるからこそ継続できたのではないか」と考察します。「活動をする中で、感謝の気持ち、人とのつながり、相手を知ることの大切さに気づけました。また、まわりの多くの人を巻き込んで活動することによって、新しいものが生み出せたと感じています」と、経験から得られた学びについて語りました。
 
パネリストの発言を受けてファシリテーターを務めた本学森詩恵副学長は、「本学でも共創の重要性を実感しています。共創しながら新たなものを生み出していく“創発”の場となり、新しい価値観をもって社会課題に向き合う学生を育てる大学でありたいと考えています」との決意を語り、パネルディスカッションを締めくくりました。