【2022年度】若吉ゼミ 大阪府能勢町教育委員会で研究発表

2019年から続く能勢町との連携プロジェクトにゼミ生も参画

2023年2月27日(月)、能勢町役場本館で令和4年度「大阪経済大学×能勢町:体力向上の取組報告会」が開催され、能勢町教育委員会、能勢ささゆり学園と能勢保育所の先生方が出席する中、人間科学部若吉ゼミの4名が発表を行いました。この報告会は①能勢町の子どもの体力向上について考える②体力向上の取組を生かして地域の活性化を図ることを目的としており、定期的に行われています。

発表では、竹中綾一さん(3年生)と岩崎那南さん(2年生)が、能勢ささゆり学園で2022年夏に開催したトビウオ教室(夏休みの水泳教室)での研究成果「児童を対象とした短期水泳教室における指導法の検討~スイムバランサー活用によるクロール泳向上の取り組み~」を報告しました。
伏し浮きやけのび動作の可否が、クロール泳の習得や到達距離に影響してくるのではないかという仮説をたて、水泳教室の序盤にスイムバランサーを装着した伏し浮きとけのび動作の練習を取り入れた指導を毎日2時間30分、3日間実施し、効果を測定・分析。その結果、伏し浮きの時間、けのびの距離、クロール泳距離の全項目で平均値の上昇が認められ、学年が上がるにつれて数値の上り幅にも上昇傾向が見られました。また伏し浮き時間とけのびの到達距離、伏し浮き時間とクロール泳の到達距離、けのびの到達距離とクロール泳の到達距離にも相関があることがわかりました。
これらの結果から、「浮く」動作は泳力向上・泳ぎの上達に直結するものであり、水泳の練習には、伏し浮きやけのびをベースとした声掛けや練習を積極的に取り入れることが望ましいと結論づけたうえで、来年度の水泳教室の実施内容について提言を行いました。

続いて、村上春菜さんと前原純也さん(いずれも3年生)が、2022年度に能勢保育所と連携して取り組んだ幼児の走力向上の研究「幼児を対象とした疾走能力向上への取り組み~オリジナルオノマトペ体操は成功するのか~」についてオンデマンド形式で報告しました。
2019~2021年度の3年間、若吉ゼミではプロジェクト「能勢っ子!かけっこ!日本一!」に参加して能勢町の子どもたちの走力向上に取り組みながら、オノマトペ体操の研究を行ってきました。先輩方の研究によると、3年間の取り組みで50m走のタイムが全国平均値に近づくという成果が生まれた一方で、小学校入学時点、つまり1年生の50m走タイムが、全国平均よりも大きく下回っていることが判明しました。そこで、村上さんと前原さんは「幼児用オリジナルオノマトペ体操」のプログラムを考案して動画を制作、保育所の子どもたちに動画を見ながら体操してもらい、長期(4か月間)取り組みが幼児の走力向上に好影響をもたらすかを検証しました。
結果は、測定結果の全体でのばらつきが大きく、オノマトペ体操と走力向上の関係を明示することができませんでしたが、4・5・6歳児共に効果が得られたことがわかりました。また今後の課題として、年齢別にオノマトペ体操の内容を検討すること、体操の強度や頻度を上げることを挙げました。

発表後に行ったグループディスカッションには竹中さんと岩崎さんも参加して、若吉教授や能勢町関係者と意見交換を行い、次年度の取り組みについて具体的なアイデアを提案しました。
 
報告会後に能勢町長、能勢町教育委員会教育長と若吉教授により、2つのプロジェクトを継続して取り組むこと、保育所とも連携することについて話し合われました。今後も若吉ゼミでは研究や地域連携の取り組みとしてプロジェクトに参画していきます。