学生たちは、価格設定や仕入れ数の決定から携わり、店舗ディスプレイ、接客販売、データ分析、予約販売と、チームに分かれて役割を分担。学内販売の価格設定においては、「燦々堂」では2個セットで販売されているサンドイッチを1個売りにすること、通常価格から値下げした上に2個購入ではさらにお得になる価格での販売を提案しました。購入しやすい価格を設定し、お得さをアピールして購買意欲を高めることを狙いとした提案内容は、企業から承諾を得られました。また、校舎前で実施する店頭販売の対象は学生中心になると予測し、教職員への知名度アップを図るため、学内の事務部署を訪問して注文を受け付ける予約販売の実施も決定しました。
たまごフィリングがたっぷり入った商品の特長をふまえ、“あふれる”たまごサンドというキャッチフレーズを考えたのは、近本景介さん。企業担当者との意見交換の中で、具があふれて食べにくいというお客様の声もあると聞いたことが発案のヒントとなったそう。「マイナスの声を逆手にとって、商品のPRポイントとしてキャッチフレーズにしました。企業の方に採用していただいてうれしかったです」と話します。学内販売では、このキャッチフレーズが大きくデザインされたのぼり旗が作成され、多くの学生の目を引きました。
2022年11月から2023年1月の間に、3回の学内販売を実施。クリームチーズの入った「デビルサンド」など4種類のたまごサンドとドリンクを販売しました。1回目は用意した商品が完売したものの、完売までに1時間以上を要しました。販売の様子を見守っていた企業の担当者からは、「お客様へのアプローチの仕方に工夫が必要」などのアドバイスをもらいました。学生たちは、ディスプレイや声かけの仕方などに改善が必要だと感じたと言います。
教職員向けの予約販売を担当したチームは、オリジナルのチラシを作成し、学内の各部署を訪問して販売促進に努めました。1回目の販売時から十数個の予約注文を獲得。東野愛弥さんは、「チラシにはQRコードを記載し、簡単に注文できるようにしました。予約注文によって安定した販売数を確保でき、『燦々堂』の認知度を高めるという目的も、ある程度は達成できたと思います」と振り返ります。蒲原敬太さんは、「各部署を訪問する中で、教職員の方々と交流できたのが印象的。リピーターを獲得することの難しさも感じました」と述べました。