この科目は、EU(特にドイツ)の温暖化対策、再生可能エネルギー普及を支えるシステムについて学び、再生可能エネルギー普及にたずさわる市民・学生と交流することを目的としています。春学期の講義でヨーロッパとドイツの政治制度、エネルギー政策、地球温暖化対策について基礎的知識を学んだ上で、現地ではドイツの温暖化対策と再生可能エネルギー資源普及活動についてフィールドワークに取り組み、帰国後にレポートをまとめます。
今回訪問したのは、ドイツ南西部、スイス・フランスと境を接する地方で「環境首都」と呼ばれるフライブルク市とその周辺「黒い森」地域。温暖化対策の先頭を走るフロントランナーとも言える場所です。現地では、気候危機やドイツの再生可能エネルギーについての講義を受けたほか、学生自身が市内のウォークラリーや省エネを考えるワークショップなどを行いました。
フィールドワークでは、フライブルク市にある包装フリー・量り売りの食品店や廃棄物処理センターをはじめ、市内でも先導的な取り組みを実施しているヴォーバン地区を訪問。木質バイオマスを利用した地域熱供給システムや、自動車を持つ必要がなく省エネルギー住宅を中心に作られた町など多彩な現場を視察しました。またフライブルク市近郊の「黒い森」にある再生可能エネルギーで自給自足するフライアムト村では、村全体で取り組む風力発電や太陽光発電、バイオガス発電等のほか有機酪農を視察しました。
また「黒い森」の農家を訪ねた際は、有機農産物を活用した伝統的な郷土料理を、フライブルク市内の大聖堂ではパイプオルガン演奏など現地ならではの文化も楽しみました。