本村ゼミでは、動物福祉の考え方をベースに人と動物との関係に関する研究を行っています。今回のゼミ合宿の最大の目的は、うだ・アニマルパークの動物福祉に関わるプログラム「いのちの教育」を体験すること。このプログラムでは、動物にも感情や要求があることを知り、私たち人間と同じ「いのち」を持つ動物がより良く生きるために、人がどのような責任を負い、果たすべきなのかを考えます。
合宿1日目、うだ・アニマルパークを訪れた学生たちは、アニマルパークのスタッフから動物福祉についてのレクチャーを受けた後、6グループに分かれ、人と動物が関わる中で起こるさまざまな問題についてディスカッションをしました。多頭飼育、動物実験、高齢者とペット、野良猫との関わりなど、各グループでテーマを設定。動物たちのどのような自由が奪われているか、人間社会にとっての問題は何か、どうすれば人と動物の共生がより良い形で実現するのか、動物福祉の考え方を踏まえて議論を深めていきます。問題を明らかにした上で解決策を探り、最後はグループ発表を行いました。
動物実験をテーマにしたグループの安藤正真さん(3年生)は、「難しいテーマなので途中で議論に行き詰ってしまいましたが、アニマルパークの獣医師の方から『動物にいかに恐怖やストレスを与えないようにするかという観点から考えればいいのでは』との助言を受けたおかげで、積極的に意見交換することができました」と振り返ります。太西彩月さん(4年生)は、「高齢者とペットの問題を取り上げた私のグループでは、宅配システムを活用して高齢者宅にペットのエサを届けるといったユニークな意見も出ました。グループワークだからこそ、いろんな意見が聞けて興味深かったです」と話します。