髙井ゼミ 商店街を活用した福祉に関する地域課題の解決に向け、東淀川区で調査を実施

人間科学部2年スポーツ健康実践演習(16人)の髙井ゼミ活動報告

学外で地域のつながりと課題を学ぶ

髙井ゼミは地域ニーズを把握し、商店街を活用した福祉に関する地域課題解決の研究に取り組んでいます。その一環として今回、福祉協議会、地域の高齢者、地域を支える婦人会、商店街を訪ねました。この研究は「地域課題解決をめざした学生参加型の商店街福祉転用の試み」として本学教育改革支援研究費の補助を受け実施しています。

福祉協議会に訪問、高齢者向けの「食事サービス」の現場へ 地域のつながりを学ぶ

2019年7月11日(木)に東淀川区社会福祉協議会に訪問し、地域が抱える課題や対応する取り組みなどの説明を受けました。増え続けるひとり暮らしの高齢者が、地域から孤立することを少しでも防ぐため、各地域で月に1回「食事サービス」が提供されていることを知りました。その後、2019年9月27日(金)に大学近隣の小松地域で行われている「食事サービス」の調理現場で、ヒアリング調査を実施。小松地域婦人部会の植田婦人部長からは「ひとり暮らしの高齢者が一同に集まり、会食しながら歓談することは、健康面にもいいし、お互いの安否確認にも繋がる」と話していただきました。毎回用意する約30食分の下ごしらえ等は、すべて婦人部のボランティアが行っており、こうした住民同士の支え合いがあって、地域のつながりが存続していることを学生は学びました。

高齢者、商店街でのインタビュー 現状課題を理解し、研究対象に広がりを見せる

地域に暮らすシニアの日々の生活を理解するため、20191023()、小松地域の老人クラブに参加する高齢者21人に買い物に関するインタビューを行いました。スーパーがなかった時代に小松商店街を利用していた高齢者の多くが最寄りのスーパーを利用するケースが目立ち、商店街で買い物をしない理由として「欲しい商品が商店街に揃っていない」「膝が悪く行けない」といった意見が聞かれました。続いて20191127日(水)に小松商店街で八百屋、豆腐屋などを対象にインタビューを実施。店主の方は「経営的には苦しい部分もあるが、店を始めて何十年と来てくれるお客さんがいるので、大変でもお店は続けたい」と前向きに語っていました。インタビュー後、ゼミ生から「他の世代についても調査すべきでは?」といった意見があり「買い物に関するアンケート調査」を実施するため質問項目を検討。またアンケート調査実施を、小松地区の自治会長に相談した結果、小松中二地区でアンケートを実施することができました。今後は、アンケート結果を集計し福祉面での課題解決に向け、商店街を活用した施策の検討を進める予定です

指導教員のコメント

髙井 逸史 先生
ゼミ活動を大学から地域へシフトすることにより、学生は地域のことや高齢者のことを深く理解するようになりました。さらに、地域や商店街の抱える現状の課題についても積極的に学ぼうとする姿勢が芽生え出したと思います。